置いてけぼりの時間
なんとか8話目です。よろしくお願いします。
次の日。この日は仕事が休みなので家でまったり過ごしていた。
「ねぇ、主」
「ん~何?」
「今日はずっと家にいるの?」
片手に俺が買ってきたお菓子を抱えながらクレムちゃんが聞いてきた。
「そうだねー。特に行きたいところもないし家でまったりしてようかなと思ってるけど」
「そうなの」
「けど何で?」
「べ、別に聞いてみただけなの」
そう言ったクレムちゃんの顔は気のせいかどこか嬉しそうだった。
なんだろう?何かいいことでもあったのかな?
「まぁ、でも明日からは仕事だからクレムちゃんにはお留守番してて・・・・・」
そこまで言って俺はハッとなった。そうだよ明日からはこの家にクレムちゃんを一人で留守番させなきゃいけないんだ。
「・・・・・」
「ん?どうしたの主?ボリボリムシャムシャ・・」
・・・・・不安しかねぇええええええええええ!!
「あ、あのさクレムちゃん明日からなんだけどさ俺仕事があるから帰ってくるまでお留守番しててほしいんだけど・・・だ、大丈夫だよね?できるよねお留守番?」
「え・・・・」
あ、あれ?なんかクレムちゃんが固まっちゃった。さっきまで美味しそうに食べていたお菓子も食べるのやめちゃったし。
「クレムちゃん?」
「お留守番ってことは一人で家に居なきゃいけないってことだよね?」
「まぁそうだよね」
「・・・・やなの」
「はい?」
「一人ぼっちは嫌なの!!」
「うお!!」
「やだよ・・・一人になるのはもう嫌なの・・・」
クレムちゃんが泣きそうになりながら俺にしがみついてきた。
「え?ええええええ・・・」
予想外の反応にどうしていいか分からなくなる。
「く、クレムちゃんとにかく落ち着いて」
とりあえず、なだめることにした。
しばらくして・・・
「大丈夫?」
「ぐすっ・・・うん・・」
なんとか落ち着いたようだ。
にしても、まさかこんなことになるなんてな。正直かなりあせった。だってクレムちゃんがお菓子にまったく反応しないのでどうすればいいのかわからなかったんだもん。
「ねぇ、クレムちゃん」
「スン・・・なに?」
「さっき言ってた‘一人になるのはもう嫌’っていうのは?」
「!?そ、それは・・・」
顔を真っ赤にしてクレムちゃんがあたふたしている。あれ?なんかちょっと可愛いかも・・・
はっ!!!ちがうちがうちがう!!そうじゃない!俺は決してロリコンではないぞ、うん!
「それは?」
「・・・主には言いたくないの」
「はぁ?なんだそれ」
「と、とにかくなんでもないの!!」
うーん。この反応を見る限りだと過去に何かあったってことだろうか。まぁ、けれども言いたくないって本人が言ってるんだしあまり詮索するのも可哀想かもな。
「わかった、とりあえずそのことは置いておくことにしよう。それよりも明日のことだよ。一緒に仕事場に連れて行くわけにもいかないし・・」
「・・・・・・」
どうしたもんかな。
「やっぱりお留守番ってことになっちゃうのかなぁ」
「うぅ~・・ぐしゅ・・」
また、クレムちゃんが泣きそうになっている。マジでどうしようか。
そう考えているときだった
‘ピンポーン’
「ん?誰だ?」
誰か来たようだ。軽く身なりを整えてから少しだけ玄関を開ける。
「はーい、どちら様・・・・」
「正午ーーーーー!!」
勢いよくドアの横側から誰かが飛び出してきた。そしてそのときになぜか俺の名前を叫んでいた。
「・・・・・・え?」
「え?じゃないわよ。反応薄いわねぇ」
俺はその声になぜか聞き覚えがあった。それにこのやたらテンションの高そうな感じもなんとなく俺の知っている人に似ているような気がする。そして俺の予感は見事に的中した。そう、そこにいたのは
「ね、姉ちゃん!?」
「やっほー!久しぶり」
俺の姉こと「時島 朝日」(ときしま あさひ)だった。
「元気にしてたー?久しぶりにあんたの顔が見たくなってさー。来ちゃった」
「来ちゃったって、いくらなんでも急すぎるだろ・・連絡くらいしてくれればいいのに」
「いやー、驚かせようかと思ってねー」
まったく、自由すぎるだろ。こっちは今、大変なめにあってるってのに。
「とりあえず、おじゃましまーーーーす!!!!」
「あ、ちょっと!!」
勝手にズカズカと姉ちゃんが部屋に入っていく。
「うわー正午の家久しぶりに来たーーー!!」
家の中に入るなりいきなりはしゃぎだす姉。ってか何で俺の家ではしゃいでるんだこいつは。
「あはははははー・・・ってあれ?」
姉ちゃんが何かに気ずいたようだ。なんだ?姉ちゃんの視線をたどるとその先にはクレムちゃんがいた。
そっか姉ちゃんはまだ子のこのこと知らないんだもんね。
・・・・・・・・・・あれ?それってやばくね?
ってあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!
やべぇ!そうじゃん。姉ちゃんクレムちゃんのこと知らないじゃん。
ど、どうしよう・・・
「正午」
「な、なんだよ」
姉ちゃんがクレムちゃんににじり寄りながらなにやらジロジロ見ている。
「な、なんなの?あなた誰なの?」
「姉ちゃん、これはその・・」
そう言いかけたとき
「可愛いいいいいいいーーーーーーー!!」
むぎゅーーーーーー!!!
「ぶにゃ!!!」
姉ちゃんがクレムちゃんを抱きしめた。
「ちょっと正午!!なんなのこの子!あんたいつの間に子供作ってたの?」
「・・・えーと」
「まぁ、いいかそんなこと。にしても可愛いわーー!!お人形さんみたい!!」
姉ちゃんに抱きつかれてクレムちゃんが苦しそうにバタバタしていた。
なんかこんな光景、昨日も見たような。
「あ、あははははは・・・はぁ~」
こうして俺の家に突如現れた俺の姉ちゃんまで加わり平和だった俺の生活はまたしても変な方向に向かうのであった。
「なんとかなる・・・・かなぁー?」




