繰り返される時間
僕は夏より冬派です。どうでもいいですねすいません。
「な、なんてこった・・」
本当に時間が戻ったのか。しかも夏まで。部屋を見渡してみるとカレンダーは7月になっていた。
「マ、マジかよ・・俺はもう一度夏をエンジョイしなければならないのか」
いや実際エンジョイなんかしてないけどね。むしろ仕事で暑い中歩き回ってたけどね。まぁそんなことは置いといてだ・・
「あるじ、早くお菓子を買ってくるの!」
「・・・・・・・・・・」
やっぱりこの子がやったのか。時間を戻したって言ってたし。でもどうやって?
「あ、あのさこれ君がやったんだよね。どうやったの?」
「んーと時間の構造を元から捻じ曲げてそれから・・・」
うん、ぜんぜんわからん!わかってたけど無茶苦茶すぎるわ!ドラえ○んか!
「と、とにかく早く時間を戻してよ。もういちど夏を過ごすなんてごめんだからな」
「お菓子買ってきてくれたら元に戻してあげるの」
ぐぅ・・し、仕方ないお菓子買ってきたら時間を戻してくれるといってるしさっさと買ってくるしかないか。
「わかった今から買ってくるから少し待ってな。けれど買ってきたら時間戻してよ」
「わかったから早くいってくるの」
くぅうううううう~なぜだ、なぜ俺が買いっ走りに行かなければならないんだ。人の家に勝手に上がりこんでお菓子食ってるやつのために。
「はぁ~・・じゃあいってきます」
「あ、あるじ」
「?何」
「言い忘れてたけど一個じゃなくて十個買ってきてほしいの」
「はぁぁぁぁぁぁああぁぁぁ!!」
この野郎どこまで図々しいんだ!。ってかどんだけ食うんだよ!
「一個じゃだめなの?」
「だめなの」
ちくしょおおおおおおおおおおおお!!こんな理不尽が許されるのか。
「わ、わかったよ・・・行ってきます」
「行ってこーいなの」
・・・・・はぁ~~~~~~。思いっきりため息を吐きながら外に出る。
「あぁー・・暑い・・・」
部屋にあった夏服に適当に着替えてから出てきたがやはり暑い。日差しが痛い。紫外線が、紫外線があああああああ。しばらく歩いていくとスーパーが見えてきた。中に入ると
「ああ~~生き返る~~」
クーラー涼しい~。つい三ヶ月くらい前にも同じ経験をしているのだけれどやはりこの瞬間は同じこと考えるんだな。そんなことよりさっさとお菓子を買って帰るぞ。
「え~と・・・あ、あった!」
夏限定と大きな文字で書かれたお菓子のコーナーを発見。
「えっと十個だよな。まったく本当にどんだけ食うんだよ」
とりあえずかごにぶち込んでさっさと会計をすませる。さっさと家に帰ろう。そんでもってさっさと時間を戻してもらわねば。スーパーから出て自宅に向かう。その途中で薄着のナイスバディな外人さんとすれ違った。まさにボン、キュッ、ボンな感じの。まぁ夏も悪いことばかりじゃないよね、うん。
「ただいまぁ~あちぃ~」
しばらくして自宅に帰ってきた。
「あ、あるじお帰り」
「ほら買ってきたぞ」
お菓子の詰め込まれた袋を渡す。するとクレムちゃんの表情が一気に明るくなった。
「ありがとうなの。ボリボリムシャムシャ」
食うのはやっ!ったく・・・・しょうがない子だよホント。そんなこと思いながら僕は少しの間彼女を眺めてみた。色々あって気ずかなかったけどよくみるとこの子綺麗な顔立ちしてるよなぁ。髪もきれいな金色に輝いてるし、瞳も透き通った綺麗な海を彷彿とさせる青色をしていた。彼女の服のいたるところには時計の針をモチーフにしたようなアクセサリーがついている。少なくとも日本人に見えるようなカッコウではなかった。やっぱりこの時計の化身ということなのだろうか。
「じーーーーーーーーーーーー」
「ん?」
何か知らないうちにじーっと見つめられていた。
「あるじもお菓子食べたいの?」
「へ?」
「少しなら分けてあげるの・・はい」
ずいっとお菓子の袋を突き出してきた。
「あ、ありがとう」
じゃあすこしだけ、ボリボリ。最近お菓子を食べてなかったがやっぱり美味いもんだな。
「あ、ところでさ時間早く戻してよ。約束したでしょ」
「そんなに元に戻してほしいの?」
当たり前だこんな急に時間を戻されても困る。仕事もあるし。
「わかったの。しょうがないから戻してあげるの」
しょうがないからってところが引っかかるがまぁいいだろう。とにかくこれでもとの生活に戻れるわけだ。
「・・・・・・・・・・・・」
「あれ?どうしたの?早く戻してよ」
「お願いしますは?」
「・・・・・・・・はい?」
「お願いしますクレム様時間を戻してくださいって言ったら戻してあげるの」
・・・・・・ん?空耳かな?今この子なんて言った?クレム様?お願いします?
「え、ごめんよく聞こえなかったんだけどなんて?」
「だから、お願いしますクレム様時間を戻してくださいって言ったら時間を戻してあげるの」
な、なななななななななななななななななななな
「なんでじゃぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!」
意味がわからん!!何でそんなこと言わなければならんのだああああああ!!
「ちょっと待ってよ!何それ!何でそんなこと言わなきゃいけないんだよ!」
「嫌なら別にいいの。そのかわり時間は元に戻さないけどそれでもいいのなの?」
こ、こんの野郎なぐりてぇぇぇぇぇぇぇ。そんな時俺の記憶である言葉が思い出された。
「少々わがままな子じゃがあんたなら大丈夫じゃろう」
はっ!まさかあの時あのおばあちゃんが言ってたわがままな子ってこういうことだったのか。
「さぁどうするの?」
くっ・・・・・・この際時間が戻るならこれくらい我慢するべきなのだろうか。だけどこれを言ったら僕のなかで何かが崩れそうな気がする。
「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ」
しかしこのまま悩んでたって何も始まらない。ここは僕が折れるしかないか・・・。
「・・・お願いしますクレム様時間を戻してください」
「ん~よく聞こえないの。もっと大きな声で言うのなの」
「くっ・・・お、お願いしますクレム様時間を戻してください!!」
「うむ、よく言えましたなの」
その瞬間クレムちゃんが何かを唱え始めた。そしてあの時のように腕時計が光始める
「あ痛っ!」
そんでもってまた頭痛が襲ってきた。しばらくすると時計の光と頭痛が治まって意識がはっきりしてきた。
「うぅ~・・・も、戻ったのか?」
部屋を見渡しカレンダーを見てみる。ページは十月になっていた。外の様子も蝉も鳴いてないしまぶしすぎる日差しもなくなっていた。
「戻ってこれたんだ・・」
「これで満足なの?」
ふいにクレムちゃんに話しかけられた。
「あ、あぁ満足だよ」
「そうなの。まぁあるじが私にお願いしますクレム様なんて言ってまで戻りたかったじかんだものね~」
!?そうでした僕はそんなこと言ったんでした・・
「はぁ~・・・・」
「まぁまぁ元気出してなの。このことは誰のも言わないようにするから安心するの」
ニヤニヤしながらいうんじゃないよ!
「とにかくこれからもよろしくなのあるじ」
「これからもって・・・はぁ~~~~」
僕この先どうなるんだろうか。そんな不安を抱きつつ僕は思い切りため息を吐いた。




