異世界の文化
ゴブリン達と思われる緑色の体に頭に角を生やし口から牙を生やして、棍棒のような物と盾を持っている。
ここはお客さんである兵士二人が頼りだ。
「おまえ達はゴブリン、ここで好きなようにはさせないぞ。ウルク」
青年の兵士の名前はウルクと言うのかそのものに戦うように示した。
青年の兵士がゴブリンに立ち向かうとゴブリンは盾でそれをなぎ払い、利き腕に持っている棍棒でウルクの頭を殴打した。
「人間達に殺されるほどの柔なゴブリンではないよ」
ウルクに攻撃したゴブリンが言う。
「くそっウルクの仇、貴様等覚悟しろ」
隊長の兵士はゴブリンに向かって剣を構えて、剣で攻撃を加えるが、同じように盾で剣をなぎ払い、棍棒で頭を殴打されそうになったが、隊長の兵士はそれを回避して、再び権勢を取り戻し、ゴブリンが武器とする棍棒をなぎ払った。
「こいつなかなかやるな」
ゴブリンが言う。
私と心美と明はふるえて手も出なかった。
棍棒をなくしたゴブリンに攻撃を加えようとしたが、他の二人のゴブリン達が参戦して隊長は滅多滅多にやっつけられて、意識を失ってしまった。
するとゴブリン達は私達の方に振り返り、「うまそうな人間じゃないか」口から汚らしい涎を垂らしながら私たちに向かってくる。
すると女亭主の元勇者だと名乗った女妖精は、「今こそあなた達の出番よ」
出番と言われても私達は戦えないよ。
「さあ、ギターを持ってそれを剣にするのよ」
私達三人はもう戦うしかないと思って、最大限の勇気を持って、楽器から剣に変わり、心美が持っているキーボードは先っちょに星がついている杖に変形して、明がドラムのステッキを先が丸まった魔道士が使うような木の棒に変わった。
私はヤケクソで、ゴブリン達に剣を構えながら、突っ走っていって、ゴブリンの一人に剣を思い切り振りかざした。
ゴブリンは盾を使ってそれを回避しようとしたが、私が思いきり振りおろした剣は盾ごとゴブリンを切り咲いた。
そこで心音が杖を構えて「ええ~い」と言って先っちょが星形になっている杖をゴブリンに向けると炎の玉が発せられて、一人のゴブリンを燃やし尽くした。
そこで明が「ええ~い」と心音と同じように魔道士が使うような木の棒を振りかざすと、白いレーザー光線のように発せられて、最後の一人のゴブリンを一掃した。
どうやら私達の勝ちのようだ。
「あたし達助かったの?」
心音が今でも私達がした事について、まだ理解が足りていない。
私がゴブリンを切り裂き、心音が魔法でゴブリンを焼き付くして、明が杖から光線みたいな物を発してここに来たゴブリン達を繊滅させる事ができた。
そこで女亭主の妖精が、「やったね、さすがは選ばれし者達、その調子でこの世界のゴブリン達とあなた達は戦わなくてはいけない」
私達が倒したゴブリン達は死んでいる。
その姿を見たとき私の心に何かゴブリン達がかわいそうな感じがした。
でも私達はこの世界でゴブリン達を繊滅させなければならないことは分かった。
ゴブリンにやられた兵士達はまだ息が合った。
「ねえ、女亭主、この人達を何とか出来ないの?」
「それは白魔道士の明君が回復魔法で何とか出来るわ」
「明、回復魔法だって」
私が言うと「回復魔法なんて僕使った事ないから分からないよ」
妖精は「ただ治療させる為に尽くすようにやれば良いのよ」
明は妖精に言われた通り、目を閉じて念じるような仕草をした。
すると兵士達は傷が回復して、意識を取り戻した。
「私とウルクはゴブリン達にやられて・・・」
そこで妖精が「この人達が助けてくれたんだよ」
「そうなのか、かたじけない、この周辺はあまりゴブリンは現れないと思って来たが、まさかここまでゴブリン達の手に染まっているなんて」
「隊長、以前は私達でもゴブリンに対抗できたのに、年々ゴブリン達の数が増え、ゴブリン達の力も増している。もう我々の手ではゴブリン達を倒す事が出来なくなっている」
「ウルクの言うとおりだ。君達、とりあえず私達を救ってくれた事を感謝しよう。私達の世界は東側の人間達が住む地区と西側に住むゴブリン達の地区と抗争しあっている。ゴブリン達は我々が住む東側の陣地を支配しようとしているのだ」
