目覚めて爆弾発言
RESTA担当です
日が翳ってきた頃。ここは紅い葉が煌めく森の中。
『ちょっと?ねぇ!』
何かの声に身体が反応し、眠っていた身体を起こした。そういや、今日の魔力の元は食べてなかったな…。
『話、聞いてるの?』
は、羽虫みたいな…ナニコイツ。
『ちょっと記憶喪失みたい目をしないでよ!』
し、喋る…怖…。
『もういいわ。今日のご飯はソコに置いてあるから。』
その小さな光が差す方を見ると…に、人間?
『もう……なによ?』
逆ギレを受けてしまった。
というか、その前になんか変な感覚が二ヵ所も有るんですけど……見慣れた感じの風景でもないし。
『とりあえず魔力貰っときなよ。あんたそれないと死ぬから。』
し、死ぬっていつかは死ぬよそりゃ。
『転生は大変らしいね。ましてなんでアンタが怪物なんかになるわけよ。』
「私だってなりたくてなりたいわけ…ン?」
今、自分の口から言ったのは誰でも聞いたら恐ろしく感じる唸り声。
『ちょっと…どうしたの?』
もはや疑問程度では済まされない。
咄嗟に自分の身体を見ようとしたら裏目に出た。なんか……見てて怖くなってきた。腕は鱗で覆われていて奥には細長い何かも見えてしまった。視界の端でゆらゆらと揺れているのは…もしかして……。
『残酷に答えると貴方は』
自分の考えとそれが言ったのは同じだった。
もし、自分の立場で考えてみよう。
話は至って簡単。気付いたら人間から全く想像もつかない生物になっていたのだ。
気持ちが悪いどころでは無い。
『貴方はドラゴンなの。』
ここでも思うのですけど記憶として微かに人間っぽいものが有るんですよね…。変な感覚が尻尾と翼と判明したから何とも言えなくなってきた。
『この感じ私のことも忘れてそうね…私は妖精のフローナ。』
なにこのファンタジー的な。
『で、貴方は人間特有の魔力を食べることによって補給して生活していくの。』
な、なにそれ。不気味を越えて踞るよ。
本当に人間を食べるのは辛かった。でも、食べ始めてしまえば本能的にかぶり付き、血を舐めとった。
他に辛かったのは歩く度に木々がざわざわと揺れることかな。だから殆どの生物が寄り付かないらしい。暇なんだろうな。
『まあ、アンタの力では人間に殺されることは無いと思うんだけどね。』
「本当?なんか心配…」
そう言ったのも
『グルルル。グオオォォ。』と恐ろしい唸り声だった。