05. Place: 馬車
Time: 薄暮 (twilight)
パーティー会場を目指す馬車の中、
僕は思い出に浸っていた。
彼女と初めて出会ったのは4歳の時。
父に「この子がお前の婚約者だ、大切にしなさい」なんて言われて紹介されたのは、天使みたいな女の子だった。
彼女の実家のホーラー侯爵家と、僕の家、ベイリー伯爵家は古くから縁があった。
そして当代の当主、オリビアの父と、僕の父は魔術学院の同級生でそれはそれは仲が良く、僕らの婚約を僕たちが生まれる前にすでに約束していたらしい。
同じ性別だったらどうしたんだ。
僕はひと目見た時から彼女のことが大好きだった。彼女と会うたびに、かっこいいと思われたくて、自分のことを好きになって欲しくて必死だった。
そんな僕を見ていつもふわふわと笑う彼女を僕はますます好きになっていった。
しかしある日、侯爵家でちょっとした事件が起こり、その後すぐに彼女の魔術学院入学が決まってしまった。
そして僕も、家がこの国に2つある騎士団のトップを務める家系ということで、伝統に従い修行を開始することになった。
そのため彼女になかなか会えなくなってしまった。
今思えば、その頃からだろう、自分以外の時が止まるようになったのは........
「エドワード様、....エドワード様、もうすぐ会場に到着するそうです」
彼女の声で現実に引き戻される。
....やはり少し浮かれていたのだろう。
魔術学院に入るまで、僕が彼女をエスコートすることはほとんどなかった。
今までの彼女を見ることができなかったのはとても残念だか、今、独占できているから良しとしよう。
そんなことを考えているうちに会場の屋敷に到着した。
「エドワード様、参りましょう」
「ああ」
.....パーティー、それは煌びやかなドレスに包まれた令嬢たちによる火花散る戦場...
しかし同時に、男たちにとっても油断ならない、仁義なき戦場であるのだ.....
(※エドワードの主観です)
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「(エドワード様静かだわ、緊張してらっしゃるのかしら、今日はできる限りそばにいて、緊張を緩めて差し上げる必要がありますわね、)」
なんて張り切っているオリビアのおかげで今日もエドワードは試練に見舞われるわけなのだが、彼はまだ知らない......
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名前について、
エドワード・ベイリー
エドワードは守護者とかの意味
ベイリーは王家の建物や家の番人をしてた人や街で王家の役人として働いていた人につけられたそうで、守るというコンセプトに合っているということでこの名前にしました。
オリビア・ホーラー
オリビアはなんとなく
ホーラーは、ラテン語で時間という意味を持つhoraからつけました。
騎士団について、
エドワードの家は二つある騎士団のうちの一つのトップを代々つとめる家系という意味です。今後それぞれストーリーに出る予定です。
わかりづらい文章ですみません。
ちょっとした事件について
あくまでちょっとしたということなのであまり深刻な話ではありません。
今後出てくる機会があります。