幼馴染が小さい時に貰ったヒーローからのラブレターをずっと肌身離さないので、なんかムカつく
戦隊好きも、通ってない人も、ぜひお楽しみください。
まただ。
また、あの手紙を眺めてる。
すっかり黄ばんだ便箋を眺めて頬を緩ませる幼馴染を遠目で一瞥した俺は、そのまま窓の外へとため息を吐き出した。
あいつも飽きないもんだ。あの手紙を俺が渡したの、もう十年も前のことなのに。
「また見てんの? その手紙。飽きないねぇ」
「ち、違うの! これはお守りっていうか、見てると落ち着くからで……」
俺の幼馴染である由佳は、俺が十年前に渡した手紙をいまだに大事にしている。こうして友達の芳香さんに揶揄われるまでがいつもの流れだ。
「由佳はいいよねぇ、確約があって。はぁ、私も彼氏欲しいな」
「確約とかないから!」
流し目で見下ろす芳香さんと、頬を赤くさせながら突っぱねる由佳の攻防は毎日見すぎて正直見飽きた。こっちはただでさえ毎週悪役と赤いヒーローの攻防を見てるってのに。
攻防するなら俺も入れろ。俺だってヒーローになりたいんだ。
というか、あの手紙は俺が渡したのだから、俺にだって入る権利はあるはずだ。本来なら。そう、本来ならな!
なんであれは俺からの手紙じゃねーんだよ!
由佳が持っているのは確かに俺が渡した手紙だ。しかし、俺からの手紙ではなく、戦隊ヒーローからの手紙だ。
俺と由佳は幼い頃からずっと戦隊ヒーローが大好きだった。暇があれば「ヒーローごっこ」と称して二人で延々と遊んでいたくらいには。当時の由佳は冷淡な性格が仇となって友達がいなかったため、ほとんどずっと俺と二人でヒーローごっこに励んでいた。配役はいつも変わらず、俺が戦隊のレッドで由佳がヒロイン。ヒロインである由佳がイマジナリー悪役に襲われているところを俺が助けに行くというのが定番となっており、戦隊が交代しても役割が変わることはなかった。
そして、このヒーローごっこには俺しか知らない別の楽しみ方があった。それは……
ヒロイン役の由佳を満喫するというもの!
何を隠そう、ヒロイン役の時の由佳は、ものっすごく可愛い!
いつもは素っ気ない由佳が、ヒーローごっこの時だけは「大好き!」とか「かっこいい!」とか言ってきて、曇りなき笑顔で俺を照らしてくる。あの笑顔に照らされたらどんな日陰者の悪役もたちまち浄化されてしまうだろう。なんなら俺も浄化される。どっちがヒーローだよ。
しかし、由佳が笑顔で照らす相手は俺ではない。俺が演じる戦隊レッドだ。俺には見せない笑顔を見せ、俺には言わない言葉を言ってくるヒーローごっこ中の由佳は大好きだった。と、同時に。
……なんか、すっげームカついた。
ムカついたから、揶揄ってやろうと思った。ただでさえ好感度でヒーローに敗北してんだから、ちょっとくらい仕返ししても悪くないはずだ。いやヒーローと争っている時点で悪役か。そりゃ由佳の笑顔に浄化されるわけだ。
あれはちょうど十年前のことだ。由佳のことを揶揄ってやりたくて、俺は一通の手紙を書き始めた。それこそが、あの忌々しい「ヒーローからのラブレター」だ。
俺じゃなくてヒーローが好きなら、ヒーローからのラブレターを貰ったら嬉しいんじゃない? という発想から俺の悪夢は始まった。小さい頭を捻り、ヒーローが書きそうなことを綴っていく。そうして「君が大人になったら迎えに行くよ」というようなことが書かれた一枚の手紙が完成。今思えば、拙い字に文法がめちゃくちゃな文章のそれは明らかに子供が書いたものだったが、当時の俺は完全に偽装できたと思っていた。
偽装文書を書き上げてハイになっていた俺は、善は急げ、いや悪は急げと言わんばかりにそのまま幼馴染の家に向かった。
出迎えてくれた由佳の目は今日も涼やかだった。
「なに? きゅうに」
「こ、これ! てがみ! よんで!」
「え? どゆこと?」
涼やかな目を物ともせず、俺は玄関口で由佳に手紙を押し付けた。由佳は明らかに困惑していたが、俺のキラメイた目に負けて渋々読み始めた。
しかし、読み進めていく由佳の反応は、俺が予想したものではなかった。
由佳は見る見るうちに赤く染め上がり、完全にピンクに変身したところで急に玄関の扉を閉めてしまった。
