表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仮定のアーリィは今日も異世界の空を飛ぶ  作者: 田園風景
滅びた街フィーディング
106/167

第百六話 閑話:不要なお土産

「済まないが、君達の意見を聞きたい」

「は、はあ」


  私達が装備の確認をしていたところ、レン代表から今回の戦利品の一部に良く判らない物があり、異世界人である私やベクトの意見を参考として聞きたいとの事だ。

 まぁ、私としても高度に発達した科学の遺物がどんな物があるのか、ちょっと興味はある。

 ベクトは興味無さそうではあったが、協力はしてくれるらしい。

 という訳で、仮置きされている講堂へと移動だ。




「で、まずはこれだ」

「はぁ。イキナリ良く判らないのが来ましたね」


  見た目は、黒いプラスチック製の立方体だ。楽々と手のひらに乗るほど小さい。

 四方の面を確認するが、ボタンもコネクタも無いのだ。

 表面に書かれていたであろう文字は、長い年月のうちに消えてしまったのだろう。何も書いていない。


「……ベクト先生宜しく!」


  ベクトのスキルであれば判るだろう。便利だねぇ。


「まあ良いけど……これ、パソコンみたい。超小型PCだね」

「周辺機器とはワイヤレスで接続として……電源は?」

「電源もワイヤレス」

「でも、起動ボタンぐらいあると思うんだけど?」

「起動も多分ワイヤレス。おそらく当時は、外部から起動トリガーとなる信号を送れる機械があったんじゃないかな」


  成程……高度過ぎる機械は、当時の環境が無いと意味が無いという事だねぇ。


「という事は……これは使えない?」

「そです。高性能なゴミですね」


  レン代表に無情な判定を告げる。ま、バラして遊んでください。




「仕方ありません。では、次はこれです」

「これはまた……形状から理解できない物ですね」


  何と言えばいいのだろうか? 縁が沿った五百円玉? またもスイッチ等は見当たらない。


「……ベクト先生!」

「はいはい。ん~、レン代表、腕時計ありますか?」

「腕時計? これで良いかね?」


  レン代表が近くの戸棚から腕時計を取り出してベクトに渡す。


「これは、こうやって腕時計の底面に貼りつけて使うのだと思う」

「どんな機能なの?」

「針を撃ち出せるのと、紙片を収納できる」


  そ、それは……思いっきり趣味品だわ。


「良く判らないが、暗器か何かなのか?」

「いえ、レン代表。そんなんじゃないです。はい……」

「ちなみに、取り付ける位置の構造上、針は腕の横に撃てず、前方にしか撃てません。気を付けないと自分の手に針が刺さります。後、収納できる紙片は小さすぎてメモにも使えないの」

「またゴミか……」




  他にも、色々見せられたが、どれも使い物にならなかった。

 ボタン型爆弾……ボタンとして付けている時に衝撃を受けると爆発して自爆する。

 半永久ペン……書けないのでどうした事かとよく見てみると、掠れた文字で「専用のインクを取り付けてください」と書かれている。その専用のインクが無いので、結局書けない。

 パスワード管理手帳……多数のパスワードを一括管理できる手帳型タブレット。ただし、内容を見るためには何重ものパスワードの入力が必要で、この手帳のパスワードを管理する手帳が必要。


「よくもまあ、くだらない物ばかりでしたね。ベクト、ありがとね」

「心置きなく解体して、構造を参考とするよ」


  全部が全部、こんなんじゃなかったのは救いかな。

 けど、これがあのお土産の中に混ざっていた……きっと総司令の仕業なんでしょうね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