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第二話 最奥学園 1

時刻は7時30分を少し回ったところ


早く起きて準備をしなければ学校に遅刻する。


だが四連勤のバイトせいか、体が重くてもう少し寝たい、でも世の中そんなに甘くはない。


「お兄ぃ、早く起きなきゃ遅刻するよー!」


下で心優が叫んでる。正直うるさい


「っせーな」


やっとのことでベットからおり、壁に掛かってる制服に袖を通し[俺はパジャマの上に制服を着る]机の上の鞄を手に取り、自分の部屋から出た。


「おにぃー!」


「朝からうるさい」


階段下に制服姿の心優がいる。


「遅いよー」


階段を降りる途中で「いっつも」などと呟いてるのが聞こえてくる。


「歯ぁ磨いてくっから先行ってろ」


「お姉ちゃん達も待ってるからね」


「わかったから」


「早くね」


そう言って心優は玄関に行き先に外に出た


それから俺も急いで歯を磨き終え、玄関で靴を履き外に出た。




そして朝から嫌なものを見てしまった。


「よう夏、おはようさん」

目の前にいる茶髪メガネのチャラ男は、俺らのご近所で小さいときからの知り合いで、いわゆる幼馴染みの那川 晴斗[ナガワ ハルト]だ。


「なんでお前がいるんだよ」


「ひどっ!それが待ってた幼馴染みに対する反応か?」


「うるさい」


俺らの挨拶はいつもこんな感じだ


「お、おはよう夏紀君」


「おはよう瑞穂、待たせて悪かったな」


こっちのセミロングヘアーで二重お目目パッチリやや童顔の美少女は、さっきのチャラ男の双子の姉で那川 瑞穂[ナガワ ミズホ]


二人は二卵生双生児というやつであまり似てない。


「そ、そんな待ってないから」


そう言って両手を大きく振ってる。俺の前では何故かいつもこんな感じで、嫌われてるんじゃないかとたまに思う。


「扱いちがくねーか?」


後ろでバカがうるさい


「じゃあ行くか」


「うん」


「ちょ、無視ですか?」


俺は全力で無視をすることにした。


歩いて少したった後、そういえば玄関から出て来たときには気付かなかったが[バカがうるさかったから]紗癒と心優がいない


「なぁ、紗癒と心優は?」


その言葉でバカが反応した


「俺がこたグハッ」


なんかムカついたからつい殴ってしまった


「あ、すまん」


一応謝ったが、見ると何か呟いてる。


「いつ…お……け」


涙ぐんでなに言ってるか聞こえづらい


「瑞穂、行くか」


「え?う、うん」


「認めん」


俺らが行こうとしたらいきなり意味不明なことを言い出した


「は?」


「晴君?」


「お前等の交際は認めんぞちきしょーーー!!」


そう言って学校の方へ走り去っていった。




バカが去った後、俺らは珍しく二人で登校していた。


しかも気まずい、バカが

「交際は認めん」などと意味不明な言葉を言ってから、瑞穂の顔が紅くなり俯いて喋らなくなってしまった。


(やっぱ嫌われたのかな?)


そして2、3分無言の状態で俺らは歩いていた。最初に沈黙を破ったのは俺だ


「そういえば紗癒と心優は?」


さっきから気になっていたことを聞いてみた


「え?あ、紗癒ちゃんは委員会で、心優ちゃんが日直だからって急いで行っちゃったよ」


「そうか、それにしても珍しいね」


「なにが?」


「瑞穂と二人っきりで登校するの」


「………」


やっと会話になるかなと思った矢先、また頬を染めて俯いてしまった。




そして再びの沈黙




まぁ、この沈黙を利用して俺のことと学園を紹介しよう。


えっとまず俺の学園は小中高一環でここの高等部は四年間ある。ただし卒業すると短大を卒業したと同じ資格がもらえる。だがほとんどの人が、三年間在籍したあと普通の大学を受ける。ちなみに俺はここを卒業して就職するつもりだ。


次は俺のことで前に言った溜め息の理由を話そう。

中等部から高等部に進学してクラスに初めて見る顔がいた、しかも金髪にピアスやらで見た感じもろ不良だった。

周りからそいつことを聞くと親が中小企業の社長で、今回は父親の用事でこの町に来たらしい。

それで数ヶ月間こっちにいるらしかったんだが、あろうことかソイツが瑞穂を好いたらしく、しつこく誘ったりしてた。それを嫌がってた瑞穂が登校途中に俺や晴斗に相談してきた、それを聞いた晴斗が話を付けることになった。学校についてから晴斗が"嫌がってんだからやめろよ"とソイツに言ったが"テメェにはかんけぇねーだろ"と同時に顔面を殴られ倒れた。


それからソイツは、暴力をふるったことを気にせず嫌がってる瑞穂に話しかけ始めた。


そこで俺の何かが弾けた。俺は周りも気にせずソイツに殴りかかり容赦なくぶちのめした。周りでは生徒はもちろんのこと教師までもが俺の変容に驚いていたことを覚えてる。


それから俺は駆け付けた教師に取り押さえられ、ソイツは病院送りになった。その後の処分は、俺が二週間の謹慎処分、ソイツは三日間の謹慎処分だったのだが、後で聞いた話ソイツは空手二段で喧嘩に負けたことがなく、やられたのがよほどだったのか転校していった。

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