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無事に手紙を携えた竜巻鷲を送り出し、使役に関してマリベールに質問されたことを答えた。
自分自身が一番驚いていたがロクサーナはそれをニヤニヤしながら見守った。
「ポーション作りはまた今度だ、二人で畑仕事して来なさい」
そう促されるまま畑へ行った。
マリベールに話を聞くと今日は土地を休ませていた箇所を鍬入れして畝を作り、
そこに薬草の種を植えるらしい。
そう言われたので倉庫まで鍬を取りに行こうとするとマリベールに呼び止められた。
「ガイさん、土魔法はお使いにならないんですか?」
それも確かに、とその辺にあった木の枝で地面に魔法陣を書こうとすると
「その魔法陣いる?いらないと思うよ」
様子を見に来たロクサーナがそう言った。
「では、やってみ…
いや、やります」
試しはいらん、やるのだ。
そうだ、やるんだ。
ガイは地面に向けて手をかざし、魔力を込めた。
すると、畑は掘り返されて立派な畝が出来ていた。
「…やった。今までできなかったのに、なんで…あっ!」
――言葉の途中で思い付いた、時空の裂け目だ。
裂け目を通り、生きて戻ると類稀なる力を持つって言うのはこれだ。
「やっと理解したね、結構ニブいんだね」
ケラケラと笑うロクサーナが言う。
「ガイが昨日迷って家に向かってくる過程で私はすでに気が付いていたよ。
大きな魔力を持つものがここに向かっているって。
そして扉を開けたら子供じゃないか、そりゃあ焦るだろうよ」
「ははは、すみません…」
「畑仕事は終わり、魔力操作の練習をしよう。
さあ家の中へ。」
ロクサーナはそう言い、3人は家の中に入っていった。