第二十六話 閑話:ルシード君をお招きしました
閑話は、短い話を投稿予定を考慮せず投下します。
キョウスティンへと再度赴く前に、数日の休息を確保している。纏まった休みで疲れを落とし、新たな気持ちで行きたいのだ。碌に観光……地球に帰る為の調査もしてなかったしね。
休息と言っても、何もしないのは勿体ない気がしたので、お家にルシード君を招いたのだ。一緒に旅して信用の置ける人だと判ったし、結構親しくもなった。であれば、私の事情を教えても良いんじゃないかなと思ったのだ。内々の話でも相談できる人が欲しいしね。
っと、ノックが聞こえた。どうやらルシード君が来たらしい。
「いらっしゃい、ルシード君」
「随分と離れた所に住んでるんだな。しかも一戸建てとはな」
「お買い物は不便だけど、静かな良い所だよ。騒いでも余り近所迷惑にはならないしね。さ、入って入って」
ルシード君を入った所の応接間のソファーに座らせ、お茶を持ってくる。何の葉か知らないけど、キョウスティンで買ったお口の中がスッキリする中々良い感じのお茶だ。
「良い所だな。この街でこの広さのある家は、貴族を除けばそうそう無いぞ。昔からここに住んでいたのか?」
「いや、違うのよ。ん~そこら辺も含めて色々と話したいんだけど、聞いて貰っても良いかな?」
「何か込み入った事情があるようだな……話してみろ」
別の世界からここに来た事、少女ヒガンちゃんに導かれてこの街に入り、家とスキルとサテラ君を貰った事、元の世界に戻る為の情報を集めている事。けど、この世界がゲームであることは言えなかった。だって、それはルシード君やマシロちゃん、ジゼルさん等今まであった人が、もしかしたらタダのデータかもしれないと言うのと同じだからね。何かしらの事情が出来ない限りは多分言わないと思う。
「アーリィが異世界人とは……世界は広いな。その、何か知ってそうなヒガンとかいう少女は見つからないのか?」
「うん。消えたっきり、全く。言ってた言葉が本当なら、もう私の前には現れないと思うの」
「……手掛かりが少な過ぎるな」
「あ、そう言えばキョウスティンでルシード君がお薬を取りに行っている間に、こんな事があったの」
私の似姿を持つベクト・セカン。そして邂逅を仕組んだガリア・サース。特にガリア・サースは世界征服を目論んでいるというのはちょっと見過ごせないだろう。
「確かに、アーリィが異世界から来たというのと無関係とは考え難いな。何も知らないと言っているが、直接会って話を聞きたい所だな」
「そうよね! ただ、二人とも何処に居るのか分からないんだよねぇ」
中々上手いこと行かないものね。ま、こういうのは一つ判れば芋蔓式に情報が出てくるだろうから、最初の情報源を根気よく探すのが良いでしょ。
「……アーリィ」
「ん?」
「今後、何か探しに出かける必要があれば俺に声を掛けろ。俺がお前を守ってやる」
ん~! 胸がきゅぃーんと来たよ! ルシード君に満面の笑みを浮かべて飛びついた。
「嬉しいよルシード君! 一杯頼っちゃうだろうけど、宜しくね!」
「こ、こら、離れろ!」
「あ、いちいち呼びに行くのもアレだから、ルシード君、この家に住む? 空き部屋があるんだよ!」
「馬鹿! 俺は宿かギルドに居るから面倒がらずに呼びに来い……後、俺の呼び名はルシードで良い。君呼びは要らない」
「そっか。有難うね、ルシード」




