ステータス……
この世界〈アスド〉の一年は、一の月から十二の月があり、一つの月に三十日ずつある。一週間は六日、色を使っていて、赤曜日、青曜日、黄曜日、緑曜日、紫曜日、白曜日となっている。
言葉は、異世界から来た者が喋った言葉から引用され、この世界で定着する事が出来た成功例らしい。
……この世界の曜日何て豆知識は横に寝かせておこう。
三歳になりました。
今何してるのだって?
許嫁をモフモフしています。キリカの尻尾は五本もあるから楽しさ五倍って感じで癒される。
侍女としても成長していて便りになる姉の様に思えてくる。
ヒカリは、オレの事を兄として接してくる。王妃がどうせオレの事を兄として見る様に洗の……もとい教育しているのだろう。……怖いな~。
舌足らずな感じで喋って、足で立てるようにしておいた。
……もちろん母さんが暴走気味になったが、頭を撫でたら止まってくれた。やっぱりオレの母さんは親バカだ。
四の月、異世界から来た者が、ハルと呼ぶ季節になった。
三歳の一代イベントがあるらしい……〈祝福の儀〉と呼ばれているそのイベントは、その人のステータス、力や適性を解放し視る事が出来る儀式の模様。
オレが生きた時代にはないシステムだ。前世なら感覚的に技等を覚えると頭のなかで、想えば魔法も技も放つことは可能だったのだが……随分と違う世界になってしまったみたいだ……。
一応オレも王族の端くれなので、ヒカリと一緒に人払いされた神殿に向かうことになった。この神殿は、カルディーナという神を信仰するカルディナ教の教会兼神殿となる建物だ。
「キミたちが、アスティラ王家の子か……」
髭を蓄えた老司祭が呟いた。
今更だがこの国は、〈アスティラ王国〉と呼ばれている。その為名前の横に、アスティラが付く。……オレには付かないぞ、……一応。
今のオレは、ヒカリの従者という体で一緒にいる。まぁ、ヒカリが、オレの服を離してくれないってのもある。……離す様に言った父親……イケメンな国王は、ヒカリの『とーしゃま、きりゃい』の言葉に撃沈した。
それを見た王妃が、苦しそうに腹を抱えていた。
閑話休題。
「それでは、これより祝福の儀を行います。ヒカーティリア様、リュート様、この魔方陣まで来てください」
オレの事を様で呼ぶってことはオレの事を王族の端くれって分かっている様だ。オレが生まれたことは国民には伏せられている、城に勤めていても一部しか知らない。この司祭は、国王と何回も会っているから判るのだろう。
いや、単に隣にヒカリがいるからかもしれん。
「────それでは、このクリスタルプレートをお持ちください」
長い祈りが終わり司祭は、オレとヒカリに透明なクリスタルの板を渡してきた。
このクリスタル、オレの記憶が正しければ前世にあった、マージクリスタルだ。マージクリスタルは、硬くて魔力を通しやすくて貯めやすい、性質を持っている為、下手に扱わない限り壊れることはないから魔道具に加工するのが一般的だった。
「そのクリスタルに力を込めて下さい。クリスタルに色が付きます、それは持ち主の属性適性を表します。そしてクリスタルの中で自分のステータスが見えるようになります。……まだわからないと思うのでそういうものだと思ってください」
まだ三歳だからこの反応が普通なのかもしれない。記憶があるからたまに忘れかけるがまだ三歳なんだよな~。
そんなことを思いつつ、力もとい魔力を流す。
様々な色になったと思えば銀色、若しくは灰色な色になった。
そして肝心なステータスを視る。
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〈名前〉リュート・フォン・アスティラ
人族 男性 3歳
〈真名〉《メタリファス=ドライオン》
《竜族》 ──────
レベル:1
〈筋力〉5 (1~???)
〈体力〉6 (1~???)
〈敏捷〉3 (1~???)
〈耐久〉4 (1~???)
〈魔力〉3 (1~???)
〈魔耐〉5 (1~???)
〈幸運〉1 (1~???)
〈属性〉無属性(火、水、風、地、雷、鋼、氷、音、光、闇、聖、呪)
《( )は化身変化時に変動可。( )を他者は視ることが出来ない》
〈称号〉
『化身竜王』、『全テヲ喰ラウモノ』、アスティラ王の落し胤、銀色の暗殺者の子
《『 』を他者は視ることが出来ない》
〈スキル〉
化身変化、『暴食』、『最果テノ胃袋』、竜気操作、『能力統合分離』、『能力譲渡簒奪』、直感、トラブルの鐘〈被〉、『竜王の』威圧、『改竄』、最適化、気配感知
《化身変化時にスキルは、自動に変動可》
《『 』を他者は視ることが出来ない》
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何でだろう?
物凄く人に見られてはいけない事ばかりでビックリ。
現実逃避したいな~。