てっきり大好きなヒーローからの手紙に舞い上がるだろうと思っていたのに。予想外の反応すぎて「書いたの俺だよ」というネタバラシをすることはすっかり頭から爆発四散。呆然と立ち尽くす俺だったが、扉越しの声で現実へと押し戻された。
「あの……その。てがみ、ありがと。カイくん」
かわいかった。
ツンとした声の裏にいつもの曇りない純情が隠れたその一言は、あまりにも可愛かった。そして、俺が完全にヒーローに敗北したと悟った瞬間でもあった。
あれから十年。この思い出は俺の失恋としていまだに何度も想起される。
「手紙に書いてあるじゃん。『大人になったら迎えに行くよ』って!」
「これ本気にしちゃダメだって」
「一番本気にしてる人が言っても説得力ないよ」
「だから! 自己肯定感を上げるためであって本気とかじゃ……」
由佳さんと芳香さんのやりとりはまだ続いているようだ。俺の回想、結構長かったはずなのに。
「でもさ、今もずっと家で遊んでるんでしょ?」
「それはそうなんだけどさー」
そう、由佳は高校生となった今も戦隊ロボの玩具を買うなどして遊んでいるのだ。シリーズが終わっても彼女の戦隊愛は終わらない。まぁ俺も人のことは言えないがな。ゴーオンの全種類合体させるやつが一番好き。
一応ヒーローには感謝しているんだ。特撮ヒーローという共通の趣味があるおかげで、俺と由佳は疎遠にならずに済んでいるのだから。だが恋敵であることに変わりない。
手紙を眺めて頬を赤らめてもらえるヒーローがマジでウザい。赤くなるのは主人公だけで十分だろ。とか思ってたら何年か前に白いのまで出てたし。俺が赤をやめてほしいのは由佳の方なのにな。やっぱり主人公は赤でなくっちゃ。まぁあれも二作目オマージュだと考えると熱いキャラデザではある。
とにかく、俺はヒーローを応援しつつも妬む暮らしを十年以上続けている。あの手紙を渡したせいで、暇さえあれば由佳が惚気た顔をするので、妬みは加速した。クロックアップした。
……ヒーローが羨ましい。俺だって由佳にあんな顔されたい。俺だってヒーローになりたい。
手紙は俺が書いたのに、どうしてヒーローがその恩恵を受けているんだ。ヒーローが自分で書けばよかったじゃん。
……いや、別にヒーローに代筆を頼まれたわけじゃないんだわ。全部俺の自業自得なんだわ。なんというか、我ながら拗らせてんな。
悶々とする頭を掻きむしっていると、とある事に気付いた。さっきまで談笑していた由佳の机には今人がいない。おそらくトイレにでも行ったのだろう。しかし、机の上には黄ばんだ一切れの紙が放置されている。それは紛れもなく、例の手紙だった。由佳があの手紙を手放すなんて珍しいな、なんて考えていたら、俺の中の悪役がふと顔を出した。
……盗んでしまおう。あれさえなければ、由佳が惚気る顔を見なくて済む。俺が書いたのに、と思わなくて済む。
俺が拗らせた原因はなんだかんだあの手紙だ。あの手紙さえ無くなれば、俺はもう少しフラットに由佳と接することができるはずだ。
よし、盗もう! というか、そもそも俺が書いたものなんだからただ回収するだけだ。欠陥が判明したから製造業者が回収するアレだ。今回は俺の脳内に悪影響を及ぼすことが判明したから回収するわけであって、何らおかしいことはない。大丈夫、アフターフォローの策もきちんと練ってある。
思いついたら即行動するのが俺のモットー。色々考えている間に手紙は既に俺のポケットに移動していた。
自分の席に戻ると、ちょうど由佳たちが戻ってきた。……うん、結構危なかったな。
そのまま席に着こうとした由佳だったが、机の上に目を向けた瞬間に硬直してしまった。
「ねぇ、私の手紙知らない?」
顔をブルーにしながら、震え声で芳香さんに問いかける由佳。
「机の上に置いてたと思うけど……ないね」
「大事なものなのに。唯一のラブレターなのに……」
「大丈夫、絶対見つかるよ」
対して芳香さんは冷静沈着。思考を巡らせながら由佳を宥めているようだ。
「トイレに持っていってたりはしてないよね?」
「わ、私一応見てくる!」
「私も探しとくね!」
「お願い!」
言うやいなや、由佳は教室から飛び出した。
……もしかして、マズいことしちゃった?
