お出かけの時間
新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
「そ、それじゃあ行ってくるぞ~」
現在時刻朝の7時。いつものように仕事にいくため家を出ようとする。
「は~い、行ってらっしゃーい」
「行ってらっしゃいなの」
後ろから少し間延びしたような声が聞こえてきた。
「二人ともまだ寝てればいいのに」
「いや~あんたの出勤姿なんて滅多に見れないからねー」
からかうように姉ちゃんが言ってきた。まったく何言ってんだか。
「クレムちゃんもわざわざ起きてこなくてよかったのに」
「だって、正午のことちゃんとお見送りしたかったんだもん」
「そ、そうなの?」
「よかったじゃない正午。こんな可愛い子に朝からお見送りされて」
まぁ確かに悪い気はしないが。
「あ、正午」
「ん?何?」
「帰りにお土産買ってきてなの」
「・・・・は?」
「何かチョコレート系のお菓子がいいの」
「やっぱそれ目当てか~~い!!」
何となくそんな気はしてたけどね・・・・はぁ~・・
「わかったよ。じゃあ行ってきます」
「いってら~」
「待ってるからよろしくなの~」
あぁ・・・朝からいきなり憂鬱になりそうだ。
「さてと、あいつも仕事に行ったことだしもう一眠りしようかな」
「え、朝日寝ちゃうの?」
「あら、クレムちゃんは眠くないの?」
「うん・・・それになんだかお腹がすいたなの」
「うーん、じゃあ少し早いけど朝ごはんにしましょうか」
というわけで私は朝ごはんを何か作ることにした。
「え~と冷蔵庫の中身はっと・・・」
何かないかと冷蔵庫の中を漁ってみる。しかし
「何よこれ、何にも材料ないじゃない」
ほとんどすっからかんな状態であった。
「朝日、朝日」
「ん?なぁにクレムちゃん?」
「正午はいつもこれを食べてるの」
目の前にだされたのはカップラーメンだった。
「まさか、あいつ毎日これ食べてるの?」
「そうなの。ここ最近は私もこればかり食べてるなの」
「な、なんですって!!」
あの馬鹿はこんなに可愛い子にカップラーメンしかあたえていないというの!!
「許せない・・・許せないわ!!」
「ど、どうしたの朝日?」
「そんな栄養バランスの偏ったものばかり食べていたらいつか体を壊しちゃうわ」
「そ、そうなの?」
「ええ、だから今日からは私がおいしくて栄養バランスのとれた料理を食べさせてあげる!」
「な、なんだかすごいの・・・・」
「という訳で買い物に行くわよ!!」
「買い物?」
「確か近くのスーパーで朝市みたいなことをやってたはずだからそこに朝ごはんの材料を買いに行くわよ」
「わ、わかったなの」
「よし、それじゃあ行きますか!」
パジャマからさっと私服に着替えて家を出る。
「ところで、クレムちゃん。あなたずっとその服着てるわよね?」
「うん。私これしか服もってないの」
なんと!!またしても問題発言!
「それじゃあ、またお昼くらいになったら今度はクレムちゃんの服を買いに行きましょうか」
「え?私の服?」
「うん。大丈夫私が可愛い服を選んであげるから」
「あ、ありがとうなの・・・」
そんなこんなで今日の予定のことを話していたらスーパーについた。
「うわ~すごいの朝日!!たくさんお野菜とかが売ってるの!」
店先には新鮮で色とりどりの野菜がたくさん並べてありそれを見たクレムちゃんは嬉しそうにはしゃいでいた。
か、可愛い・・・・
「朝日?」
「はっ!?じ、じゃあ早速朝ごはんに使う材料を選びましょうか」
「わかったなの」
二人で一緒に朝市を見てまわる。クレムちゃんはつねに目をキラキラさせていてなんだかその光景を見ているだけでも楽しかった。
「ねぇ、朝日これ食べてみたいなの!」
「お、トマトかいいわねー」
材料はとりあえずクレムちゃんが食べたいというものを買っていくことにした。
「朝日!これもなの!!」
「はいはい、わかったから少し落ちついいてねクレムちゃん」
もしも自分に子供ができたらこんな感じになるのだろうかとふと思ってしまった。
しばらくして
「ふーたくさん買ったわね~」
両手に買い物袋をぶらさげながら家路につく。
「お買い物って楽しいの!!」
「そうでしょ~。お昼になったらまた出かけるからね」
「わ~いなの」
無邪気にはしゃぐ姿がなんとも可愛い。これは洋服選びのときが楽しみだわ。何着せて遊ぼうかしら・・・
そんなこと考えながらしばらく歩いていると信号につかまってしまった。
私の頭の中はお昼の買い物のことでいっぱいだったので信号待ちも全然嫌じゃなかった。
「あ、猫なの」
ふいにクレムちゃんがつぶやいた。
「ん?猫?」
言われて道路の真ん中を見ると一匹の猫がいた。普通の猫なら素早く道路を渡りきってしまうのだろうがその猫は足が悪いのかそれとも怪我をしているのか足を引きずっていてなかなか渡りきれないようだった。
その時前から一台のトラックが走ってきた。
しかし、減速する気配がまったくない。
このままいけば確実にあの猫は轢かれてしまう。
「ちょっと、あの運転手きずいてないの!?」
けれども猫はなかなか前に進めていない。
そしてトラックが猫の目の前にまで迫ってきた。もうだめだ。そう思い私はクレムちゃんの目を隠し私も思いっきり目をつむった。
そのときクレムちゃんが何かをつぶやいていた。
そしてそのの瞬間時間の流れが止まった。
「よし、これで大丈夫なの」
朝日の手をどけて猫のところまでかけよる。
「危なかったの。これからは気をつけなきゃ駄目なのよ」
猫を抱えて向こう側まで運んであげる。周りの安全を確認して朝日のところまで戻る。
「さてと、それじゃあ時間の流れを戻すの」
クレムはまたじゅもんを唱え時間の流れを戻した。
その時正午は
「何かあったな・・・つうか何かしたな」
一瞬頭痛が走り周りの動きが止まった。
クレムちゃんが力を使ったんだ。
「やべー嫌な予感しかしない・・・」
頼むから何事もおきていませんようにとひたすら願う正午であった。




