第5話 SR《幸運の羅針盤》
指先が『START』へ触れた。
カチッ。
小気味よい音とともに画面が暗転する。
静寂。
一秒。
二秒。
三秒――。
一本の青い光が空へ駆け上がった。
(また青か……。)
一瞬そう思った。
しかし、その青い光の中へ、一本だけ金色の光が溶け込む。
「……!」
思わず息を呑む。
前回にはなかった演出だ。
青と金。
二つの光は絡み合いながら空高く昇り、無数の粒子となって降り注ぐ。
(違う……。)
(昨日とは明らかに違う!)
胸の鼓動が速くなる。
運命ポイント。
たった一ポイント。
それだけで本当に変わるのか半信半疑だった。
だが、この演出を見た瞬間、確信へ変わった。
(変わった……!)
一枚目のカードがゆっくりと現れる。
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獲得
No.012
丈夫な水筒
★☆☆☆☆
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<図鑑>
厚い木材から作られた丈夫な水筒。
長時間の旅でも水を安心して持ち運べる。
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(お、新しい図鑑だ。)
木の棒じゃない。
初めて見るアイテムだ。
思わず笑みがこぼれる。
二枚目。
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獲得
No.013
応急手当セット
★★☆☆☆
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<図鑑>
包帯や薬草などが入った救急セット。
冒険者なら一つは持っておきたい。
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(これはありがたい。)
実際に戦ってみて分かった。
怪我をするのは当たり前だ。
こういう実用品ほど役に立つ。
三枚目。
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獲得
No.014
鉄の短剣
★★☆☆☆
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<図鑑>
初心者ナイフよりも丈夫で切れ味も良い。
駆け出し冒険者に人気の一本。
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(おっ、装備更新だ。)
レオンは思わず頷く。
こういう少しずつ強くなる感覚も、ガチャの醍醐味だ。
四枚目。
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獲得
No.015
保存食 一週間分
★☆☆☆☆
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<図鑑>
長期保存が可能な携行食。
味は相変わらず期待できない。
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(量が増えたな。)
五枚目。
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獲得
No.016
革のマント
★★☆☆☆
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<図鑑>
風雨を防ぐ丈夫なマント。
防寒具としても役立つ。
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(これで森の探索もしやすくなる。)
ここまではNとR。
前回より少し内容は良くなっている。
それだけでも十分嬉しい。
だが――。
(まだ五枚ある。)
あの金色の光は、まだ一度も姿を見せていない。
レオンは高鳴る鼓動を抑えながら、次のカードを見つめた。
六枚目。
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獲得
No.017
投げナイフ
★★☆☆☆
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<図鑑>
扱いには練習が必要だが、遠距離から相手をけん制できる。
予備武器として携帯する冒険者も多い。
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(使いこなせたら便利そうだ。)
七枚目。
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獲得
No.018
解毒薬
★★☆☆☆
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<図鑑>
一般的な毒であれば解毒できる薬。
冒険者なら一つは持っておきたい。
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(これも冒険には必須だな。)
八枚目。
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獲得
No.019
魔石(小)
★★☆☆☆
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<図鑑>
魔物から採れる小さな魔石。
魔道具の燃料や換金用として広く流通している。
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(魔石まで出るのか。)
そして九枚目。
画面全体が静かに震えた。
青い光の中へ、一筋の金色が溶け込む。
「……!」
前回とは違う。
昨日とも違う。
金色の光はゆっくりと広がり、画面いっぱいを優しく照らした。
レオンは無意識に息を止める。
(これだ……。)
光が収束し、一枚のカードとなる。
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NEW!
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獲得
No.020
幸運の羅針盤
★★★☆☆
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<図鑑>
持ち主を幸運へ導く不思議な羅針盤。
幸運が眠る場所や、運命を変える出会いの方向を静かに指し示す。
装備している間、幸運がわずかに上昇する。
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「SR……!」
思わず声が漏れた。
初めて見る★★★☆☆。
たった一ポイント。
それだけで、本当にガチャが変わった。
興奮が冷めないまま、最後の一枚が現れる。
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獲得
No.021
銀貨袋(小)
★★☆☆☆
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<図鑑>
銀貨十枚が入った小さな革袋。
駆け出し冒険者にとっては心強い旅の資金。
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(お金まで出るのか。)
レオンは苦笑する。
武器だけじゃない。
旅に必要なものまで手に入る。
ガチャは思っていた以上に奥が深い。
画面が切り替わった。
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ガチャ結果
新規登録 10件
★★★☆☆ 1
★★☆☆☆ 7
★☆☆☆☆ 2
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続けて、新しい表示が現れる。
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図鑑更新
No.020
幸運の羅針盤 登録
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その瞬間。
図鑑のNo.020だけが淡い金色に輝いた。
(SRだけ……特別?)
そう思った時だった。
カチッ。
机の上へ現れた幸運の羅針盤が、小さく音を立てる。
「……え?」
レオンはそっと手に取った。
普通の羅針盤なら北を指す。
しかし、その針はゆっくりと回転を始めた。
スーッ……。
ピタリ。
止まった先は、ベルン村の北西。
ルクスの森のさらに奥だった。
一歩横へ動く。
針もまた静かに向きを変え、同じ方向を指し続ける。
「本当に導いてる……。」
さらに、身体が少し軽い。
不思議と気分も晴れやかだった。
(これが……幸運が少し上がるってことか。)
劇的な変化ではない。
それでも、何か良いことが起こりそうな予感が胸を満たしていた。
レオンは羅針盤をしっかり握り締める。
「よし。」
「明日は、この先へ行ってみよう。」
幸運が待つ場所へ。
新しい冒険が、また始まる。
(第6話へ続く)
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第5話を読んでいただき、ありがとうございました!
ついにレオン初のSR《幸運の羅針盤》が登場しました。
次回は、羅針盤が導く先で新たな発見と冒険が始まります。
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