第四十四話 閑話:海
「夏だ!」
「夏ってなんだ?」
「少女にちょっとお願いしたり、愛を囁き続ける渚の狼少年が出現する季節だよ!」
「意味が解らん」
という訳でやってきましたよ海に! そう。この街キョウスティンは海に面しているのだ。
この世界の季節というか気候は常に一定で、多少の揺らぎはあるが基本過ごし易いのだ。なので、海に入るべきタイミングというのは無いので、入りたいときに行くべきなのだ。
海! 海! 太陽光を反射して日差しの中でも尚眩いキラメキを見せてくれる、特有の素晴らしい空間だ。
海の向こう青空と流れる雲その下にある水平線の彼方には、一体どんな世界が広がっているのか、今は知る事の出来ない答えに思いを馳せる。
水平線と白い浜辺。それを日の暑さを少し厳しいと想いながら高い位置から眺める、白いワンピースと広い鍔の帽子の少女というのはありきたりだけどいい絵だよね。
「なんか……思ったより狭いね」
「そういうものだろ」
ルシードと浜辺に来たのだが、陸地から200m程度離れた所に防波堤みたいな物がありそれ以上沖へはいけない様にロープが張られている。横も見える範囲で同様にロープが張られていて、泳ぐ人がそれ以上いけない様に対策されていた。
浜自体は綺麗に整備されており、休憩用の小屋も砂まみれではあるが不潔な感じは無く、気持ちよく利用できそうだ。例えるなら、綺麗に整備された店の無い小さい道の駅と言った感じだろうか。
「なんでこんなに小さく制限されてるの? いや、遠くまで泳げる程泳ぎに自身がある訳じゃないから良いんだけどね」
「俺は見たことは無いが居るらしいんだ……」
「居るって……何が?」
「魔獣がな……海の中に沈みながら徘徊しているらしい」
「なにそれ……」
世界を滅ぼす魔獣の活動範囲は、海の中にすら及んでいるらしい。
「船が沖に出ると、魔獣が泳ぎ上がってきて船を沈めてしまうようなんだ。 もしかしたら沖のどこかに魔獣の居ない範囲があるかもしれないが、今はもう調査されていないらしいな」
「はあ。だから、魔獣が居ないエリアから出ないよに、こうやって制限されているのね」
「制限の向こう側が海産物の収穫エリアになっているから、実際の所はもう少し余裕があるんだけどな」
しかし、魔獣が海の中を徘徊して、海面に船が見えたら浮き上がってくるところをイメージすると、なんかゲームのトラップっぽくて、少し笑えてしまう。
だけどそうなのか。陸地に生活スペースが無いなら海に島を浮かべれば良いじゃない、とか思ったことも有るけど、そうなると魔獣が海の底からやってくるのね……
制限があるとはいえ海は海だ! ルシードに私の水着姿を披露してあげたり、ルシードの鍛え上げられた筋肉に思わずよだれを垂らしたり、一緒に泳ぎに泳いで、その日一日たっぷりと二人で遊び楽しみましたとさ。まる




