手土産調達
――と決まったらまずはレンリに相談しにいこう。
鍛冶区画に入ると、鉄火場特有の鉄の焼ける臭いがただよってくる。
実はここにはいるの初めてなのよね。
先日の事件で少しよったけど、そこはノーカウントで。
ほら、鍛冶屋は女のはいるところじゃないとか言うでしょ?
まあ、そんなわけで近寄らないようにしてたわけよ。 単に私氏のお店がある中央区画からと遠いんだけどね。
と、なるべく目立たないように、レンリのお店まで来た。
繁盛してるとは言い難い、ドワーフのお店も数件あるけど、現状の魔導女王都市メルヴィスには、武器や防具よりもまず衣食住に、支払うお金でカツカツのな状態といえた。
経済状態を考えれば、魔剣鍛冶士レンリの名前につられて、外来都市より訪れる出稼ぎ組にしか、需要がないのだろう?
だが、店には先客がいた、リディアである。
彼は真剣に店にあるナイフやら暗器とにらめっこしている。
よほどロベリアに裏をかかれたのが頭にきたのか、その顔は真剣そのもので、目にはいつもはない気迫に満ちている。
近寄りがたい…… ので、気づかれないように奥へと向かう。
店の奥にはレンリが必死に、刀を打っていた、感じ取れる気迫は、リディアとは違う意味で真剣そのもの、伝う汗が、と熱気で、見慣れない作業でしばらくの間見とれていた。
「お、なんだ、アンタか? 見学か? こんなところまで来るとは珍しいな?」
作業中なのか、手をやめることなく、声だけでこちらに注意を払ってくる。
さてどうした物か?
「ちょっと相談があってね。 頼みたいことがあるのよ」
「話を聞くからちょっと待ってな。 一区切り済ますからよ」
そう言って彼は鋼を打ち続ける。 しばらくして、作業を台を後にした彼が、来客用のカウンターへと、促してくるので、そちらに移動する。
「で、お前さんが、俺に用事とは珍しいな。 色々影でやってるのは気づいちゃいたが、とうとうこちらにもお鉢が回ってきたか?」
「いや、今回の要件はそう言うのじゃなくって、もっと個人的なこと。
アンタももう無関係じゃないから話しておくわ、打倒勇者PTの切り札が欲しくてね」
勇者PTの名前が出たことで、レンリの相貌が鋭くなる。
「実は疑問に思ってたんだが、アンタと勇者PTには何の因縁があるんだ? 奴らの狙いは間違いなくアンタだった。
おかしくねえかい、ただの薬屋風情が、勇者PTに狙われるなんてな。よほど過去にやらかしたのか? アンタの店には度々顔出しちゃいるが狙われる物なんて作ってねえな。
そこは俺も確認した」
「それはそれよ、まあやらかしたことは認めるけど、私だって、理由がはっきりわかってるわけじゃないのよ。 ただ、相手は私を殺す気だったってことは確かね」
レンリの眉がピクッと上がる。てっきりリディアからことの詳細を聞いていたと思ったんだけど、情報を出し過ぎただろうか?
てっきり知ってると思ってた。
「それは普通じゃねえな、勇者PTに命狙われるたあ、アンタ一体何者なんだ?」
え、私って結構有名人なはずなのに正体に気づいてない!? とか思いながら、
「私はメルフィ、ただの薬屋よ!」
とやや白々しい作り笑いでニコリと言い放った。
やや、冷めた視線を返してくるレンリはだけども、
やれやれ、とため息をつきながら……
「アンタには借りがあるからな、俺が倒すまで死んでもらっちゃ困るんだよ」
とつぶやいた。
そんな借りさっさと忘れればいいのに、と思った私は強引に本題へと話題を変える。
「ところで、魔剣を一本ほしいんだけど、貴方の故郷の東方風のヤツ、一つくれない?」
と、上目遣いで、いってみると、レンリは後ずさって、目を逸らした。
「ああ、いいぜ、わかったから、その目はやめろ!」
いつもエステルにからかわれてるのはこういうところなんだろうなあとか思った。
最近、ビューも伸びなくて、ちょっとスランプ気味です。
やっぱり反応ないと、活動的に離れない。 気晴らしに絵を描く時間が伸びたかな?
メルフィ2章は半分ぐらいかけたので、途切れずに更新は続けられそうかな?
ってことで、これからヴァルハラ3章をかいていこうかと?




