第一話「生徒会長はひきこもり」
初投稿です。初心者学生が書いている作品なのでいろいろとありますが、どうか暖かい目で見てください。
授業終了の鐘が鳴る、生徒達はそれぞれ放課後の活動の準備をしていた。帰宅部の俺は通学鞄を背負い、教室を出ようとした。
「ちょっと賢斗君、これお願いできる?」
そう言われビニール袋に入った数枚の紙を渡された。受けとった後すぐ鞄にしまい、教室を出て児童玄関へと向かう。
校門のすぐ近くまで来た時に俺に肩をトントンと叩いてきた。後ろを見ると、隣のクラスの松林が居た。
「一緒に帰ろうぜ。どうせ一人だろ?」
一人だろは余計だ。でもその事実は変わらない、帰る奴もいないので帰る事にした。いつもの事だがな。
その後も授業の話やゲームの話で盛り上がり、ちょうど信号で止まった時だ。
「そういやアイツどうしたんだろうな」
いままでのテンションとは一変し、急にまともな顔になった松林を見て吹き出しそうになった。それを抑えて確かにどうしたんだろうと考える。
俺の学校ではつい先週に生徒会長選挙があった。各クラスから立候補して最終的に残った二人で全校投票を行う。
どこの学校でも同じ事だとは思うが所詮は中学の選挙である。そんなに重大でもなんでもないだろう、普通よりちょっと前に出る機会が多いだけだ。
そんな話をしながら交差点で松林と別れる。そのままぼーっとしながら家のすぐそばまで来た時だった。
「そういえば、忘れる所だったな」
鞄の中から例のビニール袋に入った紙を取り出した。一番上の紙には優奈さんへと書かれていて、明日の授業の内容などが書かれていた。その紙をポストに突っ込むと隣の自分の家へ帰っていった。
自分の部屋に入るとそのままベットに倒れこむ。そのまま視線を窓の方へ移した。
窓から見えるのは家、その家の窓にはカーテンが掛かっていた。中は多分暗闇。少なくとも明かりは見えない。
俺はベットから起き上がり机の上のプリントを整理した。特に理由はない、なんとなくである。
整理していると一枚の紙が目に留まった。俺はそのプリントを手に取った。
そのプリントは生徒会長選挙の物だった。目に入ったのは『井出優奈』という名前だった。
井出優奈、彼女が隣に住んでいる同学年の女子、勉強が出来る、スポーツが出来る、優しい、可愛い、そんな彼女はいわゆる優等生だ。
そして彼女は先週、生徒会長となったのだ。
そして彼女は先週、ひきこもりになったのだ。
基本的に週二投稿です。これからもどんどん書いていくのでどうぞよろしくお願いします。