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仮定のアーリィは今日も異世界の空を飛ぶ  作者: 田園風景
科学と宗教の街トースアース
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第七十七話 宗教団体アース

  という訳で次の日。

 薄暗い雲が広がっていた。涼しいのは良いんだけど、どことなく不安を誘う天気。

 ちなみに、私の根拠の無い嫌な予感というのは当たった事が無いのだ。いや、一回だけ有ったか。余り思い出したくは無いのでここでは割愛しておく。


「じゃ、行こうかい、アーリィ。あっちの道は私らが覚えているから付いてくれば良いよ」

「アーリィ姉さん。僕と一緒に行きましょう。ベクト姉さんもご一緒に」

「お、良いね。じゃ、案内して貰おうかな」


  ドミニクちゃんを私とベクトで挟んで楽しく移動だ。目指すは壁の向こう、宗教団体アースの建屋だ。




  宗教団体アース。街の名前の一部になっている特色の一つで、この世界に唯一残った宗教だ。

 だが、信者は個人が内々で信仰しているのを別にすれば、他の街には存在しないそうな。特に信者集めもしていない。

 運営費用については、レン代表指導により街から寄付されている。レン代表は神の存在は認めていたので、その辺りからの理由だろうか?


  施設の前に来た。施設は信者により良く整備されているようで、建物も道も植木も、質素ながら非常に綺麗に整備されていた。

 時折見かける、外で掃除している人は街の人と変わらない、普通の服装だし変な所は一つも無い。街の中だと言われたらそう思えるほど普通なのだ。


「ようこそクレウスさん、トムさん。予定よりかなり早めのご到着ですね?」


  施設に入るなり、受付の人であろう男の人が話しかけてきた。察するに、クレウス姉さんが昨日会った人なのだろう。


「昨日別行動していたのが居てね。順番にアーリィとルシード、そしてベクトだ」

「そうでしたか。ようこそいらっしゃいました。歓迎しますよ」

「少しお話だけ聞きに来ました。お邪魔します」


  ぺこりと挨拶。別に意味有り気にニヤリと笑ったりはしない、裏も無く普通の感じだ。残念。


「アーリィ。ここから別行動になるかな」

「そうですね。こちらは多分、先にヒョーベイへ帰ると思います。もし伝言することがあれば同じ宿にお願いしておきますので」

「分かった。トラブルはもう無いと思うけど、何せヒョーベイの外だ。気を付けてな」

「はい。クレウス姉さんもお子さんを抱えてるんですから、体を大事にしてくださいね」


  という事でここでクレウス姉さんのグループと別れる。ヒョーベイへのお帰りも別々。

 クレウス姉さんのグループはこのまま受付前のロビーで待機。私達は今回取りとめのない話なので誰でも良かったんだけど、何故かアースの代表と話す事を薦められ、そうなってしまった。

 実は、昨日の境界探しの状況を知られていたらしい。別に秘密の作業という訳でもなかったしね。

 レン代表と私達が一緒だったので、大切なお客さんなのだろうと考えられたための対応である。単にアースの代表が少ない機会の訪問者に話したかったというのもあるのだが。




  案内されたのが、アースの代表の執務室。トントンとドアをノックすると中からどうぞと男性の声が聞こえてきた。

 「失礼します~」と、入室する。宗教団体のお偉いさんの部屋だから、崇拝する像があったり祭壇があったりするのを想像していたんだけど、全然そんなことは無かった。

 様々な本が並んだ戸棚、執務机、作業用兼会議用の大きな机と長椅子。それだけである。個人の部屋の方がまだ飾り気があるんじゃないだろうか?


「ようこそアース本部へ。私はアース代表のブレンダン・マクニコルと申します」


  執務室に居たのは高齢者と言えるほどにお歳を取ったスーツの男性。ただ、背筋はしっかり伸びているので動きに老いは感じられない。

 柔和な笑みを浮かべ、私達を心から歓迎しているようだ。

 私達も名乗り、会議用のテーブルに置かれた長椅子に座る。


「粗茶で申し訳ありませんが」


  と、私達を案内してくれた人が緑茶のようなお茶を運んできてくれた。ブレンダン代表は小さい焼き菓子を準備してくれている。あらあら、ご丁寧にどもです。

 これにて、落ち着いてお話できる状態だ。ベクトは早速菓子をポリポリと食べている。


「昨日来られたゴスランご夫婦とご一緒に、この街へお越しになったとお聞きしていますが?」

「ええ。お仕事で一緒にこの街まで来たのですが、折角なので色々と見学させて貰っています」

「そうでしたか。昨今はこの街に訪れる方も少なく、寂しいものでした。遠慮なさらず見学なさってください。此方としては久々の訪問者なので歓迎しますよ」

「はは……少しだけお話を聞いたらお暇しますので」

「そうですか。それは残念ですね。して、お話とは?」


  考えてみれば、知りたい情報は昨日の段階で期待以上に貰えたので、こっちで聞くことって思えば無いような……どうしよ?


「えっと……ここで崇拝しているアースという神様?について、軽く教えて貰えませんか?」


  この世界での神に該当するのはプレイヤー、つまり私だ。だが、私はプレイヤーとしてではなく何故かこの世界に入り込んでいるのだ。

 であれば誰がプレイヤー、つまり神なのか? そこの所の話を聞けないだろうかと思った次第だ。


「創造の神アースについてですね。では、少しお話ししましょう」

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