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第五十四話 強者選別闘技祭

  この街ヒルビンに来てからもう二ヶ月ほど経過しただろうか。この街の筋肉&アイドルな状況にも慣れてきた所。

 ヒョーベイにはこんなに長く他の街に居る事になるとは言ってないので、心配掛けてしまっているかもしれないね。我が家も帰ったら掃除が大変になりそうだ。


  ベクトに会える気配が今まで無かったのだけど、とうとうその機会が巡って来たよ。私とルシードの両方に。


「アーリィ。次の特別大会、強者選別闘技祭への出場に招待されたぞ。聞いた所、ベクトも出場するらしい」

「とうとう来たわねルシード。丁度、その大会のにニナちゃん達少女隊が賑やかしで呼ばれててね。そのバックダンサーで私もついて行くことになったのよ」


  強者選別闘技祭……昨今武闘大会で目覚ましい活躍を見せた選手を一堂に集めて、その中での頂点を決める大会らしい。

 この街の最高峰である血戦武龍杯程では無いが、かなり名誉ある大会との事。ルクリュイーズ少年も参加するとの事で、ルシードとしてもより気合を入れて挑む大会となりそうだ。

 私も気合入れてルシードを応援しなくちゃね。




  そして大会当日朝……土砂降りの雨が降ってマス。こういう大会の当日は晴れって相場が決まってるのに、おっかしいなぁ。

 この町周辺の気候特徴として、雨は通り雨のように短い時間だけ激しく降るのだ。大会運営も経験からその内止むだろうと判断して、大会をそのまま開催するとの事。豪雨強行という奴だ。観客も気合が入っているようで、豪雨の中でも観戦席に座っている。

 賑やかし担当の少女隊達は流石に豪雨の中では歌わない。雨が止んだ後の出番として、それまでは自由待機となった。用意された待機部屋の中から大会の様子も見れる好位置。ラッキー。


「って事で、私は部屋から楽してルシードを応援してるね」

「変な天気の中で戦うことになったが、ま、やるだけやってくるさ。ベクトに話す機会があったら、後で話し合いの時間を貰ってくるからな。何を話すか、考えておいてくれ」

「らぢゃー。風邪ひかない様に頑張って」


  ルシードの手をぎゅっと握りしめて送り出す。向こうでは少年が少女隊がきゃいきゃいと華やかに励ましていた。

 ふむ……少年が気になる子はニナちゃん、エミリーちゃん、アエニスちゃんの誰だろうか? 最底辺とは言え貴族だし、三人とも確保か!?




「今、天は泣いている。激しく悲しんでいる。この世の衰退をそしてその将来を目にしているからだ! だが人は、それでも人は強く有ろうとする。その熱意は天に登り涙すら、いずれその嘆きを吹き飛ばすだろう! この時より、強者選別闘技祭の開催を宣言します!」


  大雨の中、司会の人が頑張って開会宣言を行った。観客もそれに雨音にも負けない声援と拍手で答える。

 そして参加選手らしき人達が入場してきた。本来は賑やかしのアイドルが入場に合わせて歌と踊りで花を添えるのだけど、この雨ではどうしようもない。

 ルシードと少年が居た。そして……ベクトが入場する。ベクトを見た観客は雨音を吹き飛ばすかのような声援を送った。

 ベクトは……以前に会った時のランニングシャツに短パン。そして王者の証というつもりだろうか、赤いマントを肩にかけていた。う~ん似合ってるような、可笑しい様な。少なくとも、この街においては受け入れられているようで、誰も突っ込んだりはしていない。


「それではまず、最有力の四人を紹介しましょう!

 正統派剣術の申し子、セジャル!

 力に全振り!掴む全てを破壊するペリシエール!

 戦う最中も舞い歌う美しき女戦士アルレット!」


  おお~。まずは有力と見なされている人が紹介されるのね。どの人も癖の強そうな人だ。ただ、雨に打たれながらの紹介なので、イマイチ凄みが感じられない。


「そして最後は勿論この人! この街に突如現れた戦いの天才! その実力は古参衆よりも上だと目されるほどです。それだけでなく歌と踊り、アイドルという新たな風をこの街にもたらしてくれた若き女傑、ベクト・セカン!」


  ベクトは表情は無表情のまま、手を挙げて応えている。

 あの子に何を聞くべきだろうか? 何を聞けば良いのだろうか? 今はまだ良い質問を考える事が出来ていないが、この大会の最中、会うことが出来る時までにちゃんと考えておかなくちゃ。


「この四人が本大会の優勝候補。しかし、その地位は安泰と言えないかもしれません。その他の実力者をご紹介します。

 その突進は誰にも止められない! ブルーノ!

 魔法の弾幕で勝ち抜いてきた技巧者、ルネ!

 でかーい! 説明不要、トゥーパン!

 力強い女は美しい! ハリエット!」


  どの人も……多分強いのだろうけど、やはり雨で見難いせいかイマイチよね。


「その他の闘士を含め、合計十六名で本大会を開催します。注目されている強者が天を勝ち取るか! 伏龍がその姿を現すのか! いずれにせよ全ての闘士が輝くことを願います!」


  ありゃ、ルシードと少年はその他大勢として省略されてしまった。知名度はイマイチだったようね。隣に観戦している少女隊もちょっと悔しそうだ。

 続いて大会の流れを簡単に説明してくれた。今日は一回戦、次の日は二回戦、三日目準決勝、そして最終日に決勝が行われる。戦う順番は少年が一番に来ており、ルシードは午前中最後の試合。なので、ルシードと少年が戦うことになるのは準決勝という事になるね。そして、ベクトと戦うのは決勝となるわけだ。簡単にベクトと話し合うことが出来ないねぇ。


 雨は予想を裏切って、まだまだ止む様子は無い。そんな中、一回戦が早速始められようとしていた。

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