第二話 最奥学園 2
そして謹慎が明け、学校に行きクラスに入ったらあることに驚いた、困惑したが後ろでは晴斗がニヤついていて、瑞穂が申し訳なさそうに苦笑いをしてる。俺は即座理解した……ハメられた。
黒板には大きく"番長おかえりなさい"と書かれていた。
いつの間にか番長になっていた俺………何故?
それからクラスメイトや知らない人からも"番長おかえり〜"とか"お勤めご苦労様で〜す"など言われた。しかもそれが一カ月ぐらい続いた。
まぁこれも後で聞いた話だが、アイツは色々と悪行で目立ってたらしいが、親が親な為、生徒が言っても学校側も強く言えず困ってたらしいがあの一件でいなくなり、その事では感謝されているらしい。
まぁこれが溜め息の理由だ、だけど今は番長とはあまり言われなくなった。
回想に浸ってるといつの間にか学校に着いてた。そして校門前で立ち止まっていた。
「夏紀くん?どうしたの?」
「いや、何でもない」
「あ、そっか」
「ふぅ〜、よし、では行きましょうか」
勿論これは俺だ。あれ以来、周りの目を気にしろと担任や校長に言われ、取り敢えず形から入ることにし学校では敬語にした。それでいつも校門前で精神統一?をしている。瑞穂や晴斗はそれを知って待っていてくれる。
それから昇降口まで行くとキレイな声が聞こえた。
「こらミズ、ボクのナッちゃんにくっつくな〜!」
このキレイなアルト声の主は、クラスメイトの立花 楓[タチバナ カエデ]首までの髪と制服姿がよく似合う女の子 結構カワイイ
「か、楓、べっ別にくっついてないよ!」
「おはようございます、楓」
「おはようナッちゃん」
うろたえる瑞穂、冷静な俺、元気な楓、端から見ればおかしな光景だろう。これがいつもの俺らの会話?だ。いつもはバカがいるんだが。
「もう楓のバカ、あっ!私数学委員だから先行くね」
「うん、後でね」
そう言って彼女は職員室の方へ行ってしまった。
(ということは一時間目は数学か、ダルいな)
はっきり言って俺は歴史学と地理学しか好きな教科はない。
「ミズはおもしろいな〜」
「はぁ〜、からかうのはやめなさい」
「はいはい、さてナッちゃん、ボク達も教室行こうよ」
言った後に俺の右腕に抱きついてくる、やめて欲しいんだが言ってもやめないから諦めた。男としては少し嬉しいし。
「そうですね、あ、それと楓」
「ん〜?」
「私はいつからあなたのものになったのでしょうか?」
頭に突っかかったことを聞いてみたら、驚いた様子でこちらを見上げてくる。彼女の背は結構低い、俺の肩ぐらいに彼女の頭がある。俺が174?だから楓は150?ぐらいだと思う。
「え〜っと……まぁいいからいいから、早く行こうよ」
「ふぅ〜、まぁいいでしょう」
流されるまま教室に向かう俺と楓。
* * *
そして今、授業が始まって十五分がたち丁度眠くなってきた頃、机で突っ伏しようとしても前のバカが気にせず喋りかけてくる。
「でなその子が俺に向かって……」
「ん〜」
「聞いてた?」
「ん〜」
ホントにうるさい、コイツの話は大抵女子の事だから正直どうでもいい。
「そんときさ誰かと一緒にいた?」
会話に楓が入り後ろが賑やかになる。周りを考えろ授業中だぞ?つーか教師も注意しろよ!
ってか楓、晴斗の話聞いてたのか?
ちなみに席順のことだが俺は特等席の窓際一番後ろで俺の隣が瑞穂、俺の前が晴斗、晴斗の隣が楓、といった感じでなぜか固まっている。
「え?ナツが…いた」
「それ絶対ナッちゃんだよ〜」
「う、うるさい、なんでいつも夏紀ばっかり」
「性格じゃないかな?」
「み、瑞穂お前まで」
(瑞穂……お前もか)
「うわ〜お姉ちゃんひど〜い」
「え?そんなひどいこと言ったかな?」
瑞穂が言った途端にいろんな奴と目が合う。
しつこいが俺の席は一番後ろだ
「瑞穂のバカヤローー!!」
発狂し教室から出て行ってしまった晴斗、全員の注目の的
「あれと友達って思いたくないですね」
「うん、友達は選んだほうがいいよね」
ちょっとヒドいことで共感する俺と楓
瑞穂はというと
「私…ひどい…かな?」
一人で呟き悩んでいた
"気にするな"と声をかけようとしたが眠いからやめた。
バカがいなくなった後、机の上で突っ伏して寝た。
* * *
目を覚まし、教室の時計を見ると約12時10分
「え?は?」
「おはよ夏紀君」
瑞穂による二度目の朝の挨拶
「って起こしてくださいよ!」
「いや、気持ちよさそうに寝てたから」
(こいつは……)
「はぁ〜、もういいです」
言うまでもないがもう昼だ。学校で俺は約3時間半も寝ていた。教師も起こせよ!
10分位で授業が終わり、寝ていた前のバカを起こし(いつ戻ってきた?)学食に向かうことにした。
たがその前に俺に来客があった。




