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28.ハッピーハロウィン③

目を開けたら22時。ハロウィンが終わる。




トリックオアトリート。



 普段の商店街の喧騒は鳴りを潜め、不気味な雰囲気が広がっている。


 多くの人がハロウィンパーティーに参加しているはずなのに、不思議なことに辺りには誰もいない。



 ザッ。ザッ。


 ふわ〜。ぱたぱた…ぱたぱた。


 さくらさんと恐る恐る歩いていると、遠くに人影が見えた。第1街人発見。



「あの、すみません……!!?」


 臭っ!!


 話かけようと近づいた時、異変はすぐに訪れた。


 うわ!生臭っ!!



 そして………


 ドサッ


 その街人は力無く崩れさった。



「っ!!!大丈夫ですか!!?」


 臭いを我慢して抱き起こしたが、街人の凄惨な姿に思わず目を背けてしまう。


 顔全体は青白く塗られ、頬にはヒレの様なものが描かれている。口にはサバの人形を咥えさせられていて、その人形がとても生臭い。


「なんて酷いことを…」





『おーい、人間が居たぞー』


 なんだ?


『こっちだ!捕まえろ!』


 なんだ?なんだ?



 数人の男たちがこちらに向かって走ってくる。



 捕まったらマズイ気がする。逃げるしかない!


「さくらさん、逃げるぞ!!!」


「キュイ!」



……


…………



「はぁ…はぁ。奴らは何なんだ。何人いやがる。はぁ…はぁ…なんとか撒けたか?」


 なぜか全員がカワウソの着ぐるみを着て追いかけてくる。いい年したおっさんも、微笑ましい子供も、みんなカワウソの格好だ。


 妙に可愛らしい姿に追いかけまわされるのが、これほどの恐怖だとは…。



「キュー」


 さくらさんが1枚の紙を渡してきた。


ーーーーーーーー

商店街ハロウィンパーティー企画!

『世界はカワウソに支配されている』


 2xxx年、世界は突如カワウソに支配された。

 人間たちはカワウソに捕まらないように、

商店街のどこかにある宝箱から、魚肉ソーセージ3本入りを探し出し、商店街を抜けた先にある、神社の御神体に捧げなくてはならない。


 ただし、可愛らしいカワウソに捕まると、

世にも恐ろしい〝サバ化粧〟を施されることに……。


 見事クリアしたあかつきには、1年間商店街での買い物が1割引になるプラチナチケットを贈呈。


ーーーーーーーーー





…………そういうことか。


だから、全員カワウソの格好なのか。

そして、捕まるとあの酷い姿に…。


 とにかく、宝箱を探せば良いんだな。



「………ところでさくらさん。その格好なに?どうなってんのそれ」


 俺の目の前には、1人の美女がいる。

流れるような栗色の髪。

吸い込まれそうになる、大きな瞳。

頭にちょこんとある耳。

艶やかな下半身から生えた尻尾。


 美しい人間?の女性がそこにはいた。



ピロリン


携帯にメッセージが届く。さくらさんからだ。


『着ぐるみ』


えっ?着ぐるみ?それが?

どこからどう見ても人間?だと思うが。



ピロリン


再度メッセージが届く。


『すごい着ぐるみ』



………もう突っ込むのはやめよう。




トリックオアトリート。





あと少し続く。ちゃんとハロウィン中には更新します。

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