ゴブリンレベル5メルヘルの野望
レベル4のゴブリンに私は助けれられてしまった。
「じゃあ、本気で演奏するよ」
私達三人は楽器をそれぞれ持って、気合いを入れて演奏した。
するとベヒーモスは「がーーーー」とうめき、それはゴブリン達が私達の演奏を聴いて、苦しむ仕草に似ていた。
もしかしたらベヒーモスは何か邪悪な何かに操られてしまっているのかもしれない。
演奏を続けてベヒーモスは霧のように霧散して、それが収束して、心音のキーボードに宿った。
「心音のキーボードに宿ったけれど、いったい何が起こったと言うの?」
私が効くと心音は「私のキーボード兼炎の杖に宿ったみたい。どうやらこの炎の杖は召還獣ベヒーモスを召還出来るようになったみたい」
「すごいじゃない。ベヒーモスが私達の味方となってくれれば、百人力じゃない」
「あたしはまた面倒事しか増えた気がしないわ」
そこでオルガメッシュ王は、「未熟な召還士が自分よりも精神の強いベヒーモスを召還したら襲ってくる事は分かっていたことなのか?」と召還士を叱責しているオルガメッシュ王。
「申し訳ございません。私がまだ、未熟だとは知らなかったもので」
「愚か者め、我の命令なしに召還獣を出すなと言ったであろう」
「誠に申し訳ありません」
「住民達よ、すまなかった。それとここに来たゴブリン達は我々の味方となった」
「住民達は、ゴブリン達を見ておびえている」
先ほど助けてくれたレベル4のゴブリンが「我々ゴブリンはこの勇者達の演奏で心が開放的になった。我々ゴブリンは人間達に危害を加えるつもりはない」
住民達はゴブリンの姿を見て狼狽えている。
そこでオルガメッシュ王は「このゴブリンの言うとおりだ。これからはゴブリン達と我々住民達が和解し平和を目指していく」
住民達は言う。「王の言っていることは本当なのか?」「私はゴブリンに子供を殺されている」「どうしてゴブリン達と我々が共存しなければならないのだ」等々。
そこで私達の出番だと思って、私と心音と明は三人で演奏した。
私達が演奏すると、住民の人達は私達の歌に魅了されて、憎しむ心が解けていく感じがした。
「何だ?この心の底からわき起こる音楽は?」「とても心が安定してくる」「そうよ憎しみからは憎しみしか生まないわ」
住民達は私達が奏でる音楽に魅了されて、心が穏やかになってくる。
****** ******
そして一ヶ月が過ぎ、町は人間達とゴブリン達と共存していった。
町を来賓が招かれる部屋の外を見ると、住民の中にゴブリン達が何人かちらほらといる。
ゴブリン達と私達人間はあの店で共存するだけでなく、町の中でも共存していった。
そして私達が立つステージはさらにでかくなり、町の中央広場で演奏することになった。
演奏は毎日行われている。
ゴブリン達はまたゴブリンを呼び、私達の演奏を聴いて、心が浄化されるようになり、どんどん改心したゴブリン達が増えていった。
でも私達はレベル5のゴブリン達にまだ出会ったことがない。
そのレベル5のゴブリン達も、その頂点に立つクラウザーも私達の演奏を聴いてくれれば良いと思っている。
私達は毎日、この中央広場で演奏を続けている。
住民達とゴブリン達は集まり、私達は演奏を続ける。
曲は四曲ぐらいで終わり、「また明日あおう」と言って私と心音と明はステージを後にする。
心音が大きなため息をつく「後三ヶ月か、この三ヶ月振り返るとアッと言う間だね。本当にゴブリン達と人間達が和解してくれると良いんだけど」
「あら、心音さん一ヶ月前とは違う発言をしているね。いったいどういう風の吹き回しだい」
「別にやましいことがあってそんな事を言っているわけじゃないんだから別に良いでしょ」
「ゴブリン達も人間達ももっと仲良くなって欲しいわね」
