あとがき
※ ストーリーについて
この作品は、私の中ではじめてのことづくしでした!
まず、連載開始から最後まで毎日掲載しました。side芹香まではほとんど書き上げてからの連載だったというのが理由ですが、わりと書きやすい話しでした。
そして、全七十話という長さもはじめてのこと。今まで書いた最長は『シロクロPOB』の四十九話です。今回は長かったですが、執筆期間は約二ヵ月なのでそんなに長くは感じませんでした。まあ、高二編は同じストーリーを芹香視点と松岡視点から書いたので、話的には長くないからかな?
それから、拍手ボタン用にお礼小説を書いたこと。完結間際に始めたのですが、たくさんのコメントをいただき大変嬉しかったです。
そしてなんと言っても――ヒーロー松岡のヘタレっぷり!
作者として予想外としか言えません……
もっとイイ男のはずだったのに、side松岡を書いていくとヒーローのイメージが崩れていき、後に残ったのは「馬鹿」「アホ」「ヘタレ」の三大名詞……作者もがっかりです。
とにかく、松岡と美咲に対する批判が多くて苦笑するしかありませんでした。
作品のテーマは「切ない片思い」「すれ違い」です。じれじれした展開でしたが、松のヘタレっぷりと美咲の小悪魔なカンジが良い効果を生んだのではないでしょうか?
※ キャラについて
名雪 芹香 (なゆき せりか)
この作品の主人公。黒髪、肩より少し長い髪を右耳の横でしばっている。姿勢が良い。
中学の頃は陸上部で、同じ部活の男子と付きあっていたが中学卒業後に自然消滅。将来の夢があって、高校は勉強に専念するために家から近い高校を選ぶ。本編ではでてこなかったのですが、将来の夢は天文台で働くことです。
思ったことをわりかしぽろっと口をついて言ってしまう、素直、器用だけどおっちょこちょい、わりと頭はいい(努力型、勉強してるからね)、純心そうな外見だが兄二人がいるので男子とも気さくに話す――という設定。いろんなギャップを持つ女の子です。
末っ子という点は松岡と一緒だけど、芹香はあまり末っ子キャラじゃないと思います。
松岡 遥 (まつおか はるか)
陸上馬鹿、芹香と高一の時クラスが同じになり知り合う。
初期設定にカッコイイと書いてあって、芹香視点では下級生にもモテたりいいイメージだったのになぁ~。
side松岡を書くときにもう少しイメージを膨らませて、部活ばかりをやってきて恋愛音痴、はじめての恋に戸惑う男――っていう設定にしたのですが、かなり空回ってましたね。それというのも、兄二人姉二人の末っ子で甘え上手世渡り上手。姉の影響で女性には誰に対しても平等の優しさで接するし、気安いカンジです。だから美咲のむちゃぶりにもさらっと答えて、芹にやきもきさせてしまいましたが。
コメントの大半が、松は……「馬鹿」「アホ」「ヘタレ」のどれかでした。ガックリ……
なんとか最後は、告白して挽回できたでしょうか……? でも、最後も結衣たちにボロクソに言われてましたね。まあ、いじられキャラなんですね。
藤堂 美咲 (とうどう みさき)
学年一の美少女、口数が少なく誤解されがちだが人見知り、芹香の高二のクラスメイト――以上が、初期設定です。
コメントの松批判より多かったかもしれないのが、美咲批判。まあ、ライバル役なので悪く言ってもらえて役得かな?
現実ではこんな美人で性格もいいなんてありえないと言われましたが――美咲が芹と松岡の仲をかき回したのは、善意と悪意の半分ずつですかね……
美人過ぎる外見のせいで敬遠されていた美咲が、助けてくれた松岡に恋するのは必然だと思います。ただ、松岡に対する好きは憧れに近くて、見ているだけで良かったんです。でも二年になって、松岡と芹香のじれったい関係を目の前で見せつけられて、気持ちを伝えたくなったんです。二人がすでにくっついていたら、わざわざ壊したりしないです。それくらい、美咲にとって二人は同じくらい好きな相手なんですよ。
周りから見るとかき回した美咲だけど、芹香にしてみれば美咲のおかげで自分の恋心に気づいたわけですし、松岡も美咲の後押しで告白する決意をしました。美咲の行動が芹香には悪意に映ってないから、「これからも友達だよね?」って聞いてるしね。
番外編とか、こんなふうにフォローしてまた美咲の肩を持ちすぎと言われそうですが、美咲も一人の恋する女の子として書きたかったんです。
七海 陽太 (ななみ ひなた)
芹香の高二のクラスメイト、図書委員会、やわらかい雰囲気の男の子。
松岡の対抗馬の設定ですが、七海は出来過ぎですかね。天然の甘い微笑みの持ち主で、甘いセリフもさらっとはいています。陽太君ファンも多いみたいで嬉しいです。
渡瀬 結衣 (わたせ ゆい)
芹香の高一からの親友、サバサバ系、黒髪ボブ。一人っ子だけど、お姉ちゃん気質で、松をよくからかっている。
芹香と松岡が両思いだろうと気づいていた一人。
菱谷 大智 (ひしや だいち)
松のクラスメイト、一年の時は芹香とも同じクラス。陸上部、わりとサバサバ系、プレイボーイ、にやにや顔でよく松岡をからかっている。中学は別だが松岡とは最寄駅が同じ。
密かな人気を集めていた(?)菱谷君です。
下の名前は決めていたのに、本編では一度も出てこなかったです。
八木 啓斗 (やぎ けいと)
芹香の高一のクラスメイト、二年時は松岡と菱谷と同じクラス。
結衣の彼氏であり、菱谷同様一年からの松岡の友達の八木君。あまり出番はなく、ふんわり笑顔がなんだか陽太とかぶってるなぁ~、でも、こいつは裏がありそうだよなぁ~って思って初期設定を確認したら――“キザ天使”と書かれていたよ。むしろ、サギ天使だろうか……
第六十九話で、八木君の周りの黒いオーラを見てしまった芹香でした。
※ for Thank you!
切なく、もどかしいじれじれ展開でしたが、なんとか最後までかけて良かったです。
ほんとに、side松岡を執筆中に松岡のヘタレっぷりに悩まされました。なんとかハッピーエンドにもっていけて良かった。
にぶい二人はきっとゆっくりと友達の関係から恋人の関係になっていくと思います。きっと周りをやきもきさせて、松岡は結衣とかにめっちゃいじられるんだろうなぁ~。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
本当にたくさんの方に読んでいただき、感謝です!
2012.3.5 滝沢美月




