32. Place: 渡り廊下 襲来、2人目
Time: 昼休み
「俺はシュラハト帝国第一皇子、リヒター・ハルベール、よろしく頼む。」
非常に失礼だと思うが、すごく嫌な感じがする、が第一印象。
第一皇子は魔術科Aに転入して来た。
僕とミカエルは騎士科、ヒルデは特別学科ソレイユ、科によって授業棟が異なるので昼休みの今が初顔合わせとなった。
ちなみに僕は今1人だ。
「私はエドワード・ベイリー。リヒター様の案内役を務めさせていただきます。」
「敬語などいらん。外せ。」
「善処いたします。」
「なるほどお前がエドワードか。先程魔術科で気に入った者がいてな。俺の女にしてやろうと言ったら婚約者がいると断られてな。」
ふざけ倒してんのかおのれはっ!
喉まで出かかった言葉を飲み込む。
相手は仮にも一国の皇子、下手な争いは国際問題に発展する。
最悪だ、オリビアと同じ科だなんて。
「そうでしたか、その者はさぞ驚かれたのでしょうね。」
「まあ俺は皇子だ。俺に落ちるのも時間の問題と言えよう。」
「.....お言葉ですが、彼女にはすでに婚約者がおります。いくら皇子とはいえ他人のしかも他国の婚約者に手を出すのはいかがなことかと。それに、あなたでは勝てない。」
「....ほう、言うじゃないか。おもしろい。」
火花を散らす。目を逸らしてはいけない。
「おーいエドワード!探したん、ッ!?!」
瞬間、ペンダントが熱を帯び、頭の中に音が響く。
これは警報音。緊急事態の間図だ。
オリビアも反応したようで世界が止まった。
僕はうずくまるミカエルに駆け寄った。
すぐにオリビアとヒルデも駆けつける。
このペンダントにはお互いの居場所が分かる機能もあるらしい。
「ミカエルっ!ミカエル!どうした!!」
警報音を鳴らしたのは間違いなくミカエルだ。
「すまん、少し取り乱した。...間違いない。
あいつはあの時の....。」
「すごい汗だ!オリビア、タオルと毛布、それから水を持って来てくれ!わたしも手伝う!」
「分かりましたわっ!」
「おいしっかりしろ!ミカエル!ミカエルっ!!」
ミカエルの顔は青白くなっていた。
初めて会ったあの時と同じだった。
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その頃のヒルデ
「せんせーーーいっ!!って扉が開かない!ああそうだ時間とまってるのか!」
「盲点だった...。一回合流しないと毛布とタオルの場所がここ以外思いつかない、オリビアーーーー!」
走り回ってます。
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シュラハトはドイツ語で戦です。
リヒターはドイツ語で横暴の意味の
Herrschsüchtig
読み方は謎なんですが、なんとなくそんな感じに出来なくもないということで、無理矢理ですがこれが由来です。
ハルベールはフランス語で野蛮なという意味のbarbare (バルバール)から名付けました。
最初はハルバールだったんですけどなんか遥々みたいになっちゃうので辞めました。
魔術科は魔術科Aと、普通の魔術科の2つがあります。魔術科Aは幼稚舎からの人がほとんどで魔力が多く優れた人材が集まっています。ルミエルも魔術科Aです。
その他には普通科も存在します。普通科と言っても文官を目指すエリートコースです。




