第3話 欲より知りたいこと
でも、よく見ると思ってしまうんだ。
美味しそう。けど、食べたく無い。変な衝動に戸惑っていた。傍に居てほしくなるような。
「先に言っとくが、ここでもまだ何度かの隊が来るぞ。その度々に俺はあんたに顔をあわせる羽目になるわけで。」
何を言うかと思えば。
『国名は?』
私はイメージした言葉を相手に向けるように飛ばそうとしてみる。大体、これで話が通じる………と思う。
「国?それならそこの頂上から見れば楽に分かるぜ?」
ああ、見てガッカリするやつだ。
どうも彼も特に私に興味を持ったらしく背中と首を撫でてくれた。嫌に感じる場合もありそうだが、レノは撫でられて心地よい。敵意なんて何のそのみたいな。
「で、そっちの妖精さんは何も喋らんのか?帰るぞ。」
フローナに向けて話すも何を思ったか返事すらしなかった。彼は今度はこっちに向いて話始める。
「でも、あんたならやられる事はないだろ。立派な体つきだし、飛べる竜なら規格外にでかいぞ。耳栓持ってきて正解正解。お疲れ様でした。」
優しいのかと問われると分からないけど、不快は無い。
私は軽く吠えてお見送りとした。
「で、何でここに連れたのよ?」
フローナに訊く。依然、私達は歩いてる訳で木々がユサユサと揺れるのが複雑な気持ちに誘ってくる。でも、ドラゴンだしそんなものと捉える。
「何かルアナの表情が興味持ってそうだったから。ドラゴンと妖精に促されると断りきれないでしょ?」
そんなこと言って何も話さなかった方が大変だろ。お陰で心配した。
その後は暇な空気になった。
私の力が強いみたいで歩く度に辺りが揺れるもので動物が寄ることも無い。癒される事が何一つとして無いのは辛い。そうぼやっとしていたらウサギがひょこひょこと出てきた。私は久しぶりに見たウサギがたまらなくて見つめてしまった。
可愛すぎる。たまらない。
ウサギは私の事が見えるとギクッとしていた。
完全に脅えてる。どうしよう。食べるつもりすら無いのに。
『あ、あのさ…』
先程使った手段を使用。するとウサギはビックリしてパタンと倒れたがすぐに回復して「うぅ」と唸った。
撫でたいけど体格差が凄まじい。ぴょんぴょん跳ぶのを私は一歩で追いついてしまうほど。悲しい事実……。
『じゃあね』と送ると「こ、怖いです」と帰ってきた。もしかして殆どの動物がそう思ってると考えてしまった。私を含め生態系の頂点に君臨するのを痛々しく感じたから仕方無いのか。
「この辺りで休もうか。」
フローナの声を聞くと私は身体を豪快に横たえて眠った。レディーじゃないと言われそうだが疲れていてどうでもいい。
すぐに夢に誘われた。
1話目に挨拶を書けず、僕の活動報告で書かせていただきましたが改めましてレスタ、RESTAでございます。
野うさぎちゃんの表情で分かる通りルアナはこの辺りのボスでもあり、全ての動物に恐れられているのが分かります。
本当は可愛い動物にあえて和むはずだったのに…。
ではではこれからもよろしくお願いします!