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13話 周囲の現状

さて、無事に村に帰ることができ、ギルドに行って報告を済ませ、無事全員がC級冒険者になったわけだが、さっきのは一体なんだったのか。

俺達は早速宿に戻ってフィーリアの話を聞くことにした。


「フィーリア、さっきいったい何が起きたか話してくれ。」


フィーリアは小さく頷き、


「あのゴブリンの村は途中から和人たちが戦ってたゴブリンキングとゴブリンナイト以外、邪属性の魔法で暴走、強化されてた。だから聖属性の魔法で中和した。ざっくり言うとこういうこと。」


「ちょっと待て、その邪属性の魔法とか、聖属性の魔法とかをはじめて聞いたんだが………」


「私もよ。この世界の魔法の属性は本で読んで知ってるつもりだけど、そんな属性の魔法は載ってなかったわよ」


俺の疑問に波瑠が乗っかる。どうやら転送者まよいご組はみんな知らないようだ。


「え~とね、それは話が長くなるんだけどいいかな。」


そう言ってジュンジが説明を始める。


「聖属性は光、邪属性は闇のそれぞれ上位にあたる属性なんだ。ただ、聖属性は天人族、邪属性は鬼人族に加護をもらうことで使えるようになる。他にも方法はなくもないけどまあ、除外してもいいほどの確立だから今回は飛ばすよ。で、聖属性は邪属性に強く、邪属性は聖属性はに強いと言われているんだ。さらにビックリ情報、現在天人族と鬼人族以外でその魔法が使える人は二桁に満たないと言われているはずなんだけど……」


ジュンジはそう言ってフィーリアを見る。


「気にしない……小さい頃色々あった。」


「「…………」」


「まあ、本人が言いたくないんなら、いいんじゃないか。」


「そうだね、ボクには難しすぎてわかんなかったけど、よーするにフィーリアがすごいってことでしょ?」


全くことの重大さを理解していない二人。でも、浩司の言う通りかもしれない、それに実を言うと俺もよくわかっていないので話を変えるとしよう。


「なあ、そろそろこの村を出ないか?」


「どうしたのよ。急に。」


「いや、そろそろ、実力もついてきたし、言語の方も、ジュンジに太鼓判もらってるし、新しい場所で情報収集しても良いんじゃないかと思って……」


今回のゴブリン討伐でみんな生き残るための実力はついたと思う。

浩司は…まあ、打たれ強くはなったんじゃないかな。

言語についてもすでにみんな、バルナ小国群に隣接している三つの大国が公用語にしているカルザス語はある程度しゃべれるようになっている。


「僕は賛成だよ。で、行き先に良い提案はあるの?」


「う~ん、地図持ってないか?」


「はい、地図ぐらい、持っときなさいよね。」


「えーと、コノワ村は………」


「ここじゃねぇか?」


と言って浩司が地図上のコノワ村を指し示す。

地図によると、ここ、コノワ村はバルナ小国群の西端位置し、北は森が広がり、西も荒野が広がりさらに進むと海が広がっている。

東側と南側は一応他の小国家と隣接していることにはなっているが、地図上で見るとコノワ村の周辺だけほとんどなにもかかれておらず、忘れ去られたようにぽつんと位置しているように描かれている。

海があるんだから西側にも港町があっても良いのではないかと思うが、地図上に見当たらない。バルナ小国群内で一番近い海沿いに位置する街の表示はずっと南下した場所にひとつだけしか見当たらなかった。


「なあ、ジュンジ、何で海沿いに街が無いんだ?」


そう聞いてみると、


「海沿いは港が造れる代わりに、潮風の被害が強すぎて建物は長く持たないし、塩害で農作物もあまり育たないからね。バルナ小国群に属しているといっても小国家が自国で農作物が作れないのは痛手ではすまされないからだよ。それに海洋性の魔物の被害も大きいしね。」


つまりそう言うことだそうだ。

海沿いは利益も大きいがずっとその利益が続くとは限らないのにたいしてデメリットが大きすぎる。

大国なら被害が出たとき、他の街などから支援ができ対処ができるが、小国、まして、村ひとつ、街ひとつが独立した国になっているここ、バルナ小国群では被害を受けたときに国内では対処しきれないのだ。

いくら同盟を組んでいるとはいえ、大国に対抗するためのもので、同盟内の別の国に弱味を見せたくないというのが、この辺りの小国の、共通認識らしい。


閑話休題。


というわけで西の海沿いには街が無く(あったとしても地図に載らないぐらいの漁村ぐらい)、北には森が広がっている。森の向こうには別の国もあるらしいが、森を避けて行こうとすると行くだけで何ヵ月単位の日数がかかるし、森を突っ切れるならとっくに義人がいっていた北の遺跡(仮)に行っている。

というわけで、行くとしたら南のヴィジックブルグか東のクルディス王国になるわけだが……


はっきり言おう、どちらも問題がある。

まず、南のヴィジックブルグだが、この国は現在、さらに南にある国、ウルニアと交戦中である。ウルニアはバルナ小国群に属しておらず、近年バルナ小国群の小国をどんどんを取り込んで勢力を増している新興国だ。

つまり、戦争状態である。

もちろん現在国境は交通規制が敷かれており、明確な理由がなければ入国はできない。

裏の家業の人に頼めば入れるかもしれないが、こっちに来てから一ヶ月ほどしかたっていないのに犯罪者の仲間入りはしたくないし、もちろんそんな伝もない。

次に東にあるクルディス王国だが、こちらはバルナ小国群に属する小国である。

ただし、王族の腐敗により国は荒廃していて、ここ数年慢性的な食料不足状態にあり、事実上の無法地帯になっているそうだ。

こっちも一応疫病などの関係で交通規制が敷かれているが、事実上の無政府状態なので名前だけである。

西は海、北は強力なモンスターが蔓延る大森林、南にいけば戦線、東にいけば無法地帯。

入出国は自由だがそんなところに好き好んで向かうのは馬鹿か、あるいは偽善者だろう。


どうやらとんでもない場所に飛ばされたらしいと今さらになって気づいてしまった和人であった。







最近一話の長さが短くなっている気がします…

読んでくださっているかたごめんなさいm(__)m

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