明がぴょんと飛び跳ねて「こんな事、私達がすむ世界では味わえないことだよ。いっそのこと、ここで一生を暮らす!?」
「冗談じゃないわよ明、毎日毎日お風呂では混浴で、嫌な思いをしているでしょ」
「そんなの私達に声援を送ってくれるゴブリン達や住民の人々が喜んでくれることを思うと何とも思わないけれどな」
「あたしは思うんだよ明」
コンサートの帰り道、私達は馬の馬車に乗って城へと戻っていった。
オルガメッシュ王が私達や住民やゴブリン達を救うために、地下にもうけられている所を改装して演奏の場を作ってくれた。
明の言うとおり私達の世界では私達の演奏を聴いてくれる人はあまりいないが、この世界では私達の演奏を聴いてくれる人がたくさんいる。
本当にこのまま帰らないでここにいたらどうだろうと私は本気で思ってしまう。
でもデリケートな心音にはお風呂が男女共用と言うだけで嫌がっているけれど、まあ、私も男の前で裸になることは少し抵抗がある。
それとゴブリン達はこちら側にこれるけれども、私達住民は西側地区のゴブリン達の世界に行くことは出来ない。
私達も同じようにゴブリン達の世界へと行って演奏して行けば、もっと和睦が深まるかもしれない。
明日、ゴブリンに西側地区のゴブリン達の住む所へ案内してもらおうと思った。
そして私達が乗る馬車は城の中に入り、早速来賓用の部屋で心音と明に相談した。
「ねえ、心音、ゴブリン達の世界に行くのはどうかなあ?と思っているんだけれども」
「はあ?またあんたのやっかい事に振り回されなきゃいけないの?」
「そんな顔をしないでよ、とにかく私達の演奏はこの世界で一番なのだから、明はどう思う」
「僕は盟ちゃんが思うことならどこへでも」
そこで心音が「あんたの無茶ぶりには、毎度感心させられるよ。分かったわ。あしたゴブリンに聞いて、西側地区に入れるか聞いてみよう」
私達の夕食はいつも豪勢だった。
私達の世界とこちら側の異世界も同じような物を食べている。
今日の献立はステーキだった。
本当にこの世界はとても私達にとってすごい所だ。
私達は来賓と扱われて、幸せを感じている。
お腹もいっぱいになったところで少し運動がてら、私達スリーピースバンドの練習に入った。
私達の演奏も捨てたものじゃない。
これならもしかしたら、私達の世界でも通じるんじゃないかと自画自賛してしまう。
でも私達の世界はそんな歌で世界が変わるほどの驚きはない。
そして次の日、私達は道行くゴブリンに西側ルートのゴブリン族が住む町へと案内してもらおうと言った。
すると道行くゴブリンは「俺達はもう西側のゴブリン達が住む町には帰りたくない」と言っていた。
「どうして?」と私が聞くと、「悪い事は言わない、とにかくあそこにだけは二度と帰りたくない。あそこに帰ると、また心が邪心に染められてしまうから」だと言う。
「あなた達はいったい何者なの?どうしてゴブリンと人間が争わなくてはいけないの?」
「俺達はとある異世界から召還されし者、クラウザー様、いやクラウザーは我々を召還して、そして邪心な心を植え付けれる」
「召還されるまではいったいどこに何をしているの?」
「それは分からない、クラウザーに召還された時、記憶を全部消されてしまうのだ。そして俺達はクラウザーの野望につきあわされてしまうのだ」
「なんてひどいことを」
「だからあんた達、西側に行くのはやめておいた方が良い」
クラウザーに召還され、ゴブリン達はクラウザーの野望につきあわされると言った。
クラウザーの狙いは何なのか?
少なくとも我々人間に対して、危害を加えて殺そうとしているのは確かだ。
そんな時である、「ゴブリン達が攻めてきたぞ」「でも大丈夫だ我々には女勇者達様がついている」
またゴブリン達が攻めてきたのか?
