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リエルネールの二人旅  作者: せきち
第4章 魔族の思惑編
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間話④-エラネス神話 第3章「渡り鳥」

エラネス神話。

これは900年前に世界中に広く知れ渡り、400年前に突如消え去った、現在のエラネス教の元となったものである。


今回はその、第3章の一部をここに記そう。


ーー


慈愛と豊潤の女神、エラネスは人類と魔族の生きる様をただ雲の上から眺めていた。


魔族とは、人類の上位存在としてこの世に生まれさせた少数な存在だ。


人類だけをこの世界に住まわせれば、この生物は互いに仲間を作り、争い、最終的に誰もいなくなってしまう。


そのため、強力な上位存在が集団には不可欠になる。


女神エラネスはこの魔族には欲というものを人類より低く設定をした。

そのため、魔族に従えばきっと人類は争わずに済むだろう。


それが慈愛と豊潤の女神エラネスの切なる願いだった。


しかし、すぐにそれが間違った行為だと理解した。

なんと、魔族と人間が対立をしだしたのだった。


魔族には人間にはない、魔術という技術を持ち合わせていた。

なのに人間はそれに刃向かった。


何故か。それは、人間が果てしなく欲深き生き物だからだ。


我らが女神は、この状況に悩み、ある一つの考えを見出した。


自身の操る渡り鳥を女神の使いとして大陸内に向かわせ、争いを止めるよう呼びかけようとしたのだ。


その渡り鳥の名は、リエルネールと言った。


早速、リエルネールを呼び、女神エラネスは下界に使わせた。


〈中略〉


結果的に、リエルネールは人類と魔族。

両方から反感を買い、追われる結果となった。


特に魔族からは大きな反感を買い、出会うたびに魔術を放たれる結果になってしまった。


しかしリエルネールには、下界には存在しない魔術を放てるという特権を有していた。


その中の一つに、見えない魔術(シャ・ラーム)がある。

これは、魔力を物質に変える、女神の魔術の応用であった。


ついに魔族は、女神の使いのリエルネールを殺して女神の魔術の手に入れた。


それに怒った神エラネスはリエルネールを生き返らせ、魔族に対しもう一度送り返した。

それはもう、何度も何度も続いた。


結果的に、魔族の数は五分の一まで減り、リエルネールは魔族の中で恐怖の象徴となった。


そして、女神エラネスは友人の、裁きの神ヒーメルに尋ねて、死んだ魔族の魂をこの高い山で幽閉してくれと頼み込む。


しかしそれは断られ、二人の仲には溝が深まった。

しかしその少しあと、魔族たちの魂が神ヒーメルを殺してしまった。


深く悲しみ、後悔した女神エラネスはこの高い山脈のことを、現在のヒーメル山脈と呼ぶことにした。


そして結果的に、女神のお陰で魔族の数は減少したので人類から信仰されることが増えた。


そして、危険を顧みずに魔族を殺して回った、神と下界の渡り鳥、リエルネールには勇気なるものと名付けられた。


ーー


この神話が消え去った要因の一つに、女神エラネスはどこまでも慈愛の女神なので、必要以上に魔族を殺したりなどするわけがないと、教会の過激派が燃やして回ったというものがある。


真相は現在まで不確かなのである。


なので魔族の間でリエルネールというものは、力を振り撒く権力の傀儡、と言う意味を持つ。


また、魔族の数が明らかに減ったので人類の間では、正義の象徴として長い間讃えられていた。

神は信じないけど地獄は信じます。

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