プロローグ
拙い文章ですが、気軽に読んでもらえたら嬉しいです。
Dear Alice (最愛のアリスへ)
アリス。
俺達は決断を下した。答えがやっと見つかったんだ。
お前はきっと止めろというだろう。
でも、もう後戻りは出来ないんだ。
お前の好きだった、お前と同じ名前の女の子が出てくる御伽話。
皆で一緒に読んでいる時、いつも考えていた。
置いて行かれた不思議の住人は、何を思うのだろう?と。
彼らはアリスに出会い、会話し、同じ時間を過ごした。
時にはアリスを泣かせたり、困らせたり。そうかと思えば、喜ばせたり、笑顔にさせたり。
人の話などおかまいなしで、自分勝手で傲慢な、ホントに狂ったおかしな連中。
アリスはそれに、振り回されてばかりだったけれど。
だけどアリス、俺は思うんだ。
彼らはきっと、アリスを愛してた。
ただずっと一緒にいたかった。
忘れてほしくなかった。
アリスの手を、繋ぎ止めたかっただけなんだ。
アリス、お前が゛目を覚ましてしまってから゛俺達の世界は壊れて、時が止まってしまった。
とても退屈で無機質な世界に俺達を置いていくなんて、お前は酷いよ。
まだ、あの日の約束を、俺たちのことを、覚えてくれているか?
どうか、忘れないでほしい。
全てが終わったら、お前の所に行くから。もう少しだけ待っていてくれ。
さびしい思いをさせたこと、そしてお前にそんな思いをさせた弱い俺達を、許してほしい。
ーー必ず、君の望む世界にするから-ー
Than a resident of the wonderland(不思議の国の住人より)