35. Place: 渡り廊下 襲来、2人目④
Time: 昼休み
僕の想定するオリビアの死へのパターンの一つ、敵国皇子ルート。
今現在シュラハト帝国はレンヴル王国にとって敵国ではないが、敵国になりうる危険性と可能性がダブルSなので、敵国ということにする。
敵国皇子ルート、仮にパターンT.Oとする。
このパターンT.Oは僕の想定する最悪な結末の中でも最も回避するべき、最も最悪なパターンなのだ。
シュラハト帝国。
大陸の中で最も戦争が盛んな国。
近隣諸国に対して現在は落ち着きをみせているようだが、常に隙を伺っている。
以前は戦ばかりの国ではなかった。しかしこの国には侵略こそが是と信じて疑わない者たちが多くいた。
そのためクーデターを起こし、平和主義的だった前王家を滅ぼし新たな王となったのだろう。
この、侵略戦争が趣味のような国で戦乙女は他国とは別の役割を担っている。
シュラハト帝国の戦乙女は戦場へ赴き前線で力を使う。魔獣と戦う騎士ではなく兵士となるのだ。
このように戦争に戦乙女を利用する国があるため、国同士の優劣、戦争の勝敗には各国の戦乙女の質、能力、人数が大きく関わっている。
つまり戦乙女は戦争の抑止力にもなるのだ。
我が国では有事の際以外で戦乙女が戦場に出ることはない。
1番最近で戦場に出たのは10年前、現王妃1人のみで、帝国が放った約3万にものぼるモンスターを一瞬で殲滅し、戦意を喪失させ軍の衝突を防いだのは有名な話である。
現王妃は今も現役で、戦闘時、白金の髪が魔獣の血で赤く染まるほどの戦いぶりから他国ではブラッディクイーンと呼ばれ恐れられている。
そんな圧倒的な力も、オリビアの能力の前では意味をなさない。
彼女に自国軍以外の時を止めさせ、他国から見たら一瞬で勝敗を決めるようなことが事実上可能なのだ。
帝国にこの能力が知られれば、政略結婚でもなんでもとにかくなんとしてでも国に取り込もうとする。
最悪犯罪に手を染めたり、拐ってでも手に入れようとしてくるだろう。
そして侵略戦争に戦乙女として利用される。
つまり僕と彼女は結婚できず、彼女は死ぬまで戦うことになるのだ。
時を止めない者を選択し、それ以外の者を止める魔法の方が消耗が激しい。それが国の軍隊レベルだと命を削って魔法を使うことになる。
彼女の能力をいいことに、争いを続け、魔法を頻繁に使わせたら間違いなく若くして命を落とす。
もしこのパターンが現実のものとなれば彼女の未来はDeath or Die だ。
確定だろう、相手は6歳にしてクーデターをやってのけた男なのだから。
帝国の乗っ取りでもしない限り回避はできないだろう。
乗っ取りといえば、このパターンではレンヴル王国は乗っ取られ帝国の支配下に置かれる。
オリビアの能力を使い、帝国でのクーデターと同じ方法で王城を落とすのだろう。
戦ばかりで資源のない帝国の1番の狙いは大陸で1番豊かな我が国だ。
そして確実にミカエルを殺すだろう。
その後他の近隣諸国も同じ方法で支配下に置き、征服が完了となる。
僕はなんとしてもこの結末を回避したい。
オリビア、国、そしてミカエル。
守ってみせるんだ。
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察したお2人
「(もしかしてルミエル王子ルートは王子、でパターンO.G?)」
「(でしたらリヒター皇子ルートは敵国皇子、でパターンT.O?)」
「(なんというか絶妙?独特?だな。)」
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ルミエルの母ちゃんは現役バリバリ、超武闘派王妃様です。もちろん家庭内ヒエラルキーの頂点に君臨しています。名前はまたの機会に。
そしてリヒターはクーデターだけには収まらず、一年後にレンヴル王国に手を出しています。
この時は兵を増やす時間稼ぎのためにモンスターを増やしまくって送ったのですがまさかの一瞬で殲滅されてしまったので、その時は諦めたという形です。
この国はというか現王たちはモンスターをとある力により道具として使えます。
この設定は覚えておいてください。




