ボクの名前はタピロス、人の優しさに触れたいんだ!
ボクの名前は、タピロス!
ロボットだよ。
感情を持たないロボットなんだ!
ボクをつくってくれた博士はボクにこう言ったんだよ。
『なあ~タピロス! お前には感情がない! だから感情を見つける
旅に出ておいで~! そうしたらね、お前は立派な人間になれるよ!』
『ほんとう? ボクも博士のような人間になれるの、、、?』
『あぁ! なれるとも!!!』
『分かったよ! 博士! でも博士もボクと一緒に行くんでしょ?』
『いいや! タピロス! お前さんだけで行くんだよ~!』
『...えぇ!? 博士はボクが旅に出ている間、ここでなにしてるの、、、?』
『俺はタピロスの帰りをずっとここで待っているよ!』
『ううん!』
▽
この時、博士は病院の先生にこう言われていたらしい!
『ダグラスさん! 大変申し上げにくいのですが、既にダグラスさんの体中に
ガンが転移していて治る見込みがありません! あと3ヶ月ぐらいかと思います!』
『...あぁ、そうですか! 先生ありがとうございました。』
『ダグラスさん、この病院に入院して少しでも生きれるように努力しませんか?』
『先生! 俺にはやる事もあるので、息子が旅に出るんです! だから、あの子が
帰って来るまで、生きててやりたい! 俺のやり方で、、、!』
『...ダグラスさん、』
『医学がダメなら、科学でどうにかしますよ!』
『...それはどういう意味ですか、、、? ダグラスさん、』
『じゃ、先生ありがとう!』
▼
ボクは、博士の元を離れて旅に出た、、、!
『じゃ、博士行ってくるね!』
『あぁ、行っておいで~』
『......博士、ボク博士と離れたくないよ~』
『俺もだタピロス! でもな! いろんな感情を手にしてお前がここに戻って
来るのを俺は楽しみにしているんだ! 必ず無事に帰っておいで!』
『...ううん。』
*
ボクはこうして旅に出る事になったが、、、!?
最初に行った街で、知り合ったフライトがいい奴だったんだ~!
『君はこの街の子じゃないよね、、、?』
『あぁ! そうだよ、違う街から来たんだ!』
『今日の寝床はあるのかい、、、?』
『まだないよ! 泊るところも探してないや~』
『良かったら、家に来ないか?』
『いいの?』
『もちろんさ~』
フライトの家に行くと、、、?
狭い家に子供が9人いて、お父さんとお母さん、おじいちゃんおばあちゃん
凄い人数で暮らしているんだ、、、!
ご飯も、粗末なモノだったけど、、、?
凄く、温かい家族だなと思った、、、!
賑やかでドタバタしているけど、なんだか落ち着く感じがボクには居心地がよく。
こんな家族もいいなと思ったんだけど、、、!
フライトの家族はみんなイイ人ばかりで、フライトのお母さんは豪快な人で
大皿に料理がバーンと出てくるような感じ。
『さあ~みんなお食べ~』
フライトのお父さんは、働き者だ!
一家の大黒柱なんだと思った...。
口数も少ないけど、みんなお父さんに敬意を払っている!
おじいちゃんおばあちゃんは、子供たちに甘い、、、。
何でもいう事を聞いていたな~
『フライト! ありがとう、楽しかったよ! みんなもありがとう!』
『いいんだよ! また、家においで~何時でも歓迎するよ~!』
『うん!』
▽
こうして、次の街へ。
次の街では、、、ボクはスリに会う。
『誰かーー!!! ボクの財布を女の子が取ったんだ! あの子だよ!
早く、捕まえて~!』
『よし! 捕まえた! またお前か? スリは良くない事なんだぞ!』
『まあまあ、もうやめてあげて! この子はまだ子供なんだ!』
『でも、、、?』
『みんな貧しい生活をしているんだ! この子だってお金があればスリなんか
しないよ! ねぇ? そでしょ! どうか許してあげて!』
『まあ、財布をスラれた! お前が言うなら、、、良かったないいやつで!』
『...うん、ごめんね!』
『もういいよ! 君たちは何処に住んでいるの、、、?』
『お詫びに、うちに来て! 今晩は家で泊まらせてあげる!』
『えぇ!? いいの?』
『うん!』
女の子は、早歩きでたまに、後ろにいるボクをチラッと見てまた進んで行く。
どうやら、、、? 女の子はスラム街に住んでいるみたいだ!
6畳ぐらいの汚くて狭い部屋に家族5人で住んでいる。
食べる物も、ドアもないような家。
それでも、家族慎ましく生活している様だった!
『今日は、サンドラありがとう!』
『こちらこそ! ありがとう! またね!』
『うん。』
*
ボクの旅はこうして5年間続いた、、、。
そしてようやく、ボクは博士の居る家に戻ってきた、、、!
『ただいま~博士!』
『オカエリ ナサイ! タピロス!』
『...えぇ!? 博士なの?』
『ソウダ! オレガ ハカセ ダ!』
『そんな、、、!? ボクは人間の感情を手に入れたんだよ! それなのに
博士の見た目が変わってしまった!』
『ダイジョウブ! オレノ ナカミハ ナニモ カワッテ イナイ!』
『それならいいね! 博士ただいま~!』
『オカエリ オレノ アイスル ムスコ タピロス!』
『ボクのお父さん! 大好きだよ~!』
『アァ、』
最後までお読みいただきありがとうございます。