俺の顔も、おそらく由佳に負けず劣らず青くなっているに違いない。まさかあそこまで慌てるとは思ってなかった。慌てだしたらすぐ返そう、くらいの甘い考えを抱いていたのにあの子すぐにどっか行っちゃったよ。えっと、ほんとどうしよ。
俺の中の悪役は引っ込んでしまい、罪悪感が心を支配した。都合悪くなったら引っ込むとか卑怯なやつめ。実に悪役らしい。
「ねぇ、ちょっとこっち来てよ」
「え?」
顔を上げると、そこには芳香さんがいた。いつの間にこっちに来たんだ? 忍者か? いや今の忍者は忍びなれども忍ばないしパーリナイなはず……じゃなくて!
「な、何か用?」
「顔真っ青じゃん。何が言いたいかわかってるんでしょ?」
「いやー、さっぱりわからないな」
「いいから来てよ」
ヒェッ、今語尾だけ声強かった。怖い怖い怖い。芳香さんの貼り付けたような笑顔の裏には、鬼が見え隠れしている。これは桃太郎をけしかけても返り討ちにされそうだ。大人しく従いましょう。
というか、完全にバレてるねこれ。
教室を出て廊下に出た芳香さんは、俺の方に向き直った。
「取ったもの、出して」
「まずは話を聞いてくれ。これにはワケが……」
「出して」
「はい」
この子マジ怖い。マージマジマジ怖い。俺は素直にポケットから手紙を取り出した。
「なんで盗ったの?」
芳香さんは冷たい笑みを剥がさない。
「盗ったっていうか……。これはそもそも俺のだし」
「由佳ちゃん宛の手紙なのに?」
「いやー、お前のものは俺のもの、的な?」
……何言ってんだ俺。
ただのガキ大将である。高校生にしてガキ大将である。頭脳は子供、見た目は大人である。別に鉄道を運営しているどこぞの総帥に変えられたとかじゃなく、素でこれである。そんなんだからいつまで経っても戦隊を卒業できないしヒーローには勝てないんだよ。それもこれもヒーローがカッコよすぎるせいだ。ヒーローってやつのしわざなんだ。……マジで何言ってんだ俺。
「ついでに由佳ちゃんも俺のもの?」
「は?」
……何言ってんだこの人。
ようやく貼り付けた笑顔を剥がした芳香さんは、今度は堪えきれなくなったように吹き出した。
「いやね、拗らせてんなーって。好きなんでしょ? 由佳のこと」
「え? いや、まぁ、その……」
「早く付き合いなよ、もー。好きな人の大切なもの盗むとか小学生のやり口だよ?」
「俺の心はいつまでも少年なんだよ!」
「そっか、そうだよね。そういう人だもんね」
芳香さんは笑いすぎて声が震えていた。恋路を揶揄うとは悪い人だ。俺の次くらいに悪い。幹部クラスだな。
「ねぇ、見つかったのー? ……あー」
笑い声に釣られたのか、由佳が戻ってきた。その目は俺……ではなくその隣でニヤニヤしている芳香さんを睨みつけていた。
おいおい由佳よ、そっちはただの幹部だぞ。睨むなら俺を睨め。
「由佳ー、右手に注目」
芳香さんの一言により、由佳は睨みを解いた。まず芳香さんの右手を見、そして俺の右手へと移った瞬間、由佳は「あ」と声を漏らした。表情は一転し、瞳がキラキラと瞬いていく。かわいい。今日の由佳はいつもより表情がコロコロ変わってほんとかわいい。手紙盗んでよかった。
「見つけてくれたんだ」
由佳はどうやらあらぬ勘違いをしてくれたようだ。よし、このまま由佳に乗っかって本題に入ろう。マッチポンプじみててちょっと気が引けるが、今日は悪に徹することにした。
「ちがうよ、そもそもこいつが隠してたの」
