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家の中に入るとロクサーナはおもむろに水晶を取り出し、ガイに手をかざすように言った。
その水晶でロクサーナがガイの能力を鑑定した。
鑑定をするに時空の裂け目を生還し、何かしらの能力を得たが、
それは他の色の適正と内臓魔力の上昇、身体能力の向上である、とのことだった。
5色の魔法は全色扱えることは稀であり、仮に扱えたとして
実践レベルまで引き上げることは非常に困難で、それができるようになるのはおとぎ話の英雄くらいだと言う。
内臓魔力に関しても、元来それぞれ個人の才能であり、持つ魔力は決まっている。
あとは訓練によって基礎魔力を高める以外にない。
ガイ自身、村のしきたりとして緑魔法を習得したが、興味があるもののセンスがないのかイマイチ。
魔法ではアリシアに負ける。
また、武器を取ればダナディに負けるので弓を握った。
3人で狩りをしたときは分担ができていたので困ることがなかった。
今は独りとなり心細さもあったが、話を聞いたガイは魔道士としての道が開けたことが嬉しかった。
「う~ん、青と白の適正が発現したようだね」
ロクサーナは水晶を見つめながらそう言った。
青は知識・学問・技術の色。
青魔法に適性のある者はテレパシー・テレキネシス能力、魔道具作成にかかわる創造・修繕魔法、幻影魔法
攻撃魔法では水、氷、風魔法に適性がある。
白は神聖・規律法律・防御の色。
白魔法に適性のある者は回復魔法や付与魔法、盾魔法に適性があり、
神の力を借りて白魔法より高度の治療や攻撃、魔を払う神聖魔法がある。
ガイのいた村、ユースタス村は精霊の加護得て繁栄してきた。
自然と共に生き、そして暮らす。
森に入れば森の声に耳を傾けて魔物を倒してきた。
自然へ感謝をして木を伐り倒し、生活の糧とした。
緑と共に生きる、緑魔法以外にも自分が魔法を使えるとは思わなかったので、ほかに適性があることが
これもまたガイは嬉しかった。
「これでウチでやることが決まったね」
ニカッっと笑いながら、ロクサーナが言った。
3色の魔法訓練と製剤勉強、実地訓練、その合間に家事をやることになった。