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仮定のアーリィは今日も異世界の空を飛ぶ  作者: 田園風景
科学と宗教の街トースアース
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第六十八話 皆さんにご報告申し上げます

  さて。無事にヒョーベイに帰ってきた私ことアーリィな訳だが、家に帰る前にギルドとジゼルさんへ一言挨拶する訳なのだが、言われることが渋滞を起こし、家に帰るまで非常に時間が掛かってしまった。

 まず引っかかったのは東門だ。私的には「ただいまー」と気楽に挨拶して通るだけど思っていたのだが、門兵さんは思ってたより私の事を気にして覚えていたようだ。


「アーリィ、お前出かけたままずっと帰ってこなかったから気にしていたんだぞ!」

「いや~キョウスティンの用事は一ヶ月足らずで終わったんだけどね。帰りにヒルビンに寄ったんだけど、思った以上に長い滞在になっちゃってさ……」

「そこの、お前さんによく似たのは親族か何かか?」

「そそ。ほらベクト、挨拶して」


  ベクトを促すが、アイドルやってたとは思えない程ダウナー系になっちゃってまぁ。挨拶一つ促すのも大変だ。


「ベクト・セカン……宜しく」


  ベクトは大人な美人ではあるし、見ようによってはクールビューティに見てくれるだろう。

 ベクトに任せていると話が進まないので、ここからは私が


「入門手続きお願いね。ベクトはこの街に住むことになるんで」

「判った。じゃ、ベクトさんや、こっちで調査魔法受けてくれ」


  これで正式にベクトはこの街の住人となったのだ。ベクトを追っていたあの男も、サテラ君の移動速度にはついてこれないだろうし、暫くは平和と見て良いだろう。


「ありがとね。流石に暫くはゆっくりする予定だから」

「ま、無事に帰ってきたんだしこれ以上は言わないでおく。また話しに来いよ」

「はーい」




  次に向かったのがギルドだ。

 時間がまだ昼過ぎという事もあり、ギルドメンバーの皆は不在。出迎えてくれたのはマシロちゃんだ。


「アーリィさん! 帰ってきた!」

「ただいま、マシロちゃん。長い間帰ってこれないでゴメンね」


  カウンターから飛び出してきたマシロちゃんが、私の胸に飛び込んできた。ふんばって受け止め、よしよししてあげよう。


「街の外は危険ですし、聞いていた予定を経っても帰ってこないから、もしかしたらって思ってたんですよ。心配させないでください!」

「ごめんごめん。ちょっと帰りの寄り道が長くなっちゃってね」

「今回は無事に帰ってきたから許してあげます。ルシードさんも御無事でなによりです」

「ま、俺は元々街の外を渡り歩いていたからな。これぐらいは慣れてるさ」

「けど今はこのギルドの大切な人です。だから、帰ってきてくれてありがとうございます!」


  お、ちょっとルシードが照れてる。マシロちゃんは可愛いから仕方ないね。

 っと。とりあえずマスターに報告しておこう。


「ましろちゃん、マスター居る? キョウスティンの事とかちょっと報告したいんだけど」

「居ますよ。では、ちょっと待っていてくださいね」


  マシロちゃんがマスターを呼びに奥へ引っ込む。

 ふとベクトを見ると、机にへばって寝ていた。今回長旅は初めてだろうから、ちょっと疲れたのかもね。早めに報告を済ませて家でゆっくりしたい所だ。


「帰ってきたかルシード、アーリィ。二人が無事に帰ってきて良かったよ」


  思ったより早くマスターがマシロちゃんを連れて出てきた。外出の格好だけど、どこかに出かける所だったのだろうか?

 ルシードがマスターに簡単に報告してくれた。


「もうちょっと詳しい話が聞きたい所だな。丁度ジゼル様に伺う所だったんだ。そこで詳しい話を聞かせてくれないか? ジゼル様への報告はまだなのだろう?」

「分りました」

「ベクトさん。貴方も来ると良い。報告に関係があるのだろう?」

「……は~い」


  半ば寝ていたベクトは、モソモソと起き上がって伸びをする。ベクトにとって初めての街なんだし、私とはぐれたら迷子になるよ。

 仕方ないので手を繋いで、ジゼルさんの待つ貴族街へ向かった。




「心配したのよ!」

「わっぷ」


  ジゼルさんのお宅を訪問し、部屋に入った途端、ジゼルさんの胸に埋もれてしまった。

 そうだね。門兵さんやギルドとは違い、今どきの貴族の交友関係の変化というのは乏しい。ジゼルさんの友達となっていた私が予定を過ぎても帰ってこず、音沙汰の無い時間が長くなれば、その心労は大きいものだったに違いない。ごめんねジゼルさん。


「ジゼル様。再開を嬉しむ中申し訳ありませんが、報告したいことが色々とありまして」

「……わかったわ。そこにいるアーリィちゃん似の方についてもお聞きしたい所ですし。では座ってくださいな」


  私はジゼルさんの胸から解放されて、少しよろめきながらソファーに座る。その横に座るのはベクト。ジゼルさんに対抗しているつもりか、私の肩に顎を乗せてくっついている。

 仕方ないのでベクトはそのままとし、マスターとルシードもソファーに腰掛ける。

 全員が腰掛けると同時に、執事のサンドさんが紅茶を配ってくれた。非常に香り高く、スッキリとしたその香りだけで旅の疲れが和らぐようだ。相変わらずやるね。


「では……まずはキョウスティンでの事から報告して頂けますか?」

「分かりました。俺から報告させて貰います」


  ジゼルさんとマスターに、今回の旅の事が報告された。

 そして、報告はもう少し続く。

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