冥界第五獄の激闘‼ 邪武VSスタンド‼
冥界第五獄、射手座の邪武と天醜星・デッドリービートルのスタンドが対峙する。
一瞬の静寂の後、先に動いたのはスタンド。
「いくぞ!スタンド・バイ・ミー‼」
デッドリービートルの冥衣に生える無数の角、触角、節足のような物体が伸び、邪武の両手足をホールドし、スタンドの巨体が浴びせかかる。
ドゴォォォォッッッ‼‼
邪武は岩壁に激しく打ち付けられた。
単純にして圧倒的な力技だが、ダメージは大きい。
だが、大ダメージを受けたかに見えた邪武だったが、技をくらう前から小宇宙を高め続けていた。
「スタンドよ。さっきお前は“この矢で貫けるか”と言ったな。」邪武は、これまでに無いほど、小宇宙を高めていた。それは、第七感を超え、死を超えた先に目覚めると言われる第八感の域に近付こうかとしていた。
「お前相手にこの矢を使うまでもない‼この俺の拳で相手してやる‼いくぞ‼」
それは、射手座の黄金聖衣に込められた正義の裁きの力、受け継がれる魂が邪武の力を高める。
「アトミックサンダーボルト‼」
拳から放たれる一条の光雷が炸裂‼ 雷撃を受けたスタンドは激しく吹っ飛ぶ。
が、ほとんどダメージを受けている様子はなかった。
「生憎だったな。貴様の技が出る前にこっちも出していたんだぜ。」
気づけばスタンドの周囲がドス黒いオーラのようなもので囲まれていた。
「これぞビッグウォール‼最強の防御力を誇る技よ‼生半可な技など効かぬわ‼」
闘いは一進一退。ならばと、邪武は青銅聖闘士時代から得意とした足技に、光速の力を加えて昇華させた一撃を繰り出す。
「サジタリアス・ギャロップ・バースト‼」
遥か天空に飛び上がり、無数の流星のように天から降り注ぐ光が、スタンドのビッグウォールと真っ向からぶつかる。 ビッグウォールごとスタンドを押し込んでいくかに見えたが、ビッグウォールの“硬盾”が威力を霧散させた。
「どうした、それでお仕舞いか?」スタンドが挑発する。
「まだだ、俺の限界はこんなもんじゃない。燃えろ‼俺の小宇宙よ‼」 さらに激しい勢いで邪武の小宇宙が高まっていく。
一方のスタンドもさらに小宇宙を高め、ビッグウォールをさらに強固な盾と化していく。
「無駄だ‼どんなに小宇宙を高めても俺のビッグウォールは砕けない‼」
冥界第五獄の死闘は、熾烈を極めようとしている。邪武は黄金聖闘士としての使命を果たすため、スタンドは冥界の番人としての矜持と誇りを取り戻すため、闘いは激しさを増すのだった。




