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婚活ならぬ、逃亡活動中です。

水土更新にとりあえずします。

 もちろんバットステータスなんて微塵もない。 気を失う前より良好なぐらいだった。


「ところでここどこよ? こんな深い森、あの留置所の近くにはなかったはずだけど?」


「それが魔女様が留置所すべて吹っ飛ばしたから、もうどさくさに紛れて魔王領までにげてきたんよ。 あのままじゃ、重犯罪人じゃすまないレベルだったしね?」


「容疑はいろいろあるけど、あそこまで大胆に留置所吹っ飛ばしての逃走劇はそりゃすごかったわね。 魔女様担いで逃げるのは結構骨が折れたんよ?

 畏敬の念を込めて、禁断の魔女様と呼ばせてもらおう!」


「それはやめて、なんか卑猥に聞こえて恥ずかしいわ!

 もうちょっと良いネーミングセンスないの?」


「うーん、じゃあ高原の魔女様?」


 一体どこに高原要素が……


「うーん、じゃあ、封印裁定の魔女メルフィってよばせてもらうわ!」


「封印裁定ってすごい重い罪を重ねた魔術使いの称号じゃない。いらないわよそんなの!?」


「えー、魔女様ネクロノミコン使いなんでしょ? 既に指定書出回ってるし、ほら」


「封印裁定。禁断の魔女メルフィ。ミザリーナ討伐賞金・1億オーラムですって!?」


 私はそのはずかしい上に人に見られるとまずい指定書をビリビリに破いた。


「封印裁定・魔術師として、EXクラスに到達し禁忌を破った変人の称号――!」


「冗談じゃないわ、私まだSランク魔女よ、それに禁忌破ったって言ってもネクロノミコンつかった以外なにもしてないのに――!」


「その禁書つかって、留置所一個更地に変えた時点でダメダメですよ、魔女様。

 いや誇っていいと思うんよね。 封印指定・禁断なんて、魔王の側近狙えるレベルの大物ぐらいしか持ってないんよね?

 普通に生きてたらまずお目にかかれない称号だわよ」


「そんなの冗談じゃない。 これから超弩級の指名手配犯並みの扱い受けることになるわよ。国家犯罪者レベルの大容疑者じゃないの?」


「私は勇者様とだって冒険したことがある大魔女なのよ。 あの大賢者の一番弟子なのよ。 こんな失態ってないわ!」


 私はうなだれるように、布団に潜ったこれは夢だ。


 ああ、師匠に合わせる顔がない、 魔術師仲間でライバルだった。 勇者パーティのロザリアにさえ勝ち取った一番弟子の称号がこれですべてパーね。よよよ――!


 私はいやなことは忘れてその日はそのまま寝てしまった。


「うーん、私は最強の魔女、ムニャムニャ」


 寝ぼけ眼をこすって目を覚ますと、地面がないというか、まだ寝てるのに中を浮いていた。 魔術的な効果ではなく、運ばれている。

 誘拐された――? いや待て寝袋にくるまってるのは変ね。


「おはようー」


「おはようございます、魔女様、朝弱いんですね。 もう昼ですよ。

 あまりにだらしないから担いで移動中ですよ」



「あれ、そういえばどこへ向かってるんだっけ? 私は町に戻って、幸せな生活を勇者様と共に送るはずだったのに――!」


そうなのである、私はSランクの魔女として勇者パーティに編入されて間もなかったのだ。

 

 公式には第一回目の大ボスである魔王の配下デスガイズを、勇者パーティとともに打ち破ってからドロップした禁書をつかって、一晩中賭けて読み解いていたところから留置所送りになったのだった。


 まあ、S級冒険者で英知の魔女・メルフィといえば私のことだった。


 それがこのざまである。 デスガイズを、ほぼ一方的に殴り殺せる力量が私にはあり、勇者パーティでも編成直後から一目置かれていた。 旅の期間は一ヶ月程度だったが、少しは打ち解けたと思っていたのに、なんてことなの!?


 留置所送り担ったとは言え、私にはまだ、魔王軍と戦える若き筆頭魔女としての立場もあり、すぐに釈放がねらえる立場だったのだ。

 もちろん勇者様の口添えがあればこそなのだけど、勇者様は私のこともよく認めてくれていた。


「あのー、そろそろ思い出に浸ってないで自分で歩いて下さないな。 寝てる間に魔女様の経歴を調べてみましたが、残念でしたね。


 もうすぐで、栄誉七賢人の仲間入りできたでしょうに? 輝かしい栄光の道もすべて吹き飛ばしましたね。


 まあ、あのままだと私に呪い殺されていたので、命に比べれば安い物さね。 アハハハハ――!」


 コイツ、心から笑ってるわね。 そんなに人が落ちぶれていくのが楽しいか、このあんちっくしょう――!


「もういい、こんなのイヤよ、アンタにすべての罪をなすりつけて殺すわ!?」


「よくよく考えてみればアンタしか目撃者いないわよね。 アンタにネクロミコンあげるから罪かぶってちょうだい!」


「いや、たかが盗賊風情にあんな魔力爆発起こせませんし…… いいかげんにあきらめてくださいな。 禁断の魔女様!? アハハハハ――! どう転んでも最有力容疑者さね」


 コイツ――! はあ、でももうどうしようもないかなあ、私も焼きが回ったものね。

 魔力調整をミスるなんて。 いくら禁書を使ったとは言え留置所ふきとばすのはやりすぎたわね。


「で、どこ行くつもりなのよ」


 スタスタ歩き続けるリディアについてふよふよと浮遊する」

 

 そりゃ決まってるでしょ。 魔女様――デスガイズ城ですよ?


「デスガイズを、ってアンタあそこは禁書実験の影響で危険地帯に――!

 アークデーモン(高位魔人)の群れがいるのよ


 それですよ魔女様、今の魔女様ならアークデーモンだろうが従えることができるんじゃないですか、調べによるともうあそこら辺一体は、王国騎士でも立ち入り不能だとか?

 隠れるにはうってつけじゃないですか?


 うーんでもアークデーモンは、数が多いと下手な魔王配下よりやっかいよ?

 従えるなんて凶器の沙汰だと思うけど?


 そこは禁断の魔女様におまかせでねー、禁書実験で危険地帯化してるなら、禁書使えば元にもどせるんじゃないん?

 それとも、禁書が扱えていないので?」


「アンタもうちょっとで死にそうだった割にしたたかね。 確かに地脈を押さえれば後話ネクロノミコンでアークデーモンは、支配下におけるわ。

 禁書の影響での魔道濃霧も、良い隠れ家になるわね。


でも孤独はいやよ、あんな所、人間の住む場所じゃないわ!

 ゴシック調建築の城と城下町に、所狭しとモンスターに亜人達が闊歩する最悪の地じゃない!」


「魔女様、人間としか付き合いありませんね。エルフなのに?」


「う、どうして分かるのよ!?」


 私は図星を指されて、戸惑った。

私は生まれてこの方、人間として生きてきたし、割と箱入りだった。


 エルフの友達と言えばロベリアがいたけど、基本的に亜人達とは深い交流を持っていなかったせいか、良いイメージがない。

 

 この女以外に切れ者かも知れない? 天才である私の思考を読むなんて。


月曜更新しなくてごめんなさい。


 ヴァルハラシンドローム、ペースアップ更新し始めて、ペースアップしすぎても伸びない上にストックが減っていくので心許ないし、どの話が評判いいのか分からないので結局こういうしました。週3はたぶん過剰。

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