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小学四年生の創造主たち  作者: なぎさ翔
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003目覚め

僕「さとみ..いや、レオは不安じゃないの??」


さとみは一度神妙な顔つきを示した。どこか*深く、覚悟の決まったような表情だった。普通の人がその顔つきを見れば皆が畏怖し、近づきがたいだろう。だが、長く一緒に過ごしているからなのか。それとも今の状況があまりに異常なせいなのか。日々の彼の表情の延長線上に位置する様に思えて、どこか納得のいくような、なぜか心の落ち着くような不思議な感情が刹那の間に僕の疑問と恐れを解消させた。


「う~ん...どうだろう。確かに心静まる。とは言えないけど。でも不安ではないかな?」レオ(=さとみ)は一転包み込むような優しい笑みを見せて言った。


「それよりも、なんだかさみしいところだね。この場所は」レオが言った。


「うん...さみしい」僕は少し戸惑いながら。しかし語尾をほんの少し強めに言った。実のところ僕はさみしいとは思っていなかった。それよりも眩しく、騒がしい様に感じていた。だが、僕が自分の感情に反した言葉を発したのは兄への敬愛によるものではなかった。そうではなくて、確かに自分の周りは全く白一辺倒で何もなかった。それが事実であった。だから自分の感情と実際の違いに戸惑いつつ、自分を抑える様に言ったのだ。


レオは何かを察したのだろう。少し不思議そうな顔をした。


僕にはそれが疑問に感じた。当たり前の事だが、他者が自分の気持ちを100%理解してくれるなんてわけがない。だから今回みたいに、齟齬が生じるのは当たり前だ。だがなぜかさとみ兄にはそれが無かった。どんな時も僕の気持ちを知っているように心のどこかで感じていた。だから僕は疑問を感じたのだ。


「なんだかのどか沸いたな」レオが言った。

「確かに...」僕ものどが渇いていた。僕たちは家で勉強を始めてからずっと飲み物を飲んでいなかったからだ。


「屋久島の縄文杉のある所って川の水をそのまま飲めるんだって!いつか行ってみたいなー」レオが楽しそうに言った。


「そうなの!?いいなぁ~まさに今欲しいやつだよな~」僕も微笑みながら言った。ちょっとした談話だが、僕はとてもうれしかった。そして僕もレオ、いやさとみ兄と行きたいなと心から思った。


「ねぇ、あれなんだろう?」レオがすごく驚いた様子で言った。

僕「あれって...川じゃない!?」


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