言うなよ。
「は……なんで?」
じとー、とした目で俺を睨みつけだす由佳。これはこれでかわいい。今度はちゃんと悪の黒幕を睨めたね、えらいえらい。
……いや違うわ。これじゃ悪にすら徹することができてないじゃんか。今の俺はさしずめ三下の泥棒だ。怪人に体いじられる前の小物だろそんなの。黒幕が泣いて呆れる。黒い幕じゃなくて緑の風呂敷に落ちぶれちゃったよ。
「気を引きたかったんじゃない?」
「芳香さん黙ってて」
「はいはい」
「魁くんから貰った唯一のラブレターなのに。そんなに私が眺めてるの嫌だった?」
おい、ちょっと待て。
由佳の質問に答えるとすれば、イエスだ。嫌だった。めちゃくちゃ嫉妬して嫌だったけどさ。問題はそこじゃない。
「今なんて言った?」
「え? だから、私が眺めてるの嫌だったのかって」
「その前だよ」
誰から貰った何だって?
「あ! あぁ! いや、違うの! 私が人生で貰った唯一のラブレターって意味であってそれ以上でもそれ以下でも……」
「慌てすぎでしょ。別に取り繕わなくてもいいのに」
「芳香ちゃんは黙ってて!」
「はいはい」
由佳の顔はすっかりピンク色に染まっている。思わず手紙を渡した時の由佳を思い出し、俺まで顔が赤くなってしまった。
「幼馴染だからって顔の色まで揃えなくていいんじゃない?」
「「だから黙ってて!」」
「セリフまで揃った」
芳香さん、なんか今日絶好調だな。
とはいえ、揶揄われたことで一旦フラットな状態に戻れたことには感謝。これでようやく、本題へと移れる。
「えー……。あなたが落としたのは、この黄ばんだ手紙ですか? それとも……中の人直筆メッセージの手紙ですか?」
俺は右手に古びた手紙、左手に真新しい手紙を掲げた。
「直筆? 何それ」
キョトンとする由佳をよそに、俺は続けた。
「この前ショッピングモールで本人出演のヒーローショーあっただろ? 由佳が風邪で行けなかったやつ」
「ああ、あれ悔しかったなぁ。周年で特別にやってくれてたけど、もうそんな機会ないだろうし」
宇宙刑事もいいけど、なんか違う。俺たちは戦隊の供給に飢えているのだ。実際あの時由佳は這ってでも行こうとしていたので俺と由佳の両親で無理やりベッドに押さえつけた。
「由佳のお見舞いを済ませた俺は一人でそれを見に行ったわけ」
「なにそれズルい」
「そのトイレでたまたま本人にお会いして」
「なにそれズルい!」
「チャンスとばかりに由佳宛の手紙を書いてもらったんだ」
本物の、ヒーローからの手紙。本当はもっと早く渡そうと思っていたが、なぜか恥ずかしくて渡せなかったものだ。惚気た顔をするのなら俺の偽物じゃなくて本物であってほしい。そうすれば、俺はもう少しモヤモヤしなくて済むはずだから。本人からの手紙であれば、俺が介入する余地はない。俺が書いたのに、と思わなくて済む。
不良品の回収は新品との交換までがセット。教室でこの手紙を渡して万事解決したかったのに、タイミングを逃してしまった。あんな急に由佳がすっ飛んでいくとは思わなかったよ……。
「なるほど……害悪ファンってことか」
「が……害悪?」
「害悪でしょ。中の人に無茶なお願いをするなんて」
酷い。由佳のためを思ってせっかく頼み込んだというのに。
「でも、嬉しい。ありがとう」
……急にデレないでくれ。寒暖差で今度は俺が風邪引く。
脳内気温の変化に耐えながら、俺は無理やり本題へと戻した。
