10.冒険者ギルドにて
いつもありがとうございます。
本日23時にもう一話上げます。
ただ、其方はいわゆる幕間とか間話とか言われる物のつもりです。
宜しければご覧下さい。
気が付くと、オレは天井を見上げていた。知らない天井だ。というか、この世界で初めて天井のあるところで寝たな。文明最高。
はて此処は何処なんだろうと、首を横に向けるとソーリスさんが椅子に座り、こっくりこっくりと船をこいでいた。ベッドに寝かされていたオレは、体を起こしベッドから出る。体を伸ばしたり、曲げたりしてみたが、痛む所はなかった。
服やズボンを見ると、大人用のブカブカだった物から、子供が着る大きさの服に替えられていた。
子供の丈に合ったチュニックのような服は、前の物と比べ非常に動きやすい。…これ貰って大丈夫かな?
…あれ?これって誰かにオレの全裸を…いや深くは考えないで行こうそうしよう。
ズボンの下には下着まで履かされていることが分かり驚愕していると、ソーリスさんが此方に気付いた。
「……んぅ。…あれ?起きたのね、トモヤ君」
「ええ、おはようございます、ソーリスさん。…初めてですね、名前呼んでくれたの」
「そ、そうね。あなた大人びているから、何となく呼びにくかったのよ」
「そういうものでしょうか。…ええと、すいません、状況が分からなくて。どうして私はここで寝ていたのでしょう」
「あの戦闘の後、君が倒れてそこから丸一日。吃驚したわよ、いきなり倒れ込むんだもの。あの水を操るスキル、相当MPを使うんじゃないの?あの時はしょうがないとは思うけど、あんまり無茶したら駄目よ?」
話を聞いていると、スキルを使用してMPが1以下になった時、昏倒してしまう可能性があるそうだ。
確かに、使た直後にものすごい虚脱感が有った。あれは『時間停止』の弊害か。
『時間停止』、時間を止めるなんていかにもチートらしい超スキルだと思ったが、デメリットが何気にひどいな。MPが1になり回復も10分間出来ず、気絶して問題無い場面での切り札か。癖が有りすぎる。
レベルが上がれば違うんだろうか。夜寝る前とかに発動すれば、すごい寝付きがよくなるんじゃないか?寝てるって言うか気絶だけど。
そういえば『絶対記憶』の記憶整理も無かった。気絶だと発生しないのか?
「あの後、どうなりましたか?」
「それじゃあ、説明するわね。あの後、周囲を警戒したけど敵の増援はなかったから、警戒態勢も解除されたわ。ソニック・オーガの死体はすべて冒険者ギルドと言う所に移送されたの」
「冒険者ギルド…町に被害は無かったのですか?」
「全て町門で食い止めることが出来たから、町の中の被害は無かったわ。と言っても、門の防衛に当たった冒険者が2人、お亡くなりになったそうだけど……」
そう言うと、悲しそうにソーリスさんは俯いた。状況が状況とはいえ、女性に悲しい顔ばかりさせてしまっているな……。
「ソーリスさん、弓の援護ありがとうございました。素晴らしい腕前でした。あれがなければ、1匹か2匹は取り逃していたと思います」
「……ありがとう。実はあの後、ステータスを確認したら『弓術』のレベル、3に上がってたの」
「それは凄い。偵察だけでなく弓兵としても活躍できますね」
「ふふ、ありがとう」
あ、少し笑った。うんうん、女の子は笑顔が一番だ。
「御免なさい、話がを戻すわね。今回の防衛の功績で、あなたが最も多くソニック・オーガを倒しているの。正式な冒険者じゃないから正規の報酬は出せないみたいだけど、特別功労金って言うのが町の偉い人から支払われるそうよ。冒険者ギルドで受け渡しされて、少しギルドマスターとも話すことになると思うわ」
「……それって、軍に入るように催促されるお話しになったりしますか?」
オレが嫌そうな顔をしているのが分かったのだろう。少し困ったようにソーリスさんは微笑んだ。
参ったな。これ断ったらソニック・オーガで稼いだ内申点も無駄になるんじゃなかろうか。
「そうね。そうなると思うわ。でも、ギルドマスターは子供にそういうことさせるのが大嫌いだから、嫌と言えば笑って許してくれると思う。ただ、ギルドマスターが軍の総司令官ってわけじゃないから……」
「司令官はそうではないってことですか?」
「良くも悪くも、マーシャル司令官は、効率や結果を重んじる人だから…」
これは如何しようかな。軍に入るのは避けたいが、町の偉い人との関係も悪化させたくない。
現状、他の町や集落がない以上、装備を整えるには此処を利用するしかないみたいだし。
……と言っても、ここで考えていても始まらないか。一先ずはギルドマスターさんと司令官さんに会って話してみよう。
「分かりました。ソーリスさんに頼ってばかりで申し訳ないのですが、そのギルドマスターさんにお会いするには、如何に行けばいいのでしょうか?」
「あ、それなら、案内するわ。歩ける?」
「大丈夫です」
オレが寝ていた部屋は、宿屋の二階の角部屋だった。防具は必要ないから置いていき、母の形見の剣だけを背中に背負う。
