プロローグ
そろそろ、投下しないと次の大賞応募に間に合わないので、ちょっと急な投下。 作品自体は未完成部分あります。
魔女・メルフィ・ミザリーナを、異端審問に処します!
罪状――
魔女メルフィは、エルフであることを隠し、
人間の女性を装ってSランク冒険者として名を馳せていましたが、
このたび禁書に手を出したあげくに古代のアンデット召喚の罪で、冒険者ギルドを除名。 島流しになることが決定しました。
震える手で通知勧告書を、見つめる私は魔女メルフィ・ミザリーナこと、メルフィだ。
最近までS級の冒険者として、魔王討伐戦に参加し、勇者パーティとも一緒に戦ったことのある歴戦の魔女だった。
だけれども、自身の魔力を高める修行と称して知識欲に負け、禁書に手を出した。
あげくに、孤独を紛らわすために魂の創造に失敗してしまい、あろうことか魔王の配下でも高位の、アーク・デーモンを数十匹召喚してしまいました。
召喚に魔力を使い切って消耗していた私は、結局実験室として利用していた工房ーー
七大魔王の一人だったデスガイズの居城を再び混沌に染め上げてしまい。
捕らえられそうなところを命からがらと逃げ延び、魔王領より人間領に落ち延びたのだった。
その際にエルフであることを隠していたことも暴露し、邪悪な実験を行っていたと言うことで異端審問にかけられることとなった。
魂の創造は、生命の創造に等しく神の所業だ、加えて禁書の乱用により、重罪は免れない。
通知勧告書には島流しと書かれている上に、すべての高位魔力素材および工房の接収と、財産の没収、私のやらかしたことは思いのほかおもかったらしい?
死刑にならなかっただけでもよしとしなくてはならないが、この先どうやって行けばいいのか。よよよ……
魔力を封じる重い枷をはめられて、私は牢獄へと投獄され。
数日後にはすべての財産を募集されて島流しだ。
人間に変装してしていたのもすべて解除されたことで、
エルフになってしまった。
目が大きく、アメジストの色の瞳は宝石助ような輝きで、元々エルフとしての整った容姿を際立たせる。
スレンダーな身体は、エルフとしては標準的な程度かもしれない?
なりより目を引くのはいにしえの妖精ーーエンシェントエルフ特有の、長い銀髪だった。
エルフにも銀髪のものもいるため希少種であることは、見た目からでは判別つかないが、やはり目立つ。
牢獄においても人目を引くらしく魔力を封じる手架せをはめられた状態では嫉妬と羨望の対象になりやすい。
女性専用の牢獄だったことが唯一の救いだった。
このままではどうあっても島流しだが、枷のはめられている今の私にはどうすることもできない。 肉体的には脆弱なただのエルフの少女なのだった。
力業で牢獄から抜け出すこともできなければ、頭や器用さを使った脱獄テクニックなどあるはずもない。 魔女として振る舞っていた私にはそれ以外の長所もない。
ただ、おとなしく島流しにされるのを待つだけだった。
「おわった。 順調だった人生がすべて終わっちゃった……」
思い出されるのはイケメンの勇者やその仲間達と過ごした楽しい思い出、魔王の配下との激戦――つらくとも、誇らしい武勇の数々だが、それはすべてが水疱へと帰してしまった。
最後の希望としては勇者自らの要望による恩赦による釈放だったが、容貌もほぼ変わってしまっていて、勇者様は私を英知の魔女メルフィだと認識できるだろうか?
こんなことなら、勇者に告白の一つや二つしておくんだったなあ……
ーー等と思いつつ。思い出の走馬灯に浸っていると。
「そこの綺麗なお嬢さん、銀髪のエルフなんて珍しいね。 ね、なにやらかしたのよ」
拘留中と思わしき、女性が話しかけてくる。留置所に拘留されているというのに、妙に元気そうだ。
ヘイゼルブラウンの髪と瞳を持つ、人間の女性だった。目立つのは180はあろうかという長身、ほかに目立った点はなく、女性としては屈強な程度だった。
容姿においても、普通クラスだろう。
「別に、ただ、魔王の配下生き返らせちゃっただけよ、間違っただけなのよ。好奇心が勝手に反応したの、私は悪くない!」
何度も裁判所でした台詞を口にする。 だが、その口調には覇気はなく、瞳には滴が貯まっている。
どうせこんな囚人まがいの女性に、真面目に対応したところで、私の刑は覆らないし、
言ってて悲しくなった。
「私なんかに話しても、意味ないって顔ね。実はそんなこともないんだよね? 私凄腕盗賊リディア様よ。 これでも大盗賊のクラスについてるのよね」
ピクッと現金な私のエルフ耳が反応する。 顔は相変わらず興味なそうに装ってはいる物の、期待感が湧き上がってくるのを止められない。
「大盗賊のクラスを持つ物がこんなショボい留置所にいれられるわけないわよね? 嘘は良くないなあ? もっと全身がんじがらめで、監獄塔に幽閉されるのが落ちよ」
ただ正論を口にする。 期待してしまっているのを悟られないように努めて冷静に対処。
「それがね、裏稼業の冒険者なの、ギルドにも所属してないんだなあ。
大盗賊クラスとしての仕事したことがないから、周りからはただのこそ泥だと思われてるのよ。 こんな薄暗い留置所からだしてあげてもいいわよ?」
再びエルフ耳がピクリと動く。
この女性の言うことを信じれば、ここから出られるかもしれないという期待感。
かなり胡散臭い話だけど、おいしい話には希望的観測という物が付きまとう物で、膨れ上がっていく期待感は止まることを知らなかった。
素直に勇者様からの恩赦を待つべきところなのだけれど、このまま島流しという最悪の展開が頭をよぎる。 謎の女性のはなしに興味津々になっていく。
アーススターさんに応募しようと思って、スローライフ系部門と女性主人公部門があることからその辺を狙おうかと思って書いたのですが…… スローライフ系果たして私に完遂できるでしょうか?
未だ未完の、ため都合により設定等変わる可能性があります。
話の流れも大体は未定で、結構実験作品です。 バトル要素が強いかとは思います。どうかご容赦を。
今から投下じゃ間に合わない気もするので、まあ、その場合は都合つくところの賞に変えます。ごめんさい。