「そうですか・・・」
そんな事を言われても私達に何も出来やしないことをこの人達に知ってほしい。
「そうだ。君達、我々の王にあってはくれぬだろうか?」
隊長が言う。
「私達が王にあってどうするんですか?」
「我々に力を貸してほしい」
何か話が面倒な事になってきたぞ。
私がグルグルと考えを巡らしていると何も言葉が浮かばない。
そこで心音が私に耳打ちをして「王に会えば私達の半年分の食料を手にすることが出来るでしょ。後半年たてば、あたし達はここからおさらばして、元の世界に戻れる」
なるほど、でも心音は相変わらずに腹黒い。
「分かりました、私達を王様のところに案内してください」
それで私達はこの不気味な森の中を通ることになるのだが、近くに東側地区の国道が繋がっているところが見えた。
「我々はここから、この店に来たのですよ。そういえばお名前を聞いていませんでしたね」
「私は柴田盟」
「あたしは塚原心音」
「僕は斉藤明」
「三人とも変わった名前をしているのですね」
と兵士の隊長は私達に敬語を使っている。
とにかく心音の言うとおり、王に会えば、余裕で半年分の食料と居場所を提供してくれるはずだ。
この世界の人間達には悪いが、これは私達の問題じゃない、あの妖精と化した元勇者と名乗る女亭主が悪いのだ。
国道を歩いていると、馬に乗っている行商人やら、兵士やら、この国道は動物の馬が移動手段の支流となっている。
その他にも旅人やら、親子連れの人が歩いている。
その国道の先にはお城が見えてきた。
「あれが私達が統括するお城でございます」
心音が「結構歩いたわね、私くたくたよ、早くシャワーを浴びれないかしら」
「心音殿、シャワーとは何ですか?」
「えっシャワーを知らないの!?こうお湯が出てきて、体をきれいにするんだけど」
「お湯で体を清めるのですね。そのようなところなら私が王と会った後に案内しましょう」
心音はかなりデリケートできれい好きだから、毎日のお風呂はかかせないのだろう。
そしてお城について、城の裏口から王の間へと向かっていく。
裏口を通ると螺旋階段があり、私達はそこを登っていく。
そして王の座に到着して王は銀髪で派手な服を着た若いチャラそうな王様だった。
「オルガメッシュ王、この国を救う者達をつれて参りました」
何勝手な事を言っているのだ!?この隊長は!?
「この国を救うと申すとどういう事なのか教えてくれぬか?ベルク隊長」
ベルク隊長とやらは私達にゴブリンに襲われそうになり命を助けてもらった事をおうのオルガメッシュ王に伝えた。
「何だこの者達は?変わった格好をしているな」
確かにここの世界では変わった格好をしているように思える。
季節は秋であり、この世界も私達が住む世界と同じ季節だ。
私はジーパンに青いトレーナーを着ている。
心美は白いチノパンに赤いセーターを着ている。
明は白い長袖のワンピースを着ている。
この世界の者達は言っちゃ悪いが、汚らしい布の服に身を包んでいる。
オルガメッシュ王は私達をじろじろと見つめて、「お前達が背負っているそれは何だ?」
「これはエレキギターと言う物です。私が念じれば、剣に変わって武器にもなります」
私は言ったとおり、エレキギターから剣に変えた。
「それは伝説の宝具エクスカリバーだ。どうしてお前がそのような物を」
オルガメッシュ王は心音に目を向けて「心音とか言ったなお主は何を持っている?」
心音は面倒臭そうにキーボードを取り出して「これはキーボードという楽器です。何か妙な杖に変わります」と言って先が星形の杖に変えた。
「それはすべての者を焼き付くす炎の杖」
そしてオルガメッシュ王は明に目を向けて、「明とやらお主は何を持っているのだ?」
明はドラムのステッキを魔道士が持つような木で出来ているような杖に変換した。
「そ、それは賢者の杖、お主達そのような宝具をどこで手に入れたんだ?」
私は三人を代表して、王に会うまでの経緯を端的に話した。
「お主達はこの世界の住人ではないと申すのか!?」
そこで女亭主の妖精が「この者達は我々からゴブリン達から私達を救ってくれるでしょう!