1階に下り、外に出ると、大通りのような所に出た。高台から見た町の大きさは、地平線までの距離かして大凡1k㎡ほどだったと思う。この世界の町の大きさの基準は分からないが、中々大きい町のように思える。
辺りを見渡しながら歩いていると、大通りには様々な商店が軒を連ねていた。装備を整える時には利用さえて貰おう。
10分ほど、ソーリスさんの案内の元歩き、周りの木造の建物に比べ、一回り大きい石造の建物の前についた。
軒先に鉄の看板が蔓下げられており、木と剣が十字に重なっているレリーフが刻まれている。
「ここは冒険者ギルド。この森での、冒険者たちの拠点になっているの」
ソーリスさんは、特に気負うこともなく中に入って行った。オレもそれについて行く。
中には酒場と、区役所の入口のような場所、雑貨屋のような店があり、どこも冒険者たちで賑わっているようだった。
何人かの冒険者が、入って来たオレをみてギョッとしている。子供がこういうところに来るのは珍しいのかな?それにしては、何か怯えられているような…。見た目7歳児の幼児にビビるとか、此処の冒険者は大丈夫なんだろうか?
ソーリスさんはその冒険者に気付かず、入口横の階段から上階に上がっていく。3階に上がるところで、見張りのような人が立ちふさがったが、ソーリスさんが何かを話すと、見張りの人が脇によけて通るように促された。高そうな赤い絨毯が敷かれた廊下を歩き、一番奥の部屋の前で止まると、ソーリスさんが扉をノックする。この部屋に件の人がいるのだろうか。
「ソーリスです。トモヤ殿をお連れしました」
その声には、少し緊張が含まれているように聞こえた。ギルドマスターって結構偉い人なんだな。
「入れ」と渋い男性の声が入るように促してくる。言われるまま部屋に入ると、ヨーロピアンティーク
のような家具でまとめられた応談室のような所だった。
部屋の中央のテーブルを挟むかのようにソファーが置かれており、奥側のソファーには2名の男女が座っていた。一人は普通の布の服に顔いっぱいの髭の男性。もう一人は、真っ黒な全身鎧を着けた、褐色肌の女性だ。男性は40歳くらい、女性の方は二十歳くらいに見える。注目すべき点は、女性の方は耳が長いということ。所謂エルフ耳ってやつだ。ソーリスさんの時もちょっと思ったのだが、手入れが大変そうだな。
「よく来たな、そこに座りな。ソーリス、お前も座れ」
髭面の男性が、飾らぬ笑顔でソファーを指さす。その隣の、腕を組んだエルフ耳の女性は目を固く瞑り沈黙を保ったままだ。オレは、「失礼します」と声を掛けソファに座ると同時に二人を右眼で『鑑定』する。
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l名前:ハーガン
l種族(状態):ドワーフハーフ(健康)
lLV:35(4457960/4490000)
lHP:301/301
lMP:28/28
l攻撃力:336(『剛力』により、+30補正)
l守備力:213
l行動力:67
l幸運 ;72
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lユニークスキル
l-瞬間遮断(3/5LV)
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lスキル
l-鎚術(3/5LV) -強胃(2/5LV)
l-剛力(3/5LV) -鍛冶(1/5LV)
l-投擲(2/5LV) -料理(2/5LV)
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l称号
l-千殺の闘士
l-『玉鋼』
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l名前:アーニャ(マーシャル)
l種族(状態):ダークエルフ(健康)
lLV:38(6m/29m 1m=1000000)
lHP:143/143
lMP:309/309(『身軽なる者』により、最大MPから-10補正)
l攻撃力:256
l守備力:124
l行動力:239
l幸運 ;88
l
lユニークスキル
l-身軽なる者(3/5LV)
l-闇精霊の契約(3/5LV)
l
lスキル
l-槍術(4/5LV) -縮地法(2/5LV)
l-弓術(3/5LV) -闇魔法(3/5LV)
l-短剣術(2/5LV) -魔力操作(3/5LV)
l-格闘術(2/5LV) -釣り(4/5LV)
l-馬術(2/5LV) -木工(2/5LV)
l
l称号
l-精霊契約者
l-千殺の闘士
l-『棘黒鎧』
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あ、これ敵対したらやばい奴だわ。
ストック残り14話分+間話1話分なので、最低でも2週間は毎日21時投稿出来ると思います。
11、12話は町での話、戦闘回は13話からになります。




