08. Place: パーティ会場 〜回想②〜
Time: 宵
僕の時間が初めて止まったのは、つまりは彼女が初めて時を止めたのは婚約してすぐの頃。
僕はすでに修行に取り組んでいたため、側にいなかった。
彼女が魔術学院に入った頃、時が止まる回数が増えた。それでも数秒で、多くて月一程度だった。
そして家の公務などで外に出る機会が増えていき、それに比例して数秒が数十秒、数十秒が分、分から時間へとその長さはどんどんと伸びていった。
彼女が社交界デビューを果たしてからは頻繁かつ定期的に起きるようになり、短くてもアワー単位はザラ。そして1日に何度も起きるようになった。
そう、巷では『氷の女王』、『自他ともに厳しい孤高のお人』なんて言われているが、実際の彼女は素直で、貴族らしい言い回しや態度が苦手なだけなのだ。
しかし社交界は甘くない。言動の端々から知性と品性を漂わせ、巧みな話術を用い、探り合いやマウントの取り合い、情報収集を行わねばならない。
それに対する策が時間を止める、つまりタイムを取るという方法だったわけだ。
作戦会議以外にも、休憩の時間や、睡眠時間の確保など、そんな感じに時間を止めることも多くあったのだろう。
僕は大人びてる問題を除いて、人より多く1日を使えることが利でしかなかったためあまり気にせず今まで過ごしてきていた。
いや、なぜ気づかなかった!彼女の魔力は時間に干渉できると知っていたのに!
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「(この状況でこんなことを思うのもあれだが、時が止まっていてよかった)」
今のオリビアは氷の女王(笑)
「(ありえないとわかっているけれど、バレないか心配になる)」
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まだまだ回想続きます。