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第2話

夢を見ていた。


真っ黒の中にポツンと俺がいる。周りには何も見えない、何もない、何も感じない。俺が存在するだけ。


なんだろう、これは。すごく落ち着く。まるで俺の体の一部のような、俺そのもののようだ。他に何もなくてただ俺がいるだけ。


急に暗闇に光が差して、声がした。


『オマエハ…オマエニハ――ガアル』


男のような女のような声。わからない。何を言っているのか、わからない。


なんだ、何があるんだ。何が起きているんだ。変な夢だ。いや、夢なのかもわからない。こんなに困惑しているのは初めてかもしれない。


『ソレデハ、ハジメヨウカ』




…―…



「はっ」


と急に目が覚めた。すごい汗の量だ。パジャマはビショビショで、髪の毛は濡れている。とりあえず、シャワーでも浴びるか。



なんだったんだろう、あれは。シャワーを浴びている間、ずっとあの夢のことを考えていた。夢にしてはあまりにも鮮明に覚えている。今までこんなことはなかったのに。



シャワーを出て服を着替えて、窓から外を見てみたが、まだ暗かった。だから、気になって時計を見るとまだ夜中の2時だった。 

 

もう一度寝ようと思ったが、目があまりにも冴えているから、寝る気にはならない。外の空気を吸いに散歩でもしに行くか。


いつものように靴を履いて、扉を開けて、外に出る。だが、外はいつものようではない。


「なっ、なんだよ、これ…」


あたりを見渡せば、天に向かって上っている大きな塔が見える。石造りのようだ。ただの塔ではないことは見ればわかる。


昨日までなかったのに急に現れた塔。1日もかからず、こんなものを作れるわけがない。


雲を超え、天を突くこの巨塔を。






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