表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜恋舞  作者: 花神ディール
8/23

第8話  光の橋

優亜回でーす

彼のあの言葉は私の心に深く刻まれた。


「じゃあ、俺は一度戻るからな」


そう言ってレノは行ってしまった。

空は青い。

そして私の心も――


『ルアナ~』


レノと入れ替わるようにフローナが帰ってきた。

レノと別れてまだあまり時間は経っていないのにとても寂しかった。

フローナが来てくれた喜びよりもレノがいなくなってしまった寂しさが勝ってしまう。


『ルアナ、どうしたの?そんな辛そうな顔して』


なんでもないよ……。

私はあえてこの寂しさを胸の奥にしまった。


『つらいって顔に書いてあるじゃん。ルアナ、空飛んでさ、あそこに見える山まで競争しよ』


顔になんか書いてないもん。

フローナが指す方向にはさっきまでココといたあの山があった。


『よーい、スタート!』


一人で掛け声をかけて飛んで行ってしまう。

私も負けず嫌いなわけでフローナに続いて飛ぶ。

さっきまで、木に囲われた暗い場所にいたから飛び上がって視界が一気に明るくなった。

一瞬目が眩む。


フローナが指した山の方向には……。

綺麗……


『でしょ』


七色の光が山に綺麗にかかっていた。

考えてみれば虹をみるのはいつ以来だろうか……。

しかもこんなにくっきりと綺麗にかかった虹を見たのは初めてかもしれない。


『何があったのか知らないし、無理矢理聞こうとも思わないけど、こうやってさたまには気分転換しようよ。あんまり思いつめないで。私を頼っていいんだよ』


そうだよね……。

レノ……。


レノに会いたいな。

でも、ここから離れたらレノにも迷惑がかかるよね。

だから、レノがくるまで私はここで待つ。

いつまでだってレノを信じているからこそ待っていられる。


それにしてもフローナはすごいと思う。

なぜか私の気持ちが分かってしまうのだから。

フローナは前から謎だ。


どうして私と共にいてくれるのだろうか。

どうして喜ばせてくれるのだろうか。

どうして気持ちが分かってしまうのだろう。


そんな、フローナの秘密を私はもちろん誰も知らなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