「なるほど、お主達ならばレベル4に匹敵するゴブリン達に対抗する事が出来るだろう」
そこでベルク隊長が「レベル4に匹敵するゴブリンに対抗する力を持つ者とオルガメッシュ王はおっしゃるのですね」驚いたように言う。
私が「レベル4って?」
そしてオルガメッシュ王が言う「ゴブリンの中にはレベル1から5までのランクインされている者達がいる」
「そのレベル5のゴブリンってどれだけ強いんですか?」
「レベル5のゴブリンは出会ったら最後、そのものは瞬時に殺されてしまうのが運命だ」
「ベルク隊長さん、先ほど店に現れたゴブリンはレベルはどれくらいなんでしょうか?」
「おそらく三人とも1だろう」
「じゃあ、隊長さんでもレベル1に対抗できないゴブリンって?」
「そうだ。我々民衆はゴブリン達に皆殺しにされるのが時間の問題だ。だがそうならないように手は打ってある。召喚獣を使って、ゴブリン達を繊滅させる研究が我々の中で行われている。それに成功すればゴブリン達を繊滅させる事が出来るだろう」
オルガメッシュ王は拳を握りしめ勝ち誇ったように言う。
続けてオルガメッシュ王は「ベルク隊長この者達に来賓の為に使われている部屋に案内しろ。この者達なら、研究が成功するまで私達の護衛になるだろう」
「ハッ!」
と命令を聞き、私達は来賓が招かれる部屋へと案内された。
来賓が案内される部屋へと行くとそれはもう一流のホテル並の部屋であった。
三つに並べられたベットはフカフカで、それにシャンデリアなんて物が飾ってあり、窓から見渡すと町が一望できた。
「凄い部屋だね」
と明が言い心音は「何か面倒な事に巻き込まれてしまったわね」
「私もそう思うよ」
本当に私達はこれからどうなるのだろう。
とにかく私達の宝具はレベル4って言ったっけ、そのゴブリンには対抗できると聞いた。
女亭主の妖精が「とにかくみんな、この国を守るために必死で戦ってね」
「ふざけるなよ。私達はそんな事を約束した覚えはない」
心音が「そうだよ。半年経てばこの世界から私達は帰れるんでしょ。それまではゴブリンと人間のいざこざに巻き込まれるでしょうね」
「冗談じゃないよ、おい妖精今すぐに私達を元の世界へと返してよ」
「・・・」
妖精は返答もしない。
ここで妖精ともめ事を起こしても水掛け論で終わってしまうだろう。
だから私はベットにだいぶして、束ぬ間の平穏な時をここで過ごさせてもらう事にした。
そこで心音が「それよりもあたしシャワーを浴びたいわ」
「私も浴びたいよ」
「僕だって浴びたいよ」
「そういえばあのベルク隊長が私達をお風呂につれていってくれるって言ったわね」
そこで部屋からノックの音がして、「失礼します」と入ってきたのがこの城の女のメイドだった。
メイドは黒いフレアスカートのワンピースに着て、白いエプロンを身につけている。
「ベルク隊長から伺っています、あなた達をお風呂に案内する事を命じられて、ここまできました」
「本当に!?」
心音は待っていましたと言わんばかりに、メイドの言葉に食いつく。
「盟様心音様明様、どうかご準備を」
「そういえばあたし達着替えがないけれど」
心音が言うとメイドは「大丈夫です、あなた方達にふさわしい物を用意してますので、とりあえず私達ご一行についてください。お風呂は町にありますので」
早速私達は宝具である楽器を持って、城の裏口から出て、町へと三人のメイド達に案内された。
町を歩くと私達は注目の的だった。
「何、あの格好は?」「変な人たちだね」「何かしら」
私達は三人のメイドにつれて行かれた場所は、家の近所にもあるような銭湯のようなところだった。
メイドが「ここです。ここではこの国の王も使っています」
心音が「やっとお風呂に入れるよ」
と中へと入っていった。
すると心音「きゃあああ!」と言う悲鳴が聞こえた。
何事かと思って中に入っていくと、中は男性も女性も同じお風呂の中に入る形式になっている。
「な、な、な、何よこれは!!」
女性も男性も何事も気にすることなく、いわば混浴だった。