四季 楓/3
見づらい、等ありましたらコメントお願いします。
気を付けているつもりですが、誤字脱字多いと思うのでよかったらこっそり教えていただけたら助かります。
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数秒間、気を失ってたことに楓は気づくことの無かった。それほどに果てしなく遠い景色に圧倒されていたのだろう。これこそ実感がない。
永遠にすら感じる浮遊世界。まるでアニメ映画の様にゆっくり、ゆっくりと――――落下を始めた。
唐突に表れた浮遊感は、やはり唐突な落下感に変貌する。気分はまるでアミューズメント施設の待ち時間、百二十分超のジェットコースターそのもの。アトラクション内容は至ってシンプル。気持ち悪いくらいの垂直落下は、楽しむことなんてできそうにない。
落ちる落ちる、ここはどこ? ここは帰り道。
落ちる落ちる、どこまでも。永遠に続く下り坂。
落ちる落ちる、ちょっとそこまで。生まれる感覚はきっと痛覚。
枝木をなぎ倒しながら微かな失速を抜けた後には固い地面の重さ。夢なら覚めている筈の感覚。襲い掛かる衝撃と激痛。肺も胃も、中身が全て出てきた。続くのは背中が焼けるような痛さと、体中に枝がつけた切り傷の鋭利な痛み。
「は――、あ――あっ!」
あまりの痛さに楓は訳も分からず涙を流す。のたうち回る事もできずにパンクした肺胞が酸素を求め続けているように長く浅く空気が漏れている。
だがそれだけだ。それではおかしいのだ。推定二十メートル。落ちるのが上手な猫でも普通は助からない高所から落ちたにしては、至って正常な呼吸。それを『イタイ』だけで済んでいるのだから不思議だ。
姿が見えなければ寝ているのではないか、と勘違いするくらいに回復したらしい。
どうやら楓が落ちた崖の下は林――というより森だったようで、辺りはまともに整地されてないのか鬱蒼としていた。これがゲームだったら、草むらから飛び出してくるモンスターの一匹や二匹出てきそうな自然の迷宮。
モンスターは冗談でも野犬くらいなら平気で出てきそうだ。
目に涙を浮かべ必死に起き上がろうとする様は目を背けたくなるだろう。そしてゆっくりと足を進めるのだった。
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だいぶ短くなってしまいました。次の話はすぐ投稿できるようにしておきます。
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