私達や兵士は平和に暮らすゴブリン達と、人間達を守らなくてはいけない。
それにこちらにはレベル4のゴブリン達も加勢してくれる。
私達は「戦える者は私に続いて」と言う。
戦えるゴブリン達と人間の兵士達は、町の門の前で待ちかまえているゴブリン達の元へと行った。
するとゴブリンの一人が、「あれはレベル5のゴブリンのメルヘルだ」
レベル4のゴブリン達は言う「勇者殿、今度の相手は一筋縄では行けません」
「いかにも、私はメルヘル、クラウザー様を裏切り人間どもに寝返ったゴブリン達を抹殺しに来たのだ」
メルヘルと言う奴はとんでもないことを言う。
そこで女亭主の妖精がレベル5のゴブリン相手に力ではかなわない、でも歌なら。
私達が演奏しようとすると、メルヘルは「そこの女勇者よ、どのようにして我々ゴブリン達を洗脳したかは知らぬが私にそのような攻撃など効かないと知れ」
するとメルヘルは飛び上がり、私めがけて、剣を振りかざしてきた。
私はそれをエクスカリバーで受け止めて、とりあえず、私とメルヘルは一対一で対決することになった。
私はレベル4のゴブリン達を相手にしてきたが、これはさすがにやばいかも。
それに私が戦っている間は演奏は出来ない。
「安心しろ女勇者、私はお前と一対一で戦って見たかったのだ。ほかの者には手を出させぬ」
いつものマイスターの剣術を習っている効果があり、私はレベル5のゴブリンに対等に戦える力は備わっていた。
「なかなかやるな」
「私は負けるわけには行かないんだ」
と叫び、そこで心音がベヒーモスを召還しようとしたところ、「心音、よけいな事はするな、これは私達の戦いだ」と言っておいて、私とメルヘルの戦いに邪魔は入らなくなっていた。
さすがはレベル5のゴブリンだ。レベル4のゴブリン達とはけた違いに強い。
「私達ゴブリンをたぶらかして、貴様達は何を考えているのだ!?」
「たぶらかしてなんていない。私はゴブリン達と人間達が一つになれるように、自らの剣を楽器に変え、演奏してゴブリン達をクラウザーに邪心を植え付けられた心を解放してあげているだけだ」
メルヘルはゴブリンなのに角や牙は生えている物の、人間の美男子な顔をしている。
「ほう、その演奏とやらを我らに聴かせて貰おうではないか!」
メルヘルはいったん離れて、私達の演奏を聴いてみたいと言っている。
このメルヘルと言う男は、他のゴブリン達とは違い、少しは話の分かる奴だと分かった。
私はエクスカリバーをギターに変えて、心音は炎の杖をキーボードに変えて、明は賢者の杖をドラムに変えた。
レベル5のゴブリンに私達の演奏が通じるのか、分からないが、私は明に合図を送り、演奏を開始した。
私達が奏でる音楽に、レベル5のゴブリンは苦しみもがいている。
レベル5のゴブリンとはいえ、小奴も、クラウザーに操られし者だと言うことは分かった。
それは私達の演奏を聴いて、心の性感帯に刺激を与えている。
「何だ!?この者達の演奏は、心が洗練されて行く」
とレベル5のゴブリンは心が私達の演奏の色に染まっている。
この調子でレベル5のゴブリンもこちら側につかせれば、何かクラウザーの真の目的を知ることが出来るかもしれない。
そうだ。この調子で、レベル5のゴブリンを邪心に染まった心を清らかにしていこうと私達は考えている。
一曲終わって、メルヘルは「ふふっ、面白い、私もあなた方にたぶらかされるといたしましょう。何とすばらしい演奏なのですか!!?」
「私達はスリーピースバンドです」
「もっと聴きたい」
「聴きたいなら、私達の演奏を聴くためにこの町の住人になってくれませんか?」
「私があなた達の町の住人になって良いと申すのか!?だがそれには王が許さぬだろう。知っての通り、私は王と対峙して殺そうとしたことがある。そんな私を快く私を受け入れてくれるわけがない」
「あなただけじゃないわ。ここの町にいるゴブリン達も人間を食べたり、危害を加えた人たちもいるよ」
そこで心音が「あんたも、町の住人として、人間達とゴブリン達を一つにするために協力して欲しいんだけど」
「心音、あんたの口からそんな言葉が飛び出すなんて」
「あたしも、人間達とゴブリン達が和解するように勤めるわ」
すると青い空が黒く染まり、黒い外套をまとった物が黒く染まった空から現れた。
「その必要はない。この裏切り者達があ」
その黒い外套をかぶった者は、メルヘルめがけて、稲妻を落としてきた。
しかしメルへルはその稲妻を剣で防ぎ、私達は演奏をしようと試みた。
「きっとあいつもレベル5のゴブリンだと思う、今度は存分に暴れ回るように演奏をするわよ」
私は明に合図を送り、演奏が始まった。