26.リベンジ
考えてみれば、まだ、2月だ。藤蔓だって、やまぶどうやアケビの蔓だって季節外れだ。
本当に、鶏たちの寝床は、どうしよう。ちゃんとしてやらないと縁側は寒いだろう。
あれ待てよ。縁側にエアコンあったよね。あれ点けて、雨戸閉めれば、寒くないんじゃない?
今のままでいいか。夜になったら、縁側に敷物ひいてやれば。
炬燵に入ろうとするな、イエロー。お前は猫か。
敷物だけじゃたりないか。布団を敷いてやればいいかな。
明日、作ってやろう。
とりあえず今日も、敷物の上に寝てもらおう。
イエロー、こっちに来るな。
「ハク頼むね、イエローが炬燵に入らないよう見張っていて」
次の日、籠は諦め、布団を用意することにした。押入れの客用の布団の中身の綿を出して、布団らしきものを作る。ドキドキだ。
襖を閉めて、開ける。布団の皮だけのものが、元に戻っている。
っよっしゃあ~!!
もう一度、同じことを繰り返す。2組布団らしきものが仕上がった。これを夜になったら、縁側に敷くことにする。
「これに、ハクたちが寝るんだね」
布団から綿を出すこととか結構手伝ってくれたベルが、できた布団擬きにダイビングする。
イエローも調子に乗って、飛び乗る。
「そうだよ。寝心地は」
「ふっかふかだよ。ふっかふか」
ゴロゴロ布団の上を転がる。お行儀が悪いけど、楽しそうだからいいか。イエローゴロゴロベルに轢かれているし。
他の鶏たちも、乗って良いというと、コケコケ言いながら、2枚目の布団に乗る。
寝心地は悪くなさそうだ。
出来上がった布団は、縁側に積んでおこうと、1枚は、ベルと可奈で運び、もう1枚はレッドとブルー、ハクが運ぶ。
運んでいる最中、イエローが、布団の上に飛び乗り、他に皆に.つつかれていたのは、お約束だろう。
やると思ったよ。あんたは。
ベルもやりたそうで、困ったけど。
いつか、なんかの機会にやるんだろうな。その時は、怪我をしないように気を付けてほしいものだ。
さて、本日、再挑戦の日がやってまいりました。
ネットでしっかり勉強しました。
この間の敗因は、だいたいがいけなかったんだと思う。
今度は、しっかり計量カップとスプーンを用意しました。湯煎の支度もしました。
順調です。ベルの期待の目が重い。
チン
恐る恐るオーブンを除く。膨らんでいる。上を押してもスポンジらしい弾力がある。
型から外して冷ます。
オーケーじゃね。
横から小さい拍手がしている。ベルだ。
「できたあ~」
ちょ~かわいい。
「できたね。さあ、飾りつけだよ」
クリームを塗りつけ、採ってきたイチゴを載せる。チョコやクッキーも載せるようだ。
缶詰のフルーツを持ってきた。
「これも乗せていい?」
「いいよ」
可奈の了解をとると、うれしそうに、ベル感覚で載せていく。
山盛りだ。楽しいケーキになった。