「コホン。というわけで、あなたが落としたのは黄ばんだ手紙? 中の人の手紙?」
「どっちも落としてはないけど……強いて言えば、黄ばんだ手紙」
「よろしい。素直なあなたには、この『中の人からの手紙』をお渡ししましょう」
「だからそっちじゃなくて……いやそっちも欲しいけどさ……そうじゃなくて……返しなさいよ」
「え? ちゃんと返しただろ?」
「返してない! そっちの黄ばんだ方返しなさいよ! なんでひみつ道具仕様なわけ? 魁くんはジャイアンなの?」
「由佳までガキ大将呼ばわりかよ! だから、俺が言いたいのはな、偽物の手紙なんか見るくらいなら本物のヒーローからの手紙をお守りにしなってこと」
「バカ! 私にとってはそっちも本物のヒーローからの手紙なの! 友達がいなかった私と仲良くしてくれた、バカで意地悪なヒーローからのね!」
由佳はそう言い切ると俺の手から無理やり——とはいえ破けないように慎重に——手紙をぶん取った。
「本物の、ヒーロー? その手紙の主が……?」
俺の顔はヒーロー顔負けなほどに真っ赤に染まり上がった。やった、ヒーローに顔で勝ったぞ。なんて冗談を考える暇もなく、俺の脳内は一つのことで埋め尽くされる。
え? どういうこと? 由佳は俺のことヒーローだと……?
由佳はヒーローが好きで、そして由佳にとって俺はヒーロー……それって、つまり……
「え、告白?」
「なんでそうなるの!」
「もう告白でいいじゃん」
「よくない!」
ざわめく俺たちの中で、芳香さんの揶揄いだけが、平常運転だった。
◆
「……その時だけ素直になれる、ねぇ。だからヒーローごっこが好きだったってことね!」
「ちょっと、声が大きい!」
翌朝。
相変わらず由佳は黄ばんだ手紙を持ち歩いている。昨日渡した本人からの手紙は失くさないように家で保管するそうだ。
殊勝な心がけではあるが、俺の苦労が無駄になったとも言える。そして保管用に選ばれなかったことに、少し胸がちくちく。俺の方が古いし歴史的価値があるはずなのに。まぁネームバリューには勝てないか。
由佳は今日も手紙を見てニヤニヤしている。
「にしても好きすぎでしょ。由佳」
「仕方ないでしょ。カッコいい方が悪いの」
由佳は口を尖らせながらそう言った。そーだそーだ。ヒーローはカッコ良すぎるんだよ。
「昨日もずっとイチャイチャしてさ」
「してないから!」
「そこは認めなよ。全く、素直じゃないなあ」
一向に主張を曲げない由佳。やれやれ、と芳香さんは首を振った。
「ヒーローごっこ中じゃなくても素直になれるといいね。愛しの彼に好きって伝えられるようにね」
「なれるもんならね」
由佳は頷くと、手紙を胸に引き寄せ、一言つぶやいた。
「魁くん」
え、俺?
……幼馴染が、小さい時に貰った主人公からのラブレターを、ずっと肌身離さない。
一途な愛っていいよね。僕は一対一恋愛しか書きません。一対一の恋愛が好きなので。気に入っていただけましたら、感想やブクマ、⭐︎評価で表明していただけると当方飛び上がります! 5年ぶりに投稿したのでドキドキしてます。「読んだよ!」だけでも伝えてもらえたら嬉しいです。
なお今月末から連載作の更新を再開します(作者名から飛んでください)。5年止まってたんですが、おかげさまで昔はジャンル別週間5位まで行かせてもらった作品です。今月末からちゃんと帰ってきます。 こちらも例に漏れず一対一恋愛です。よしなに。




