第3話
とりあえず、あの山にある塔に来た。あいかわらず塔は、とてつもなくでかい。
その塔は半径10メートルぐらいの円柱のようだ。高さは、わからない。頂上が、ここからでは見えないくらいでかい。
そして、1番下のところには門みたいなものがある。中はなぜか、ここからは全く見えない。暗いような黒いような感じで、塔の中がどうなっているかわからない。
不気味な感じがする。あんなところに入りたくはないな。でも、気になる。何があるのか、わからないから入ってみたい。入って確かめてみたい。
そう思って、体は勝手に動いた。
門を抜け暗闇に入る。周りには何も見えない、何もない、何も感じない。あの夢のようだ。
急に暗闇に光が差して、声がした。
『プレイヤーヲ確認シマス。――既ニ確認済ミデス。―――エラーガ発生シマシタ』
なんだ、何を言っているんだ。機械のような声だ。あの夢の声とはちょっと違う。
『エラーヲ分析シマス。エラーヲ分析シマシタ。アナタニハ――ガアリマス。確認完了デス』
―…―
急に明るくなった。周りが真っ白になって、眩しくて思わず目を瞑った。
やっと光が収まり、目を開けるとそこには洞窟のような道がある。石造りの道と壁だ。松明や照明は見当たらないが、暗くはない。でも、明るいわけでもない。
辺りを見渡しながら歩き始めると、分かれ道が出てきた。まるで、でかい迷路のようだ。
それから少し歩いて行くと、前方から何かの音が聞こえてきた。足音のようだ。
こんな所に誰かいるのか。いや、俺みたいに入ったやつがいるかもしれない。
足音は近づいてくる。あの曲がり角で見えるようになるはずだ。
ペタッ、ペタッ、と裸足の音がする。なぜこんな所で裸足でいるのかわからない。
すると、曲がり角からニュッと足音の正体が姿を見せた。背が低いなーっと思ったら、それは人ではなかった。
緑色のモンスターだった。