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竜恋舞  作者: 花神ディール
20/23

第20話 独りと友達

改名させていただきました。

花神雪亜改め、すのーふらわー回です

レノもフローナもいなくなり、私は独りでこの場所にいた。


レノはどこへ行ってしまったんだろう?

いつもならばいなくなるときは声をかけてくれる。

だからこそ、今のように何も言わずいなくなってしまったのは不思議だった。

何かあったのかな……。


私の心は曇っていた。

上を見上げると雲がびっしりとあり、普段見える青く澄んだ空はどこにもなかった。

そんな空を見ることでさらに気分が下がった。


なぜ、私はここに独りでいるのだろうか。

レノもフローナも私が必要なくなったのだろうか。

桜色のこの身体はいつになっても変わらない。

こんな身体私はいらない――


「また悩み事?」


聞きなれた声がした。

声のした方を見るといつかのうさぎがいた。

前よりも一回りくらい大きくなっているかもしれない。


「うん……ちょっとね……」


「私でよければ聞くわよ?」


優しく微笑みながら言ううさぎの言葉が私の心に染みた。

黒く染まりかけていた心が溶ける。


「みんな……私の前からいなくなっちゃった。レノは気づいたらいないし、フローナは逃げるようにいなくなっちゃった」


「用事があっただけじゃ……なさそうね。私はその場にはいなかったけど、要するにあなたは寂しいのよ。いつも居てくれた者が居なくなった消失感が怖いのよ」


「そうだね……。私はどうしたらいいの?」


「あんまり悪い方に考えてはダメよ。とにかく、自分がどうしたいか、それに従ったらどうかしら?」


確かに私は悪い方に考えすぎなのかもしらない。

グルルと地に響く声が出る。


「大丈夫よ。信じたいものを信じなさい」


「わかった」


私は、レノを信じる。

絶対、戻ってくる。

レノと竜騎士になるんだ。


「あなたは悩んだときどうしてたの?」


「んー……その時によるけど、友だちに相談したり大好きな草を食べたりかしら」


草というところにうさぎらしさを感じた。

友だち……か……。

私はみんなが恐れる「人食いドラゴン」だから友だちなんていない。


「友だちなんて羨ましい……」


「何言ってるの。私たちも友だちでしょう?」


一瞬、何を言っているのかわからなかった。


「私たち……友だち?」


「私はそう思ってたわよ」


「そっか……友だち……」


「だから、あなたは独りなんかじゃないの」


そんな白うさぎの言葉が嬉しかった。

素直にレノたちの帰りを待とうと、そう思った。

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