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曇りのち、赤い空。

作者: 海野音
掲載日:2020/05/11

あそこに見えるのは、大きな煙突ですか?

眠気覚ましに消しゴムで擦れ擦れ、磨りガラス。

曇りが晴れなきゃ遠くは見えない。

霞が晴れなきゃ近くも見えない。

あなたも同じ、そこにはない彼方へ。

疑問符でぎゅうぎゅう詰めの憩いの場、どっか行け!

1人1個の慰めの台詞をぶら下げて、長い廊下歩かされる。

わたしも同じ、ここにはない安らぎへ。

訂正文で大渋滞の言い逃れの場、どっか行け!

1人1個の癒しの言葉を隠し持ち、遥かな明日へ歩かされる。

晴れない、割れない、磨りガラス。

こんな場所じゃ、今日もあなたは見つからない。

おっかなビックリ、大きな煙突にぶら下げて。

おっかなビックリ、わたしは大きな煙突から煙になって、生きた証を知らせましょう。

会いたかったけど会えないあなたに、恋の証を!

別れたくないけど別れるあなたに、愛の証を!

こんな部屋でも、薄明かりの希望は届くでしょう。

知らないけど知られたくないあなたに、生き延びた証を!

見えないけど見られたくないあなたに、憎しみの証を!

抱えた未完成の墓標をくべて、重い亡霊解き放て。

折り重なった夜明けと日暮れに添い寝して、初めてわたしは夢を見る。

見えない夢、磨りガラスの窓の向こう。

見せない夢、憤りの残留が瞳に孤独を見せつける。

気が遠くなるような眠気覚ましの途中。

見晴らしが良くなるなら、煙突のてっぺんへ。

なにもかも許せるなら、煙突のてっぺんへ。

爪痕残る磨りガラス、遠くへ飛んでいけ。

傷痕残す磨りガラス、遠くへ遠くへ飛んでいけ!

曇り空粉々になったなら、煙はどこかに消えていく。

あなたの晴れた瞳は、折り重なった赤い空を映してる。

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