01. Place: 渡り廊下
Time:昼休み
最後修正しました
「ご機嫌ようエドワード様....先程お倒れになっていらっしゃいましたがお体は大丈夫ですか?」
長い長いシンキングタイムを終えて彼女が駆け寄ってきた。
.....見てたのか。
「ちょっとつまずいてしまったんだ、考えことをしていてね」
「??そうでしたの」
なんだか納得してないようだがここはスルーだ。とても心配そうにこちらを見ている姿に自然と頬が緩んだ。
切り替えるために周囲に目をやると、かなり注目を集めていたようだ。無理もない。
彼女はそれはそれは魅力的な女性なのだから。
緩いウェーブがかかった美しいシルバーの髪、長い睫毛に縁取られた、夜明けの空の色のような、オレンジと水色が溶け合った美しい瞳。抜けるような白い肌にピンクの頬、まるで冬の妖精のようだ。身長は僕より低いが、女性では高い部類に入るだろう。
美醜に疎いと言われる僕でも彼女は特別美しく見える。
「ふふっ、ですがやはり心配ですので先生に診てもらいましょう、わたくしもご一緒しますわ」
彼女の控えめな笑い方がとても好きだ。この優しい微笑みが僕のためだと思うとまた頬が緩んでくる。しあわせだなあ.....
あー時よ止まれ
「エドワード様??聞いてらっしゃいますか?」
「え、ああ、すまない、どこに行くんだ?」
「保健室ですよ、ふふっ、おかしな人ですね」
少し困ったように笑う彼女はとても美しかった。
彼女は気づいていないかもしれないが、僕といる時は雰囲気が柔らかい。普段の彼女のイメージとのギャップがあるのだろう、今もすぐ側を通った令嬢が彼女の微笑みにやられていた。
その令嬢にも保健室へ行くかと彼女が訪ねていたが、丁重にお断りされていたので2人きりの状況は守られたようだ。
「では、行きましょうか」
そう言って歩き出した彼女を追って僕も歩き出した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
その後の渡り廊下
「み、見ました?!オリビア様の微笑み!!激レアですわ!!100億カラットですわ!!」
「落ち着きなさい会員No.201、.....オリビア様の微笑みはね....エドワード様の近くに行けば見られる確率が格段にあがりますのよ!!」
「かっ、会長ぉ〜〜!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
何回美しいって言うんだろうか。
エドワードはオリビアのことが大好きです。
オリビアファンクラブは会員数1000人を超えます。
彼女たちの中ではエドワードは名誉会員です。