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闇を切り裂くジェミニの光

二人の冥闘士を退け、満身創痍の那智は膝をつきかけていた。

「はぁ……っ、はぁ……っ……クソ、体が……思うように……」

しかし、その場を動くことはできない。

なぜなら――

 「お待たせしたな、黄金聖闘士。」 低く、重く、どこか不気味な響きを帯びた声が降り注ぐ。

濃密な闇の裂け目から姿を現したのは、黒き翼を持つ冥闘士――

かつて冥界三巨頭の一人と恐れられた存在、天雄星ガルーダのアイアコスだった。


「な……ぜ、お前が……!? お前はハーデスとの戦いで……!」

「フン……人間界が続く限り、冥界もまた永遠。 そして冥界の意思が再び我らを呼び覚ましたのだ。貴様ら黄金聖闘士を葬るためにな……!」

アイアコスが、音もなく前に出る。

「だが、今の貴様では、黄金の名が泣いているぞ?」


ズン――!

ただの打撃。されどそれは、冥闘士最速の動きから繰り出される、容赦なき神速の拳。

「グッ……!」 那智は受けるしかなかった。防御に徹するものの、小宇宙は限界を迎えつつある。

「どうした?技を出してこい!それとももう出せないのか、黄金聖闘士ァッ!」

容赦なく、光速の蹴りが炸裂する。那智の肩が大きく崩れ、血が舞う―― その時だった。


「――やめろッ‼」


閃光が走った。 アイアコスの打撃とぶつかり合った一条の矢光―― その間に割って入ったのは、射手座サジタリアスの邪武!


「間に合ったか……!」

その背後には、双子座・斗馬、そして深手を負いながらもなお歩みを止めない檄と市の姿も。

「邪武……! 斗馬……!」

朦朧とする意識の中で、那智の目が見開かれる。


「よく耐えたな、那智。あとは任せろ。」

前へと進み出る、双子座の黄金聖闘士――斗馬。

冷徹なまでの集中力と、無駄のない所作。 その眼差しは、既に冥界の猛禽・ガルーダを捕えていた。

「皆、ここは俺に任せて先に行け。ジュデッカまでもう一息だ。」


邪武がうなずく。

「行こう。お前なら、勝てると信じてる!」 そして、市と檄も静かに頷き、那智を支えながら、冥界の奥へと向かっていく。


冥界の地に残ったのは、二人―― 双子座ジェミニの斗馬、天雄星・ガルーダのアイアコス。「双子座か……あのサガやカノンと同じ星の継承者とはな……これは面白い!」

「貴様との因縁も、今日ここで断ち切ってやる。」


その時、斗馬の身体を中心に、空間が揺れる――! 現実と幻、光と闇、生と死が反転する、双子座の異空間! 「これは……!?」

アイアコスが一瞬たじろぐ。 斗馬の瞳に宿るのは、かつてないまでの静かな怒りと決意。

「さあ、始めようか。冥界三巨頭・最後の咆哮に、幕を引く戦いを。」


――双子座ジェミニVS天雄星・アイアコス、ここに開戦‼‼

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