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AI ゴンゾウ  作者: 小池 隆彦
Prologue
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13/15

友美初出勤

 ついに初出勤日、バイト先には先月いっぱいで就職するのでやめると伝えたら店長が送別会を開いてくれた。

 バイトがやめて送別会なんて初めてだし、少し驚いた。

 そんなことを考えながらスーツを着て鏡の前で身なりをチェックする。鏡なんて今まで見る必要もなかったから部屋にはなかったが、ゴンゾウが買えと、うるさかったからしかたなく購入したが、こんな形で必要になるとは……

「おはようございます。すでに起床しているとは驚きました」

ゴンゾウの音声が聞こえる。

「緊張してなかなか眠れなかったのよ。でも以前ならやっと眠れたと思ったら、起きたときには大遅刻とかあったから成長したものよ……私も」髪を整えながら答える。

「そろそろまいりましょうか」ゴンゾウが最適な時間を割り出してくれる。事前に通勤コースや通勤時間も一緒に検討してくれたからしっかり頭に入っているが。

「おはよう」

一階へ降りると両親に声をかける。振り向くと母と新聞を読んでいる父の表情が硬い。

「きょ、今日からだな……」

「うん、お父さんの顔を潰さないようがんばるよ!」

 ゴンゾウの画面には表示されてはいないが、無音だとこんな感じで表示されるに違いない。

 父の表情が柔和になる。

「ごはんは?ちゃんと食べていきなさいよ」母が朝食を勧める。

「うん、ありがとう」

「がんばれよ」父のちからのこもる声を背に使用した食器を流し台へ運び出発した。

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