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第六十四話 さらばヒルビン

  大会が終わってから数日が経ち、その間に色々とあったよ。

 ルシードとベクトの治療が終わるや、この街の貴族で長老衆でベクトの生活を見てくれていた人、グエルション様に事情徴収を受け、その後も稽古を受けたりベクトとアイドルやったりと、忙しく過ごしたのだ。

 忙し過ぎて当初の目的であるベクトとしっかり話す機会も無かったけど、流石にそろそろ余裕が出来てきたので、今日こそお話合いをしたい。

 街を歩くと、キャーキャーと声を掛けられたり、ルシードは勝負を挑まれたりと、私達も有名になってしまったものだ。ふっ(優越感)


 で、辿り着いたのはベクトが御厄介になっているグエルション様のお屋敷だ。


「ごめんくださーい!」


  守衛の人に挨拶すると、笑顔で通してくれる。この数日でこの家の人とも十分な顔見知りになっているのだ。

 

「ようこそ、アーリィ嬢。今日もご用事ですか?」

「はい。ベクト居ますか?」

「ベクト嬢ですか……道場に、グエルション様がいらっしゃいますのでご案内します」

「え? ……はい。宜しくお願いします」


  ルシードの顔を見るが、ルシードも良く状況が判らないようだ。首を傾げて困った表情を浮かべている。

 良く判らないが、案内してくれる先に行けば分かるのかもしれない。守衛の人に大人しくついて行くとしよう。

 屋敷も玄関も廊下も、特に変わった様子は無いが、何かベクトの身に起こったのだろうか?




「ベクトがこの街を去ったようだ」

「へ?」


  去るとは言いつつ、昨日まではもう少し居る様子に見えたのだが。

 グエルション様曰く、少し前にベクトの部屋に書置きが残されていたようだ。

 書置きの内容はこの街を去る事。そして短い感謝の言葉だけ。簡潔すぎるその内容はベクトらしいっちゃらしい。


「行先は?」

「判らん。何も書いておらぬし、あ奴はこの街以外何も知らぬはずだ。何処に行くつもりか想像もつかんな」

「去ったのは少し前なんですよね? じゃ、私が探して追います。今日まで有難うございました! ベクトの事は任せてください!」

「娘が居るというのはこのような気分なのだな……頼むぞ」

「はい! いくよルシード!」


  ルシードと共に屋敷を飛び出し、まずは宿だ。慌てて荷物を回収して、宿の主人に去ることを告げて料金を支払う。

 宿を飛び出したところですれ違ったのは、ルクリュイーズ少年と少女隊の三人だ。


「急で悪いが俺らは帰るよ。そのまま修練を積め。そうすればお前はお前の望む通りに強くなるよ」

「え? は、はい! 師匠、有難うございました! どうぞお元気で! 必ず強くなった姿をお見せしますから期待していてください!」

「ああ、期待しているぞ」


  ルシード、少年から師匠なんて呼ばれちゃってまぁまぁ。 この関係が出来たのはこの街に来た成果だよね。

 そしてもう一つの成果。少女隊三人娘のニナ、エミリー、アエニスだ。


「お茶会でもしてゆっくりお話ししたかったけどゴメン。アイドル、頑張ってね。目指せ頂上の星よ」

「頑張ります。これまでありがとうございました。アーリィさんもお元気で」

「寂しくなりますね」

「アーリィさんに負けないようなアイドルになりますから、是非、見に来てくださいね!」


  私と三人で手を重ね合い、別れの挨拶と再会の誓いを交す。

 何時の日か、必ず立派になった姿を見に来るからね!




  名残惜しいが、時間が過ぎるとベクトが探せなくなるかもしれない。急いで街を出よう。

 街の門で佇んでいるのは、久しぶりのタグさんだ。


「よう有名人。久しぶりだな」

「タグさん、お久しぶりです。探してるんですけど、ベクト外に出ませんでした?」

「ベクトちゃん? ああ、一時間ほど前に出て行ったけど?」

「それなら追いつけるかも! タグさん、ありがとう! またいつかね」

「情報感謝だ」


  タグさんに私とルシードが続けてタッチして門を潜り抜ける。


「サテラ君おいで!」


  遥か上空からサテラ君が舞い降り、その大きい鍔を二人は掴む。

 掴んだのを見たら今度は急上昇だ。タグさんは、舞い上がっていく私達を見て呆然としていたな。


  上空からベクトが行った先と思われる方向を見る……居た!

 ベクト一人じゃない。ベクトは何人かに囲まれていた。

 恐らくあの男の手の者、ベクトを監視していた奴らだろう。ベクトは監視の目を利用して、この街から去った事をあの男に伝わる様にしたかったに違いない。

 じゃ、その目的は達成しているという事で、回収だ。 



「ベクトー! 掴んで!」

「アーリィ!?」

「手を出せ!」


  私とルシードが低空飛行から、監視の者たちをすり抜けベクトの手をキャッチ! すぐさま上空の彼方に飛び去った。

 監視の者たちはもうどうしようもないだろう。走って追いつけるサテラ君じゃないからね。


「さって、帰りましょうか」

「何処へ?」

「私のお家がある、ヒョーベイへ!」

ここまでお読み頂き有難うございました。

評価やブクマ、イイネを頂き感謝します。


閑話の不定期投稿を挟んでから、次章に移ります。




宜しければ更なるブクマや評価等を宜しくお願いします。


本作品を書き続けるモチベーションとなりますので。

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