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ボクの名前はタピロス、人の優しさに触れたいんだ!

作者: 七瀬



ボクの名前は、タピロス!

ロボットだよ。


感情を持たないロボットなんだ!


ボクをつくってくれた博士はボクにこう言ったんだよ。


『なあ~タピロス! お前には感情がない! だから感情を見つける

旅に出ておいで~! そうしたらね、お前は立派な人間になれるよ!』

『ほんとう? ボクも博士のような人間になれるの、、、?』

『あぁ! なれるとも!!!』

『分かったよ! 博士! でも博士もボクと一緒に行くんでしょ?』

『いいや! タピロス! お前さんだけで行くんだよ~!』

『...えぇ!? 博士はボクが旅に出ている間、ここでなにしてるの、、、?』

『俺はタピロスの帰りをずっとここで待っているよ!』

『ううん!』




この時、博士は病院の先生にこう言われていたらしい!


『ダグラスさん! 大変申し上げにくいのですが、既にダグラスさんの体中に

ガンが転移していて治る見込みがありません! あと3ヶ月ぐらいかと思います!』

『...あぁ、そうですか! 先生ありがとうございました。』

『ダグラスさん、この病院に入院して少しでも生きれるように努力しませんか?』

『先生! 俺にはやる事もあるので、息子が旅に出るんです! だから、あの子が

帰って来るまで、生きててやりたい! 俺のやり方で、、、!』

『...ダグラスさん、』

『医学がダメなら、科学でどうにかしますよ!』

『...それはどういう意味ですか、、、? ダグラスさん、』

『じゃ、先生ありがとう!』




ボクは、博士の元を離れて旅に出た、、、!


『じゃ、博士行ってくるね!』

『あぁ、行っておいで~』

『......博士、ボク博士と離れたくないよ~』

『俺もだタピロス! でもな! いろんな感情を手にしてお前がここに戻って

来るのを俺は楽しみにしているんだ! 必ず無事に帰っておいで!』

『...ううん。』




ボクはこうして旅に出る事になったが、、、!?

最初に行った街で、知り合ったフライトがいい奴だったんだ~!


『君はこの街の子じゃないよね、、、?』

『あぁ! そうだよ、違う街から来たんだ!』

『今日の寝床はあるのかい、、、?』

『まだないよ! 泊るところも探してないや~』

『良かったら、うちに来ないか?』

『いいの?』

『もちろんさ~』



フライトの家に行くと、、、?

狭い家に子供が9人いて、お父さんとお母さん、おじいちゃんおばあちゃん

凄い人数で暮らしているんだ、、、!


ご飯も、粗末なモノだったけど、、、?

凄く、温かい家族だなと思った、、、!

賑やかでドタバタしているけど、なんだか落ち着く感じがボクには居心地がよく。

こんな家族もいいなと思ったんだけど、、、!


フライトの家族はみんなイイ人ばかりで、フライトのお母さんは豪快な人で

大皿に料理がバーンと出てくるような感じ。


『さあ~みんなお食べ~』



フライトのお父さんは、働き者だ!

一家の大黒柱なんだと思った...。

口数も少ないけど、みんなお父さんに敬意を払っている!


おじいちゃんおばあちゃんは、子供たちに甘い、、、。

何でもいう事を聞いていたな~


『フライト! ありがとう、楽しかったよ! みんなもありがとう!』

『いいんだよ! また、家においで~何時でも歓迎するよ~!』

『うん!』



こうして、次の街へ。


次の街では、、、ボクはスリに会う。


『誰かーー!!! ボクの財布を女の子が取ったんだ! あの子だよ!

早く、捕まえて~!』

『よし! 捕まえた! またお前か? スリは良くない事なんだぞ!』

『まあまあ、もうやめてあげて! この子はまだ子供なんだ!』

『でも、、、?』

『みんな貧しい生活をしているんだ! この子だってお金があればスリなんか

しないよ! ねぇ? そでしょ! どうか許してあげて!』

『まあ、財布をスラれた! お前が言うなら、、、良かったないいやつで!』

『...うん、ごめんね!』

『もういいよ! 君たちは何処に住んでいるの、、、?』

『お詫びに、うちに来て! 今晩は家で泊まらせてあげる!』

『えぇ!? いいの?』

『うん!』



女の子は、早歩きでたまに、後ろにいるボクをチラッと見てまた進んで行く。

どうやら、、、? 女の子はスラム街に住んでいるみたいだ!

6畳ぐらいの汚くて狭い部屋に家族5人で住んでいる。

食べる物も、ドアもないような家。


それでも、家族慎ましく生活している様だった!


『今日は、サンドラありがとう!』

『こちらこそ! ありがとう! またね!』

『うん。』




ボクの旅はこうして5年間続いた、、、。

そしてようやく、ボクは博士の居る家に戻ってきた、、、!


『ただいま~博士!』

『オカエリ ナサイ! タピロス!』

『...えぇ!? 博士なの?』

『ソウダ! オレガ ハカセ ダ!』

『そんな、、、!? ボクは人間の感情を手に入れたんだよ! それなのに

博士の見た目が変わってしまった!』

『ダイジョウブ! オレノ ナカミハ ナニモ カワッテ イナイ!』

『それならいいね! 博士ただいま~!』

『オカエリ オレノ アイスル ムスコ タピロス!』

『ボクのお父さん! 大好きだよ~!』

『アァ、』




最後までお読みいただきありがとうございます。

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