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ベアー檄編第2章:轟け、大地と熊の咆哮

パンタナールの密林が、黒い炎に包まれていた。 魔神士ディーヴァ・ヴァラク―― その身に宿すのは、かつて聖域が封印した“堕落した小宇宙”。 「お前たちのような時代遅れの力など、我らディーヴァの前には無力!」

ヴァラクの掌から迸る漆黒の火球が、神殿を砕く。 その熱気にすら、周囲の生命が悲鳴を上げるようだった。 「檄、無理に前に出るな。ヤツの炎はただの熱ではない。小宇宙を腐食させる……!」 アレウスの警告に、檄は顔をしかめる。 「チッ、そんなもんにビビってられっかよ。こっちは鍛えに来たんだ、実戦こそ修業の総仕上げってもんだろ!」 「フッ……やはりお前は、熊そのものだな」 アレウスが足を踏み出す。 重厚な拳が、地を這うように繰り出される―― 「バルカン・クラッシュ!」 巨岩が裂け、衝撃波がヴァラクへと襲いかかる。 だがヴァラクはそれを軽々と空中でかわす。 「愚かなる徒花どもよ。地上に生きる者は、やがて全て我が業火に焼かれる運命……!」 ヴァラクが放つ黒炎の奔流が、檄とアレウスを襲う。

「来やがれ、炎野郎……!」 檄が踏み込む。 鍛え抜かれた肉体から発せられるのは、ただの暴力ではない―― 「ベアー・グラウンドブレイカー!!」 地面に拳を叩きつけ、大地を通して衝撃を敵に伝えるその一撃。 しかし―― 「通じぬ。腐り果てよ、熊の小宇宙……!」 ヴァラクの黒炎が地面を伝って逆流し、檄の足元を焼く。 「ぐっ……!」 膝をつく檄。だがその時だった。 ――ゴゴゴゴゴ……! 檄の背後、大地が震え、空気が変わる。 「……檄。今こそ、“感じろ”。この地の声を、小宇宙で……!」 アレウスの声に導かれるように、檄は意識を集中する。 ――ドクン……ドクン…… 鼓動とともに、地の奥深くから温かな“力”が湧き上がる。 「これが……大地のコスモ……? いや……違う……“共鳴”してる……!」 その瞬間、檄の身体から立ち昇る小宇宙が、大地と一体化した。

「うおおおおおおおおおッッ!!」 熊が咆哮した―― そして、生まれた新たな必殺技。 「ベアー・テクトニック・インパクト!!」 拳を振り下ろした地面が、ヴァラクの足元で突然隆起し、爆発のような衝撃を生む。 それはまさに“地殻変動”のごとき一撃。 「な……に!? こんな……小宇宙が……地を……!」 「オレは熊だ。大地とともに咆える野獣だ。てめえみたいな腐った炎なんざ、地の底に沈めてやらぁッ!!」 ヴァラクが倒れる。だが完全に倒したわけではない。 彼は意味深に笑いながら、黒い霧となって消えた。 「フフ……いずれ、“七魔将”がその名を刻もう……そのときこそ、貴様らの終焉だ」

静寂が戻った密林。 だが、檄の拳はまだ燃えていた。 「次は……星矢たちの背中じゃなく、オレ自身の道を……力で切り開いてやる!」 アレウスが静かに頷いた。 「お前はもう、“ただの熊”ではない。“聖なる熊”だ。胸を張れ、檄」 風が吹く。大地の声が、誇り高き聖闘士の進化を祝福していた。

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