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仮定のアーリィは今日も異世界の空を飛ぶ  作者: 田園風景
滅びた街フィーディング
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第八十九話 百人乗っても大丈夫?

  平穏な日々が続いていた。

 お金には余裕があるので働かなくても良いのだけど、人間暇を持て余すと碌な事をしないもの。私も例外ではないのでちゃんとギルドの仕事を続けている。


  私達がヒョーベイに帰ってきてギルドとジゼルさんに報告した後、オッドルさんの葬儀を行った。

 オッドルさんの身内は居ないので、ギルドの関係者だけでの小さい葬儀。ライロンさんがオッドルさんの死を静かに悲しんでいたのが印象的だった。

 火葬で伏された後、遺骨はギルドの共同墓地に葬られた。


  クレウス姉さんは大怪我こそしなかったが、これ以上の負担はお子さんに悪影響があるだろうと、予定よりかなり早いがギルドを休職することになった。

 馴染みの宿を取っているらしいので、自宅購入を薦めてみた。幸い、提供できる資金は十分にあるのだ。伊達にデカいトラブルに巻き込まれ続けていないよ!

 しかしクレウス姉さんは自分達のお金で家庭を作りたいからと、丁寧に断られた。まあ、その気持ちは解るので素直に引き下がる。けど困った時は声掛けてよね!




  ベクトもヒョーベイでの生活に馴染み始めた頃、連絡が来てしまいました。次の大事の香りが芳醇に香りますなぁ。


「アーリィさん! お客さんですよ」


  ギルドで面白そうな依頼でもないかなぁと、ルシードとベクトでだべっていた所に、マシロちゃんからお呼び出しだ。

 とてとてとやって来るマシロちゃんの後ろに男性が一人……


「レン代表!?」

「アーリィ君。それとルシード君とベクト君も。お久しぶりと言うにはそれ程経っては居ないかな?」


  街トースアースの代表。先月、私達がトースアースに訪れた時に、色々と面識を持つことが出来た人だ。

 街の偉い人がなんでヒョーベイに来ているのだろうか? 街と街の距離はそれなりに離れている。道中の危険を考えれば手紙なり代理とかでも良かった気がするのだが。


「一応お久しぶりです。どうしてこの街に? あの件で進展が?」


  この世界の境界と思われる所。それが遥か上空にある事が判ったのだけど、見えない壁に阻まれて通る事が出来ないのだ。

 レン代表もこれには興味を持っているけど、場所が場所だけに調査も困難。何かあったら連絡してくれるようにお願いしたのだけど。


「あの件とは別の用事です。是非、君の力を借りたくてね。こうして直接会いに来たというのは私なりの誠意と思ってくれると嬉しい」

「は、はぁ」


  何か、面倒事の予感がする。ベクトとの生活もようやく馴染んできたというのに、またお出かけとなるのか。

 ルシードは以前、外の世界を放浪していたと言っていたから、こういう生活は苦にならないだろうけど、私は嫌いではないが好きでもない。どちらかと言えば家でのんびりする方が好きなのだ。

 私の嫌そうな表情を読み取ったのか、レン代表はお願いを続ける。


「勿論相応の報酬は出しますし……君達の目的と全く無関係という訳でもないよ?」


  私とベクトの目的。地球日本に帰る事だ。そこを突かれると逃す訳にもと思ってしまう。

 それにレン代表には境界を超える為の協力をお願いしている身分だ。協力して貰えているのはレン代表も興味を持ってくれているからで、必要な事では無い。ポイントを稼いでおかないと、何時か愛想をつかされて手を引かれるかもしれない。そうなると困るのは私達なのだ。


「分かりました。けど、まずは依頼内容を教えてくれませんか?」

「ありがとう。お願いしたいことはアーリィ君のスキルを使って多数の人間を上空から運んでほしいということだ」

「私のスキルで? けど、私のスキルじゃ運べても4人が限界ですよ?」


  一番積載能力があるのはサテラ君だが、それでも4人が限界だろう。掴まる方法の問題であって、方法さえあれば、恐らく百人でもそれ以上でも大丈夫と思うけど。


「方法は此方で考えています。その確認の為にもこの街に来ました」

「ではその方法は後で。方法は良いとして、何処に運ぶんですか?」

「嘗て、人類が最も発展していた時期の中心となった街フィーディング。その廃墟です。その存在は以前から判っていたのですが、魔獣が多く徘徊する森に阻まれて近寄る事も出来ませんでした。あの廃墟には当時の技術や記録が山のように眠っているはずです。それを手に入れたい! その中には、アーリィ君が望む情報や助けになる技術もあるかもしれませんよ?」


  成程……以前のこの世界は、地球日本すら遥かに超える科学、最高峰の魔法、極地に達した技術があった。であれば、上空の境界についても何か判る可能性だってあるんだ。

 ベクトを見る。聞かなくてもその表情で判った。ベクトに向かって頷く。


「分かりました。その依頼を受けます。詳しく話を聞かせて貰って良いですか?」


  今回のトラブルは過去の調査だ。そこで私達は何を見つけることが出来るだろうか?

 古代の街で物語の核心を発見するというのもありきたりだけど、それで見つけることが出来るなら楽でいいやね。ただ、滅んでから相当の時間が経過しちゃってるんだよねぇ。何か一つでもまともに残っていると良いけど。

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